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菊地成孔さん のコメント

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菊地成孔
>>7

 ありがとうございます!「デギュスタシオン」というのは、<味見>という意味で、一口サイズの料理が60出てくる。ということから着想されました。この料理を出していた「エル・ブリ」という伝説のレストラン(2011年閉店)は、シェフが最新テクノロジーを駆使して(料理店で、世界で最初に、テクニカルラボを併設させました)、とんでもない発想の料理を作り続けました。シェフは僕と同い年です。

 クインテットとラディカルな意志のスタイルズのアルバムは、高い確率で来年いっぱいに出ますのでお楽しみに!!
No.8
1ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
 赤工(アカク)くんと最初に仕事をしたのは、1枚目のソロアルバム「デギュスタシオン・ア・ジャズ」の時で、現在は裏原サウスと呼ばれるエリアにある「スタジオ syn 」が麻生十番の有名な温泉近くにあった頃だ。僕は作ろうとするものが余りにオルタナティヴなので、いわゆる説明能力が低く(というか、事前説明は諦めていて、しない)、やらされてる方(演奏も、録音も、ミックスや編集も)が、「何をやらされているかわからない」ことが、活動全体にずっと蔓延していて、やっと還暦になって軽減してきた感じだ。    なんだってそうだが、1枚目に全てがある。今年発売22年目になる(当時、ギリで長沼とも仕事はしていなかった頃だ)「デギュスタシオン・ア・ジャズ」のエグさは、一種の永遠性があると思う。いつ聴いてもすごくエグい。何せ、多くの楽曲で、メンバーは顔も合わせていないのは言うまでもなく、合奏者の演奏を聴いていないのである。楽譜もコード進行表も、ほとんど書かれていない。そして何より、打ち合わせがなかった。ゼログラヴィティ音楽、クールジャズとして、構造的極限を使用している。    この間も書いたが、僕は MIDI と全く合わず、実質、直接手を触れたことは一度もない。ところが、プロトゥールすが出来て、音声トラックを直接(まるでアナログテープのように)編集できることを知ってから、プロトゥールスなしでは作品が作れなくなった。    レコーディング経験で言えば、だが、未だにこの時の楽しさと高揚感を超える現場はない。僕は、初めて僕の現場に着任する赤工くんが、何を作らされているか全くわからないままどんどん音声の波形を切ったり貼ったりさせられ、だんだんと作品が出来上がってくる過程を見ていることさえ、全く意識になかった。フライトしていたのである。    有名な「コルコヴァード」が収録されている。僕は「デギュスタシオン・ア・ジャズ」の収録曲はみんな好きだが、これが一番好きなぐらい好きだ。  
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