年々減少している牡蠣の消費量。2021年の養殖カキ生産量は約15万9000トン(殻も含む)で、20年前の2001年(約23万1000トン)に比べ、3割以上減少しています。「牡蠣業界の課題を解決したい」という思いにより、今回の取り組みが実現したとのこと。牡蠣を養殖するためだけに存在していた筏(いかだ)を有効活用することで、牡蠣漁師の事業を助け、牡蠣の新たな可能性も開拓するといいます。
「海底ボトルキープ」は、牡蠣筏に吊るされたアルコールが徳島県鳴門市の水深10mほどの海域に沈められ、牡蠣の成長とともに海底熟成される仕組み。6ヶ月後に引き上げられたお酒は、まろやかになって旨味が増した「海底熟成酒」として購入者に返送されます。海底ボトルキープを担当するのは、徳島県を代表するブランド牡蠣「渦潮チャンピオン」を養殖する悦晃一さんです。
牡蠣養殖のプロの手で、牡蠣とともに海底でボトルキープが行われるこの取り組みは、生産量、消費量ともに減っている牡蠣産業を救うことが狙いとのこと。ロマンあふれる海底熟成酒の魅力を活かして、衰退する牡蠣業界を救うきっかけとなってほしい事例です。