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菊地成孔さん のコメント

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菊地成孔
>>5

 追記ですが、要するにいかりや長介は、「元ベーシスト」である側面よりもはるかに「元コメディアン」という素質から演技者になった、ということと、いかりや長介のベーススタイル、というのが、僕はわからないので(ドリフの有名曲は皆、スタジオミュージシャンの演奏です)、批評の素材になり得ない。ということです。

No.6
24ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
 心の喪(の作業)は終わっていない、一生終わらないかもしれない。なので、儀式としての喪の作業をすべく、近所のホテル(ここのラウンジで、太田プロの芸人の方々が打ち合わせやインタビューをしている所に遭遇したことはない。もちろん、上島竜兵氏も含む)でカフェオレを飲み、南昌飯店でラーメンと餃子と酢豚と炒飯を食い、レモンサワー(中身は佐藤<黒>)を4杯飲んでそのまま寝た。    ファンの方ならご存知の通り、僕は焼酎は飲まない。ので、初めてのドラッグのように物凄く効いて、内心で我ながら「泥酔」という状態に近いなコレは)と思いながら1分以内で帰宅した。    壮年になると(過去「熟年」という言葉があり、僕は特に好きでも嫌いでもなかったが、東京医大の偉い医者かなんかが作ったあれを大いに気に入り、推奨したのが森繁久彌である)、飲酒の勢いで寝ると、妻子がいるか、独居かに関わらず、死亡リスクが高まる。    「妻子や友人(やペット)がいれば(孤独ではない?から?)自死は免れやすい」という戯言を信じている日本人も、もう少ないはずだが、泥酔からそのまま寝ることのリスクも全く同様であろう。「孤独死」を、極端に恐れるのは一種の症状である。友人知人に囲まれても、死ぬときは1人だ。    僕はおそらく、生まれて初めて泥酔した勢いでそのまま寝た。今までは、どれだけ飲んでも、部屋に帰ったら水を大量に飲んで、完全に酔いが覚めたからでないと寝なかった。吐瀉逆流による、求めない窒息死が怖いから、とかではない。1 cc でも吐き戻したら、どうわー!とか言って笑いながら飛び起きる自信があるし、そもそも泥酔によって吐いたこともないし、吐き気を催したことすらない(理由はーーまたしてもーーフロイド的に明確であろう)。    それより、泥酔者独特の蛮行で、間違って物を壊してしまったり(部屋が楽譜と CD と楽器の山なので、何を破損するかわかったもんじゃない)、転んでどこかを打ったり捻ったりするのを避けるため(それでもとうとう、人間ドックで何も出なく、喜びに片手を天に突き上げた瞬間に靭帯損傷するのだから、もう、いつ転んでもおかしくないが)もあるし、何よりも酒が抜けてゆくのは、酒が回ってゆくのと同じ快楽があるからである。夜が明けるのに似ているし、実際、その最中には、多く、夜が明けた。    今、目覚めたら5時間経っていた。導入剤よりも遥かによく効く。というか、シンプルに恐るべき爽やかさがあり、頭の回転が早くなっていて驚いた。部屋は(買った覚えも飲んだ覚えもないミネラルウォーターのペットボトルの空き瓶が3本転がっていたこと以外)全く荒れておらず、寝巻きに着替えて布団も普通にかけていた。昨日はオーニソロジーのレコーディングで、50枚を超える楽譜が使用されたが、それもきちんと整えて机の上にあった。夜は明けていた。雨が降って空は暗い。端的に言って、美しい。  
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