施策の主役となるのは、複数の“運転恐怖症”と戦う一般人。それぞれの理由で運転に苦手意識を感じるようになってしまった彼らの心を少しずつ開いていくために、トヨタはまずカウンセリングから着手しました。恐怖心を取り除くためのヒアリングやその理由の掘り下げを通じて“運転は怖いことではない”という印象を与えたのです。
次に行ったのは、VR技術を活用した運転シミュレーションゲーム。実際に危険が及ばない環境下で運転することに慣れてもらい、最終的にはカウンセラーが教習官となり本番の試験へと臨みました。結果として多くの人が運転免許証の試験に合格し、その様子がSNSにアップロードされると瞬く間に共感の嵐が巻き起こりました。
自社商品の良さを伝えるのではなく、裾野を広く構えて運転免許証を持っていない人までを対象とした施策は、広義でのソーシャルグッド文脈をしっかりと捉えつつトヨタのブランド姿勢を印象的に打ち出すことに成功しました。