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菊地成孔さん のコメント

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菊地成孔
>>12

 テクノロジーは便利だから、手放せないですけど、勘とか野生とか、気の流れを失わせますよね。今「知らない音楽と出会う」なんて、占いとかのレヴェルにありますからね笑。良く気が出てる人(「気分の良い人」「気前の良い人」「気が合うひと」)の近くにゆくと、ご自分の気流も良くなります笑。プレイヤーを購入されるのはとても良いことです。何せプレイヤーですからね笑。それに、コンパクトディスクは死にメディアではないです。

 ゴダールの新作は、もうそろそろ公開されますから(公式に僕や蓮見先生のコメントが出揃っております)、御自分で映画館にゆくのが一番良いと思います。20分間のために映画館にゆくのはなかなかラディカルですよ笑

No.13
9ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
月5日(月)   大雪が降って、ベランダがカナダのクリスマス並みに積雪したのでタバコを吸っていたら、1本が短い iQOS がいつまで経っても終わらないので「あれ?フー。あれあれ?フー」とか煙を吐き続けていたら、自分が吐く息だった笑。部屋で湯を沸かし、紅茶を入れて、膝掛けをして編み物でもしましょうかという気分だ。   グラミー賞の授賞式を見たが、とうとう「僕にとって、 US オーヴァーグラウンダーが全く魅力を失う時」が来た。4~5年前から軽く予感はしていたのだが、とうとう本格的に来た感じだ。ポップミュージックは聴き込んでいたつもりで、最近の USovg 以外は K-POP も J-POP もとても良いというのに。   テイラーが嫌いなわけでもなんでもないんだが、あの曲はなんというか、 MTV 黎明期の思い出というか、曲だけ聞いてもなんとも思わないのだが、 MV が途中から(歌詞の中のワンラインを使った)ドラマになって、そこはすごく面白い。なんかそれだけな気がする。   アメリカは今、かなり暗く、テーラーの「アンチヒーロー」の歌詞も、ちょっと気が利いているだけで、マイリー・サイラスの「フラワー」や、ビリー・アイリッシュの「ワットウォズアイメイドフォー」も、形式が違うだけで、結局どれもみんな同じ歌だと思う。聴いていて暗い気分にすらならない。「ああ、大変なんですね」と思うばかりだ。   マイリーの「フラワー」の MV はネットではなく、地上波の「流派 R 」みたいな海外 MV 紹介番組の中で偶然見たんだが「どこまで零落したんだ」と驚愕していたら、零落していなかったので2度びっくりした笑。   彼女の露出癖は、現代のセンスを集めれば、如何様にでも料理できると思うのだが、ビキニの水着ではなく下着でプールに入り、その後、綱引きだの、パワーチューブ系のエクササイズが続き、ニップルが見えるギリギリの線で、全裸にスーツだけ着て踊る。というのは、どう考えてもダメだと思う。   ビリー・アイリッシュは残念だがもう何もない気がする。「バービー」の挿入歌の中の「悲しい歌」として機能しているが、彼女の歌というのはそういう器を超えないとダメではないかと思う。ミュージカルナンバーの捨て曲にしか聞こえない。   いずれにせよ歌詞が悪い。 USovg にちょっと前まではあったポエジーもイロニーもなんもない。女性がリアルでちょっと大胆な物言いをしているだけで、すげえーとかいうのはもうやめた方が良い。僕は米国における「 X 世代」は、我が国における「第7世代」と大して変わらないと思う。   ヴィクトリア・モネも、オリヴィア・ロドリゴも、「なんかすごそう」と思って聞くと、10秒おきに「がっかりメーター」が下がってゆく。   SZA とか何せあのカイリー(長年の推し)が受賞したのは嬉しくもあるが、曲がなんかもう、頑張ってる感しかしない。あのトラックなら AI 使えば5分でできる(もっと良いのが)。カイリー・ミノーグはまだ55のはずだ。   アメリカで今、一番面白い音楽はジャズだ。ケイト・ジェンティルは「スナークハウス」からびっくりはしていたが、最新の「ファインドレター X 」は、相当凄い。腹の座り具合が違う。   ポップスにおける女性の時代は終わり(消費されつくし)、いよいよ長年の悪性男性性(性が多い笑)に苦しんだジャズ界こそ女性の時代だと思う。   アメリカンポップスが零落した理由は明白だ。「(扇情的な衣装や動き等々を)エロいんじゃない。かっこいいんだ」とか言い始めてから一直線に落ちている。シンプルに言うけど、エロいで良くない? ブリトニーもビヨンセもエロかったよ普通に。そして「エロいもんはカッコいい」のではないの?   K-POP が素晴らしいのは、なんてことはない。普通にエロいからだ。日本の坂の人たちもあれは普通にエロい。芸妓さんたちの舞と一緒だ。エロけりゃいいってもんじゃない。エロくてクオリティが高いので素晴らしい。アメリカのリベラルとフェミニズムは何がしたいのかマジで全くわからん。いつかはっきりするかもしれないと思って70年年代からずっと見守っていたが、やっぱ何もないことがわかって義憤に近い感情に駆られている。バイデンは「ワールドリベラリズム」をアジェンダ以上に標榜し、中国の CO 2排出を抑えさせると宣言したが、結局また空爆だ。こんなことだからまだトランプ期待論が消えないのである。   単に傷ついた人主体の社会把握に僕は反対だ。ルッキズムがどうのとか多様性がどうのとか全くパワフルにもポジティヴにも聞こえない。引かれものの小唄だ。いいじゃん見た目で判断されたって。僕だってされてるし、してるし、音楽市場の多様性のなさ(特にジャズに対して)に上げたり下げたりされ続けているけれどもなんとも思わんよ笑。  
ビュロ菊だより
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