そのプロジェクトの一環として、石川の新しい食文化を創造、菓子歳時記として未来へ繋いでいきたいと挑戦している“夏のおはぎ”『夜舟』が今年で6年目を迎えました。今年は12種類の夜舟を4個入り×3つに分けてセットにして販売。さらに、12種類全部が入った「コンプリートセット」も販売しています。
「春はぼたもち、秋はおはぎ」
じつは同じ和菓子ですが、季節によって呼び名が変わり、その夏の呼び名が「夜舟」です。夏の「夜舟」は、お餅のように「ぺったんぺったん」と音がしないので、隣人には「いつ搗いたかわからない=いつ着いたかわからない」と、夏の夜に着く舟は、凪でいつ着いたかわからない、という昔の言葉遊びから名づけられています。
また、季節ごとの呼び方は、春は「ぼたもち」、夏は「夜舟」、秋は「おはぎ」、冬は「北窓」となっています。
『農菓プロジェクト 』 では「加賀・能登・金澤 夜舟」を名乗るためにルールを設けていて、(1)県産もち米を使用すること、(2)県産もち米プラス1品以上の農産物を使用すること、としています。
※『加賀・能登・金澤夜舟』は農菓プロジェクトの登録商標です。
夏の農作業の途中に食べるおはぎは「田休め」と呼ばれることもあり、農家にとっては疲れを取る身近な甘味。農菓プロジェクトメンバーの米農家や野菜農家がつくる農産物を活かし、菓子処石川県の和菓子職人が創造力と技を活かした「夜舟」ができました。カラフルでおいしい「究極の地産地消、作った人の顔が見えるお菓子」となっています。
石川県の食文化を広く伝え、農業者と和菓子業界の協業により活性化を目指すというのが新鮮です。また、今回は早期予約特典として「もちつき体験&夜舟の餡トッピング体験」も実施。商品販売だけでなく、体験型のイベントにも取り組んでいます。地域振興の形は数々あれど、目新しい組み合わせに魅力を感じる活動がありました。