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菊地成孔さん のコメント

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菊地成孔
>>5

 痛風さんこんにちは。

 トップランナーだったかどうかは忘れてしまっているんですが笑、あのアルバムは発売当時、地上波、紙、web、FM、AM、BS、CS、音楽大学、一般大学と、あらゆるメディアで解説した記憶があるんですが(「情熱大陸」の時に出たので)、一切伝わっていないという断固たる確信がありましたね笑。

 「古びない」根拠が「謎が多く、構造的な理解がなされていない(まま、魅力はあるから)」という事だけではないとは思いますが、少なくともあのアルバムは、機材の新しさ(機材は古いですあれは)、よりも、機材の使い方のアイデア皇族がいない事により、要するに類例がないので、古びないとは思いますね。

 「南米のエリザベステーラー」は、そこそこ消費されていると思い(それでも、フジロックで初めて曲聴いた、「昨日生まれた」組の方々も多数いらっしゃるので)、聴き直したら、やっぱ初演は演奏が古いな〜(そこが良いのだけれども)と思い、今回、最新メンバーで再演しました。
No.6
3ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
 赤工(アカク)くんと最初に仕事をしたのは、1枚目のソロアルバム「デギュスタシオン・ア・ジャズ」の時で、現在は裏原サウスと呼ばれるエリアにある「スタジオ syn 」が麻生十番の有名な温泉近くにあった頃だ。僕は作ろうとするものが余りにオルタナティヴなので、いわゆる説明能力が低く(というか、事前説明は諦めていて、しない)、やらされてる方(演奏も、録音も、ミックスや編集も)が、「何をやらされているかわからない」ことが、活動全体にずっと蔓延していて、やっと還暦になって軽減してきた感じだ。    なんだってそうだが、1枚目に全てがある。今年発売22年目になる(当時、ギリで長沼とも仕事はしていなかった頃だ)「デギュスタシオン・ア・ジャズ」のエグさは、一種の永遠性があると思う。いつ聴いてもすごくエグい。何せ、多くの楽曲で、メンバーは顔も合わせていないのは言うまでもなく、合奏者の演奏を聴いていないのである。楽譜もコード進行表も、ほとんど書かれていない。そして何より、打ち合わせがなかった。ゼログラヴィティ音楽、クールジャズとして、構造的極限を使用している。    この間も書いたが、僕は MIDI と全く合わず、実質、直接手を触れたことは一度もない。ところが、プロトゥールすが出来て、音声トラックを直接(まるでアナログテープのように)編集できることを知ってから、プロトゥールスなしでは作品が作れなくなった。    レコーディング経験で言えば、だが、未だにこの時の楽しさと高揚感を超える現場はない。僕は、初めて僕の現場に着任する赤工くんが、何を作らされているか全くわからないままどんどん音声の波形を切ったり貼ったりさせられ、だんだんと作品が出来上がってくる過程を見ていることさえ、全く意識になかった。フライトしていたのである。    有名な「コルコヴァード」が収録されている。僕は「デギュスタシオン・ア・ジャズ」の収録曲はみんな好きだが、これが一番好きなぐらい好きだ。  
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