雑誌『世田谷ライフ』は、2002年に創刊。東京23区の中で最大面積と最多人口を誇る「世田谷」にスポットを絞り、世田谷に住む人、世田谷で働く人、世田谷を愛する人に向けて、22年にわたり情報を届けている、地域密着型のライフスタイルマガジンです。厳選したグルメを中心に、歴史やカルチャー、お出かけスポットなど幅広いテーマの情報を取り扱い、世田谷区を中心とした書店・コンビニなどで販売され、広く親しまれています。
「まちの珈琲」は、もともと雑誌『世田谷ライフ』が新刊発売のタイミングに合わせて、特集エリアをイメージしてノベルティとして作っていた非売品。しかしながら、「商品化してほしい」というたくさんのリクエストがあり、今回はその声に応えて販売することに至ったといいます。初回限定14エリア×各100セットで、1セットに個包装のドリップバッグ5個入りとなっています。
世田谷ライフ編集部が、街の印象をそれぞれ言語化。それをもとにコーヒー焙煎士と、豆の種類や配合比率などの打ち合わせを重ねて試作品を飲み比べ、イメージに合ったものを採用しています。
今回発売する14エリアは、下北沢/三軒茶屋/桜新町/祖師ヶ谷大蔵/成城/経堂/二子玉川/ 下高井戸/千歳烏山/用賀/駒沢/明大前/千歳船橋/豪徳寺。まずは自分の好きな街のコーヒーを飲んで、風景を思い起こしながら味わい、次は気になるあの街のコーヒーと飲み比べながら、街ごとの違いを感じたり、自分の好きな街や大切な人が住む街を思い出したり、楽しみ方はさまざまです。
さらに、各エリアのパッケージには、それぞれをイメージしたイラストを採用。世田谷在住のイラストレーター14人が、1エリアずつ描き上げた、こだわりのパッケージとなっています。
街というのは不思議なもので、知れば知るほど独自の個性やカラーを持っているものです。それを言葉として伝えるのは難しいですが、確かにその街なりの独特の匂いがあることを珈琲という形で表現した「まちの珈琲」。世田谷の街を20年以上にわたって取材してきた世田谷ライフの編集部が、街を雄弁に物語るコーヒーを作ったというところに、このコーヒーの商品価値やブランディング価値を強く感じさせられます。
よくデザインされた一杯のコーヒーには、ある街の情景を思い起こさせ、そこでの記憶すら想起させるほどの力がある、と信じて完成された14種類の街を表現したコーヒー。その一杯を飲んだときに、ふっとあの街の空気が蘇ってくるのか、行ったこともないその街の、雰囲気が浮かんでくるのか、街の風景を味わってみたくなる要素が詰まっています。
また、街への気持ちを誰かと共有するきっかけにするなど、ただコーヒーを楽しむだけにとどまらない、あらゆる可能性を秘めたアプローチ事例となっています。