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「料理店の寝椅子 彼女たちとの普通の会話」 5_2作家のよしもとばななさんと (全4回)
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「料理店の寝椅子 彼女たちとの普通の会話」 5_2作家のよしもとばななさんと (全4回)

2015-02-03 09:00

     

    牛肉がご飯で、鶏肉がお粥

     

    給仕 左上にございますのが、ささみキノコの紅葉和え。右隣にございますのが、茄子の豆乳揚げ浸し、真ん中の小鉢に入っているのが、菊花のおひたし、左下にございますのが、子持ち鮎の山椒煮。右下にございますのが、しめ鯖スモークです。

     

    よしもと いただきます。……うん、スモークが美味しい! 日本酒に合いますね。

     

    菊地 ここは燗づけが基本なんですよ。酒によって温度も数段階に分けています。

     

    よしもと いいですね。結局、お酒は燗だなって、最近思うようになりました。

     

    菊地 熱い料理に対して、きりっと冷やして旨い、というのは、大袈裟に言えば、液体ならば何であろうと当たり前の事なんですよね。問題は、常温、更に涌かして旨いかどうかでしょう。同時に、料理もそうですね。和食が世界的な評価を受けるのは、旨味という概念もありますが、何よりも「熱々」というイージーな価値によって誤摩化さない。という文化だからですね。おお、茄子美味いこと。なかなか気の利いた仕事がしてありますね。猫や海老のように、茄子がくるんとくるまっている。

     

    よしもと ほんとだ。どうやったらこんなことができるんだろう。

     

    菊地 (一口食べて)豆乳の効果でまろやかですね。すごいすごい。よしもとさん、お料理はされるんですか。

     

    よしもと 料理は下手ですね。家のご飯をつくりますけど。

     

    菊地 ベジタリアンではないですよね。

     

    よしもと そんなはずがないじゃないですか(笑)。すでに鴨を食べてますし、さっきは「サシが入ったお肉は得意じゃない」なんてお話ししましたよ。

     

    菊地 そうでした(笑)。書かれたもののイメージっていうのはやはり強いなあ。「肉食だけど癒す女流文学」というイマジネーションを我々は奪われてますね。何故か(笑)。

     

     
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