道頓堀のシンボルとして三代に渡って愛されている「かに看板」、2024年2月1日(木)で63年目を迎えます。これまで、道頓堀の歴史をずっと見守ってきましたが、コロナ禍を経てようやく活気が戻ってきた現在の道頓堀においてもいまだ健在です。

初代かに看板(1961年~1971年)

かに道楽(現かに道楽道頓堀本店)の開店当時には、「かに料理」そのものが一般的に普及しておらず、お店の知名度もなかったために、かに料理店と分かるように白壁を砂浜に見立て「かに」そのものの看板を付けようと考えられたのが始まりです。

また、まだ日本が終戦から復興を目指している時期でもあったため、白地に赤くの日の丸をイメージして少しでもみんなが元気になればとの思いもあり、1961年に巨大な動くかに看板を作ったのだといいます。道頓堀の玄関口に登場したかに看板は、あっという間に人々の話題となり、名物看板として道頓堀のシンボルになりました。

初代かに看板は、太い針金をまいた骨組みに麻袋を張り合わせ着色に使ったペンキで防水を兼ね、爪や脚を動かすのに5つのモーターを使って製作し、1961年の開店から1971年まで10年間、働いていました。

2代目かに看板(1971年~1995年)

初代看板の老朽化に伴い、1971年にグラスファイバー製の胴体で爪や脚を動かすモーターも大型で高性能のものを使った2代目の動くかに看板を制作、設置しました。

3代目かに看板(1996年~現在)

3代目は、1996年の道頓堀本店の新築ビル完成時に新たに作られ、道頓堀中店、道頓堀東店とあわせて3匹の動くかに看板が道頓堀筋に並ぶことになりました。動くかに看板は、基本的に自然のかにと同じように脚部分は縦に動いていますが、郊外店では遠目からでも、かに看板の動きが分かるよう脚を横動きにしている店舗もあります。

誰しもが目にしたことのある、名物看板の動くかに看板。その歴史とともに作成された背景には、一般認知のされていない「かに料理」をPRするための当時の人のアイデアが詰まったPR施策だったことがうかがえます。そこから63年、時代の変遷とともにかにの雰囲気は現代的にアップデートしながらも、”動く巨大なかに”という点において、広く認知されブランディング化へとつながっていることを、感じさせてくれるストーリーがありました。

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