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菊地成孔さん のコメント

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菊地成孔
>>3

<SNSを分けて消化できている>というと、なんだか、いささか能動的な特殊能力のような感じですが笑、実感(リアル感)としては、消化できてるも何も、もともと全然別の世界ですよ笑。もし、別の世界でなかったら、僕はレイシストとして、また、あらゆる発達障害への悪質な差別者として、抹殺されているはずですが、現実では塵ひとつ動きませんでした。マリオがいくらコイン取ったって財布膨らまねえだろ笑。

 「リア充」っていうと、リア王みたいですけど笑、確かに僕の現実は非常に充実しています。っていうか「現実が充実していない」っていう状態って、どんな状態のことか、オトボケでも皮肉でもなく、全く想像できません。僕が言っている僕の現実の充実感は、女性にモテるとか、好きなことしてお金が入るとか、健康に恵まれてるとか、そんなことではなないです。それで現実が充実していると思える人物は、狂人とは言わないけれども、大馬鹿だと思います笑。

 生きるのが辛いとか、特に夢がないとか、思った通りにならないとか言ったことも、僕は充実だと思います。実際僕にもそういう時期はあり、その時に現実が充実していないとは思いませんでした。また、僕はインターネット後/SNS前で時を止めた人間ですが(ガラケーの電波が止まるんで、「ガラスマ」にします派)、「SNSを現実と捉える人間」というのも、100%捉えちゃったら狂人でしょう笑。どんだけインスタグラムのラーメン写真見ても実際腹膨らまねえだろ笑。

 なので要するに、厳密には、としますが、「SNSを社会と捉え<かけている>人間」が増加しているわけですよね。SNSを、あたかも実社会のように捉える人は啓蒙的な狂人じゃないです。人畜無害な馬鹿ですよね笑。今、SNSを拒否すると、自分が拒否されたようになるジャンキーの人々も、<昭和は「新聞の社会面(テレビ地上波でもいいかな)」を、あたかも実社会のように捉える人々が山ほどいまして、あいつら馬鹿ですよね〜本当に笑>と言っても、同意。でしょう笑。

 仮想現実(死後の世界とか、夢とか)を作り、はぐくめるのは、人間の特権ですが、それが(こんな言葉はないけど笑)「実現実」と本当に分離できなくなったら狂人です。これは人類史が始まった段階からずっとそうで、今も特に変わりません。「深刻な増加傾向」も無い、と断じます。もし深刻な増加傾向だったら、僕と町山さんが、和解や裏取引といった、ある種の整合性なく、いきなり楽しく話し出し、話し終わったら(実現実的に、そうなんですが笑)、僕と町山さんが狂人扱いされるはずです。おそらく、ですが、単純に喜んだり安らいだりした人の方が多く無いですかね?

 ここは重要だから、なるべく多くの人々に認識していただきたいなあ、と思ったのは、WOPの美ショーもアフターも、町山さんの方から先に「あの時は失礼しました」と言ったこと、そして、僕がその発言を受けて、手打ちとしたわけでは無いこと。です。町山さんの方が、僕よりはるかにSNSに体奪われてる割合が高いでしょうから、言わざるを得ないですねこれは。僕は町山さんが、あの時は失礼しました。なんて一言も言わなくても、同じパフォーマンスしました。

 といったわけで、「現実が充実していない=アルターワールドに逃避的に移住」VS「現実が充実している=アルターワールドに移住する必要なし」と言った構図は、ものすごーーーーく馬鹿げていると思いますよ笑。僕は路上生活者の人々と、現実の充実感が違う。と思ったこと、一度もありません。

 僕(そして、僕のマンションの入り口前に居住していた人々)にとって、現実というのは、山ほどの仮想現実に取り囲まれた、身体的に接触でき、生物として直接関われるフィールドのことですし、人生の醍醐味は、実現実を、仮想現実と一緒にライディングすることですよね。僕がSNSをやらないのは、ボードの踏み込み方や、パンチの出し方や、ポリリズムを発生させる方法と同じで、人生を乗りこなす身だしなみですね。

 ただ、記憶はありませんが、音楽を初めて聞く前、は、どうだったかわかりません。甚だ不安です。音楽が人生から足りなくなったら、現実は確かに充実しないかもしれない。「夜電波」のテーマは、というか、僕の根本的な現実観はそういうものです。ライブお楽しみに。お気遣いありがとうございます!

No.7
24ヶ月前
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 今、京都のホテルにいる。そして、今から寝るまでの、およそ5~6時間のあいだに(いきなりだが、この「○~○時間のあいだ」という日本語は良いのだろうか?良いのだろうな?「時間の間」と書くたびに気になっている)やらなければならないことが入浴と運動だけであることに軽く驚いている。    実は昨日から大阪~京都のショート CP に来ていて   (「 CP 」お分かりだろうか?そう、「クラウドパーソン」のこと嘘。キャンペーンのことである。では「 campaingh 」は?確か、だが、「宣伝、活動」よりも些か「運動、闘争」だったような気がする。「ネガティヴキャンペーン」とか言うよね。今僕が来ているのは「マーケティング・キャンペーン」だ。「ネガティヴ・キャンペーン」が、「暗い性格のタレントが地方に宣伝にゆくこと」だったらちょっと面白いけど。それはともかく、僕は確か、高校の時、思いっきり背伸びして、シェイクスピアを原
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