月5日(月)
大雪が降って、ベランダがカナダのクリスマス並みに積雪したのでタバコを吸っていたら、1本が短いiQOSがいつまで経っても終わらないので「あれ?フー。あれあれ?フー」とか煙を吐き続けていたら、自分が吐く息だった笑。部屋で湯を沸かし、紅茶を入れて、膝掛けをして編み物でもしましょうかという気分だ。
グラミー賞の授賞式を見たが、とうとう「僕にとって、USオーヴァーグラウンダーが全く魅力を失う時」が来た。4~5年前から軽く予感はしていたのだが、とうとう本格的に来た感じだ。ポップミュージックは聴き込んでいたつもりで、最近のUSovg以外はK-POPもJ-POPもとても良いというのに。
テイラーが嫌いなわけでもなんでもないんだが、あの曲はなんというか、MTV黎明期の思い出というか、曲だけ聞いてもなんとも思わないのだが、MVが途中から(歌詞の中のワンラインを使った)ドラマになって、そこはすごく面白い。なんかそれだけな気がする。
アメリカは今、かなり暗く、テーラーの「アンチヒーロー」の歌詞も、ちょっと気が利いているだけで、マイリー・サイラスの「フラワー」や、ビリー・アイリッシュの「ワットウォズアイメイドフォー」も、形式が違うだけで、結局どれもみんな同じ歌だと思う。聴いていて暗い気分にすらならない。「ああ、大変なんですね」と思うばかりだ。
マイリーの「フラワー」のMVはネットではなく、地上波の「流派R」みたいな海外MV紹介番組の中で偶然見たんだが「どこまで零落したんだ」と驚愕していたら、零落していなかったので2度びっくりした笑。
彼女の露出癖は、現代のセンスを集めれば、如何様にでも料理できると思うのだが、ビキニの水着ではなく下着でプールに入り、その後、綱引きだの、パワーチューブ系のエクササイズが続き、ニップルが見えるギリギリの線で、全裸にスーツだけ着て踊る。というのは、どう考えてもダメだと思う。
ビリー・アイリッシュは残念だがもう何もない気がする。「バービー」の挿入歌の中の「悲しい歌」として機能しているが、彼女の歌というのはそういう器を超えないとダメではないかと思う。ミュージカルナンバーの捨て曲にしか聞こえない。
いずれにせよ歌詞が悪い。USovgにちょっと前まではあったポエジーもイロニーもなんもない。女性がリアルでちょっと大胆な物言いをしているだけで、すげえーとかいうのはもうやめた方が良い。僕は米国における「X世代」は、我が国における「第7世代」と大して変わらないと思う。
ヴィクトリア・モネも、オリヴィア・ロドリゴも、「なんかすごそう」と思って聞くと、10秒おきに「がっかりメーター」が下がってゆく。
SZAとか何せあのカイリー(長年の推し)が受賞したのは嬉しくもあるが、曲がなんかもう、頑張ってる感しかしない。あのトラックならAI使えば5分でできる(もっと良いのが)。カイリー・ミノーグはまだ55のはずだ。
アメリカで今、一番面白い音楽はジャズだ。ケイト・ジェンティルは「スナークハウス」からびっくりはしていたが、最新の「ファインドレターX」は、相当凄い。腹の座り具合が違う。
ポップスにおける女性の時代は終わり(消費されつくし)、いよいよ長年の悪性男性性(性が多い笑)に苦しんだジャズ界こそ女性の時代だと思う。
アメリカンポップスが零落した理由は明白だ。「(扇情的な衣装や動き等々を)エロいんじゃない。かっこいいんだ」とか言い始めてから一直線に落ちている。シンプルに言うけど、エロいで良くない? ブリトニーもビヨンセもエロかったよ普通に。そして「エロいもんはカッコいい」のではないの?
K-POPが素晴らしいのは、なんてことはない。普通にエロいからだ。日本の坂の人たちもあれは普通にエロい。芸妓さんたちの舞と一緒だ。エロけりゃいいってもんじゃない。エロくてクオリティが高いので素晴らしい。アメリカのリベラルとフェミニズムは何がしたいのかマジで全くわからん。いつかはっきりするかもしれないと思って70年年代からずっと見守っていたが、やっぱ何もないことがわかって義憤に近い感情に駆られている。バイデンは「ワールドリベラリズム」をアジェンダ以上に標榜し、中国のCO2排出を抑えさせると宣言したが、結局また空爆だ。こんなことだからまだトランプ期待論が消えないのである。
単に傷ついた人主体の社会把握に僕は反対だ。ルッキズムがどうのとか多様性がどうのとか全くパワフルにもポジティヴにも聞こえない。引かれものの小唄だ。いいじゃん見た目で判断されたって。僕だってされてるし、してるし、音楽市場の多様性のなさ(特にジャズに対して)に上げたり下げたりされ続けているけれどもなんとも思わんよ笑。
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>>2
セルフプレイは、おそらくマイケルへの無意識的なアンサーとしてジャネットジャクソンが00年代に結構書いてましたが、ゲテモノみたいになっちゃって滑りましたね。
今のUSオバグラはSNSと密着しすぎちゃってるんで、30年代のハリウッド女優みたいだな。と思っています。倫理のあり方が30年大に帰っている感がありますね。「エロくないんだ(エロいものを)」と言い出してから、加速してますねやっぱり笑
テイラースウィフトは東京公演を終え、彼氏の試合を観にスーパーボウルに直行しましたね。テイラーがアメフト選手と付き合うのってなんだか普通すぎやしないか?と思っていると、Usherのハーフタイムショーが始まりゲストはアリシアキーズ、ウィルアイアム、リルジョン、リュダクリスと謎に平成初期アンセムのオンパレードみたいなのが始まり(最終的に六本木のクラブみたいになって)これが今のトレンドなのか!?と困惑しました。
Usherのパフォーマンス自体は素晴らしかったです。
P.S.
