公益社団法人日本アドバタイザーズ協会は、116人の一般消費者が審査員を務めた「第61回JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール」の入賞作品(全61作品)を発表しました。

JAA広告賞は、媒体社や広告会社などの広告発信側が応募した作品を、受け手である消費者が審査するもの。審査基準は、好感・共感・親近感がもてるか、わかりやすく納得できるか、オリジナリティが感じられるかの3つです。

新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、デジタル、屋外・交通の6部門があり、各部門における優秀作品は「メダリスト」、さらに各部門のメダリスト入賞作品から1点ずつ「JAA賞グランプリ」が選ばれ、全入賞作品から1点のみ「経済産業大臣賞」も選出されます。

以下、各部門の受賞作品をご紹介します。

JAA賞グランプリ 新聞広告部門
株式会社北海道新聞社 #北海道をコブしたいプロジェクト 「昆布新聞」

2022年11月1日、創刊80周年を迎えた北海道新聞。「昆布の日」である11月15日に、史上初の「昆布新聞」が制作されました。全国生産量1位で、古くから北海道を支えてきた「昆布」のように、道民を「鼓舞」する新聞を目指したいとの思いが込められています。

なんと新聞には函館真昆布を使用し、卵殻由来の可食インクで出力しており、本当に食べられるというから驚き。「食べ終わるまでが新聞」として、読者の手元へ届けてしまった大変ユニークな事例です。

JAA賞グランプリ 雑誌広告部門
味の素株式会社 ハンパ野菜の叫び

フードロスの約半分は家庭から出され、しかも野菜の廃棄が多いとのこと。寄せ集めればスープやパスタなどのメインディッシュに大変身する、ハンパ野菜の可能性を説いた広告です。

半分に切った野菜を冷蔵庫に眠らせてしまうことは、誰にでも「あるある」な共感トピック。ハンパに残された野菜たちの断面に表情をつけ、野菜の叫びをキュートにわかりやすく表現しています。

JAA賞グランプリ テレビ広告部門
岡山トヨペット株式会社 横断歩道の恋?


横断歩道を挟んでたたずむ男女。「俺のこと気づいてるかな?」「目があった気がする」と、二人の脳内の声が響き合います。しかし、車はいっこうに止まってくれない……というストーリー展開です。

止まらない車への思いをまるで恋愛感情のように描き出した後、「日本では信号機のない横断歩道で、車の約6割が止まらない」というインパクトある事実を伝えます。2022年の人口10万人当たりの交通事故死者数が全国ワーストだった岡山県での広告、ドライバーの意識向上に役立ったのではないでしょうか。

JAA賞グランプリ ラジオ広告部門、経済産業大臣賞
株式会社ニッポン放送 ラジオ・チャリティ・ミュージックソン 白杖体験篇

障がいのある人の感覚を疑似体験できるラジオ広告。視覚障がいのある人が、白杖で地面を叩く音や障害物に当たったときの音、点字ブロックを確認するときの音などが放送されました。

ラジオの特性を活かして、音を頼りに暮らす障がい者の生活をわかりやすく表現しています。

JAA賞グランプリ デジタル広告部門
相鉄ホールディングス株式会社 父と娘の風景 相鉄東急直通記念ムービー

相鉄線と東急線の直通開業を記念して作られたムービー。相鉄線車内を舞台に、幼少期・思春期・反抗期など、小学生から高校卒業まで時間の経過とともに変化していく親子の関係を総勢50人の父娘キャストで表現しています。

PUNPEE「タイムマシーンにのって」とハナレグミ「家族の風景」の音楽に乗せて、長い間をともに過ごしてきた家族への想い、いつもの生活を支えてくれる電車への想いなど、いろいろな感情が溢れ出してくる広告です。

JAA賞グランプリ 屋外・交通広告部門
森永製菓株式会社 ひっそり合格祈願

脳の活性化に役立つブドウ糖を配合し、集中したい受験生のお供に選ばれている森永ラムネ。受験生の必須アイテム・赤シートを広告にかざすと寒色系の文字が残り「ひっそり合格を祈っています」などの応援メッセージが現れる広告を展開しました。

赤シートの効果をうまく使い、頑張る受験生に寄り添った広告。温もりのあるメッセージで、きっと受験生も励まされたのではないでしょうか。

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