電子書籍の台頭・書籍のネット購入率の増加などを受け、2000年には全国で21495店舗存在した本屋が2020年には11024店舗(出典:出版科学研究所)と約半数にまで落ち込み、東京都にある中小書店(街の本屋)を中心に組織する東京都書店商業組合の加盟店舗数もまた、2022年1月時点で287店と1984年の1426店のピークから8割程度減少しています。

こうした苦境を受け、東京都書店商業組合では忙しい日々の中でゆっくり本と向き合う時間として、週の真ん中に位置する“木曜日”に目を向け、週に一回本屋へ足を運ぶ習慣づくりを目指して「#木曜日は本曜日」プロジェクトを始動しました。

プロジェクトでは、「本屋のピンチを救いたい!」との思いに共感する、本屋と本を愛する著名人・インフルエンサー・作家10数名が「人生を変えた本」を選書し、本屋での本との出会い・エピソードを語るインタビュー動画を特設サイトおよび東京書店商業組合公式YouTubeチャンネル「東京の本屋さん~街に本屋があるということ~」にて順次公開。プロジェクト第一弾では、俳優・歌手の上白石萌音さんのスペシャルムービーが作成されました。

「本屋に行く理由」を「本と偶然出会いたいから」という上白石さんは、絵本、小説、エッセイ、ノンフィクションなどジャンルを問わずかなりの読書家で、お薦めの10冊をあげ、その中から絵本・林明子著の『こんとあき』、小説・フランソワーズ・サガン著の『悲しみよ こんにちは』の2冊について熱く語ります。

場面は変わり、次は本に出合うべく、大正時代から続く老舗本屋・東京南麻布にある小川書店へ。着いた途端に本の匂いを嗅ぎ本屋を満喫する上白石さんは、好きな本を探しながら、書店員さんにお薦めの本を聞きながら、楽しそうに本を手に取っていきます。

最後、「あなたにとって本屋さんとは?」の質問に、「ポエティックに言いますが……」とはにかみながら「無限に本があるなかで、一本釣りもできるけど、行ってみたら違う魚がいることにも気づかされる、思いもよらない収穫がある、それをいっぱい抱えて持って帰れる、最高じゃないですか」と笑顔で締めくくりました。

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