今回の新製品の発売の背景には、昨今の新型コロナウイルスの収束や円安の影響により訪日外国人客の増加がありました。日本政府観光局(JNTO)が発表する訪日外客統計(※1)によると、2023年12月の訪日外客数(推計値)は273万4,000人でコロナ禍以降最多を更新し、単月では2019年比8.2%増とコロナ禍前の実績を上回る数値となっています。
また、日本には古くから心付けやお礼としてお金を封筒や紙に包んで贈る習慣があります。お金を包んで贈るという習慣は日本ならではの文化であり海外ではあまり馴染みのないもの。一方で、伝統的なデザインの祝儀袋やぽち袋は外国人のお土産として人気を集めています。
実際に、マルアイが2023年11月に有楽町駅に出店した「祝儀袋の自販機(※2)」ではインバウンド(訪日外国人旅行客)の購入も多い実績があります。和紙や紅白の水引を使用した日本らしい伝統的なデザインや、箔やエンボスなどの繊細な加工がされている点が好評だったといいます。さらに、お土産品として複数枚購入するインバウンドもいました。
マルアイは、祝儀袋やぽち袋、事務用封筒などを製造・販売する紙製品メーカーとして、お祝いや感謝の気持ちなど相手を思い丁寧に気持ちを贈る日本の古き良き文化を大切に長年してきた歴史があります。今回は、昨今の外国人観光客からお土産品としての祝儀袋のニーズ増加を受け、製品の提供を通じて日本の伝統や文化を伝えることを目的に、今回の「チップ袋」の発売へと至りました。
「チップ袋」は、日本語の「ありがとう」と「ほんのきもち」を世界各国の言語に訳し、その言葉をデザインに落とし込んだぽち袋です。デザインには英語やフランス語のほか、あまり馴染みのないヒンドゥー語やスワヒリ語など、24種類の言語を使用しています。
ラインアップは、日本を象徴するモチーフが特徴的な「ありがとう 大入」と「ほんのきもち 富士」、日本の伝統模様をあしらった「ありがとう 七宝金」と「ほんのきもち 七宝銀」の全4種類。パッケージの裏面にはぽち袋の使い方を英語で明記されているため、“お金を包んで贈る”という日本の習慣に馴染みのない海外の人でも日本の文化に気軽に触れ楽しむことができるようになっています。
コロナ収束後のインバウンド需要に向けた企画や施策が増加傾向にありますが、こちらはお土産として選ばれる実績のある商品をさらに外国人が手に取って楽しめるように企画商品化されているところが注目ポイント。
日本人にとっても海外の方との交流や海外旅行に持参するなど使いみちがあり、コミュニケーションのツールとしてのぽち袋という着眼点が新鮮です。今回全4種の汎用性高いデザインのラインアップとなりましたが、今後の需要によってはますます広範囲に向けたラインアップへの成長も期待できる事例となっています。
※1参照元:日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計2023年12月推計値(2024年1月17日発表)
※2参照元:業界初「祝儀袋の自販機」出店(2023年11月2日発表)