QNさんが最近ブログで女装癖があることをカミングアウトされていました。
やっぱり天才だなと思いました。
まだ完読はしていませんが『ユングのサウンドトラック』の影響で、ゴダールに興味を持ちました(特に女性嫌悪の意味で)。『気狂いピエロ』しかまだ見ていませんが、菊地さんに悪夢をも見せるゴダールは凄い笑
フロイドの夢判断については、個人的に胡散臭い気がしていましたが、ゴダールに経路を導かれたとするなら、夢判断も信じてみようと思いました。
>>5
あなたがチラチラチラチラ反フロイドをアピールせずにいられないのは笑、単に日記中の「コロンボクイズが難しくなりすぎた」という回がフロイディズムだ。という解説に基づき、それが全く理解できなかったから、苛立った。それだけですよね?笑
1)あの日記は、「誰も理解できないようなドープなもんを作ってしまった」という話なんで、理解できなくて良いんですよ笑
2)そもそも理解できないと嫌悪感が起こるのは現代病です
3)フロイドの解説者として、僕がベストなわけではないです笑
(「DJヒロヒト」&)ゴダール最後の作品〜二日連続の悪夢/通過儀礼からのアイディアと、菊地さんの中で壮大な創造のプロセスが動いていると感じました。
そこから生み出される作品が今からとても楽しみです。ちょっと想像するだけでゾクゾクします。
ゴダールの遺作も気になります。
>>9
「壮大なる」はちと大袈裟ですけどね笑。無意識がググッと動いたのは感じました笑
ラディカルな意志のスタイルズのファーストライブに行った記憶がブワッと広がりました。
このメールはKate Gentile “Find Letter X” triple CD release というYouTubeを聴きながら書いています。
まず気に入ったのは、この動画最初の10分は無音でなかなか始まらないこと。
彼らのことは知りませんでした。教えてもらって嬉しい。
なぜなら自分で音楽探索は上手く行きません。
どうしても似たものというより、ネット管理者のおすすめばかり登場し、知らない音楽や知らない才能を見つけるのは難しいから。
このブロマガでゴダールの短編公開をしりました。
ゴダールの作品は、先に公開された「Le Livre d'image (イメージの本)」のような作品でしょうか。
あれは遠くにある上映館まではるばる見に行きました。映画の強烈な印象は残っています。膨大な参照はほとんど知らないことで、途中で道を見失って迷ったような気分になり、またなんとか戻るようなことが繰り返し、頭が痺れて楽しくて高風したことを記憶しています。
最後にやはりレコードプレーヤーとCDプレーヤーを買おうと思っています。
サブスクもよいのですが、ネットにつながっていなくても音楽が聴けることが大切だと思うので。
>>12
テクノロジーは便利だから、手放せないですけど、勘とか野生とか、気の流れを失わせますよね。今「知らない音楽と出会う」なんて、占いとかのレヴェルにありますからね笑。良く気が出てる人(「気分の良い人」「気前の良い人」「気が合うひと」)の近くにゆくと、ご自分の気流も良くなります笑。プレイヤーを購入されるのはとても良いことです。何せプレイヤーですからね笑。それに、コンパクトディスクは死にメディアではないです。
ゴダールの新作は、もうそろそろ公開されますから(公式に僕や蓮見先生のコメントが出揃っております)、御自分で映画館にゆくのが一番良いと思います。20分間のために映画館にゆくのはなかなかラディカルですよ笑
菊地さんの悪夢のお話を読んで(だからなのか?)私も悪夢を見ました。(定期的にみるほうですが。)
性と死にまつわることが多く、苦しくて起きるのですが、私の場合は創作と人生の軽い転機になることが多いです。
菊地さんの次の作品、本当に気になります!!
>>14
悪夢は吉兆だとするのが、まあ、一番健康的ですよね笑。「僕の新作」が実を結ぶかどうかは神のみぞ知る。ですし、僕自身も楽しみです笑