---ワインのスペシャリスト、ウィラハン麻未さんがワイン&フード情報をお届けします!---
以前から興味があった"アルゼンチンの食事情"。知人などから色々と教わってきましたが、アルゼンチン人の方から必ず、一度は体験するべきと言われる「アサド(アルゼンチン風バーベキュー)」を食す機会がありました。アルゼンチンでは、単なる料理ではなく、家族、親戚、友人たちとの絆や交流を深める役割を担っているようです。
ビーフイーターと知られるアルゼンチンの人々ですが、現地で頂く1人前のポーションの大きさにはびっくり。私の知人は、バーベキューパーティーの場合は、1人前なんと1kg用意するそうです。しかし、日本の霜降り肉とは違い、赤身を主に食べるようなので、あっさりしていて意外に胃に入ってしまいます。
高度1,400mほどの葡萄畑の横で色々な部位のビーフが焼かれる様子は、圧巻! 日本では絶対に見られない光景です。
作り方はとてもシンプルで、サルタ産の岩塩を肉につけバーベキューし、最後にハーブの枝に水をかけたものを下に置き香りをつけます。ゆっくりと低温で焼くのでドライにならないそうです。チョリソですと30分くらいで、でき上がります。
実は日本では、アルゼンチンからの生の牛肉の輸入が禁止されているため、アルゼンチンビーフはビーフジャーキーの形でしか食することができないのです。
赤身も大変美味しくいただきましたが、骨付きの部分のジューシーな肉と脂身も絶品! この骨付きの部分が旅行中食べたなかで1番美味しいビーフでした。
これに合わせたワインは、もちろん赤。ビーフやラムなど赤身の肉は、赤ワインと良く合います。お肉のなかでもチキンやポークなどの白肉は、そのままシンプルに焼いただけですと白ワインと合います。
お肉に合うワイン
ラス・モラス マルベック
アルゼンチンの赤ワインといえば、なんといってもマルベック種です。カベルネに比べると柔らかいタンニンとジューシーな果実味が特徴で、若い時にも楽しむことができます。
牛肉のためにあるといっても過言ではない「マルベック」。シンプルに焼いた赤身のビーフには、酸度が高すぎたり、タンニンが強すぎるワインは、合いませんので、赤ワインのなかでも柔らかめのタンニンを持ち、滑らかな風味の「マルベック」をオススメします。脂が多いビーフの場合は、タンニンの多い「カベルネ」を合わせるとタンニンのおかげで口のなかがさっぱりするということもありますが。
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アルゼンチン風に赤身のビーフをバーベキューする場合は、ぜひチミチュリソースを添えてサーブしてください。アルゼンチンの知人から教えてもらった、ごく基本的なレシピはこちらです。ただ、このレシピですとお酢が強く感じられるので、量をお好みで調節してくださいね。
チミチュリソース(5〜6人分)
A:
オリーブオイル ・・・・・・・・ 100ml
ぬるま湯 ・・・・・・・・・・・・・・ 200ml
赤ワインビネガー ・・・・・・ 100ml
赤ワイン ・・・・・・・・・・・・・・ 100ml
塩 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小さじ1
B:
パプリカ ・・・・・・・・・・・・・・ 小さじ1
クミン ・・・・・・・・・・・・・・・・ 小さじ1/2
オレガノ ・・・・・・・・・・・・・・ 小さじ1/2
ローリエ ・・・・・・・・・・・・・・ 2枚
玉ネギ ・・・・・・・・・・・・・・・・ 小1個
ニンニク ・・・・・・・・・・・・・・ 2片
トマト ・・・・・・・・・・・・・・・・ 小1個
赤ピーマン ・・・・・・・・・・・・ 1個
パセリ ・・・・・・・・・・・・・・・・ 1枝
作り方
1、玉ネギ、ニンニク、トマト、赤ピーマン、パセリは全てみじん切りにし、ローリエも細かくちぎる。
2、みじん切りの野菜にBを混ぜ合わせ、Aを加えて更によく混ぜる。そのまま冷蔵庫で一晩味をなじませる。当日使う前に冷蔵庫から出しておく。
時間がない時は、レシピに書いてあるBのドライハーブにオイル、塩、胡椒、刻んだオニオン少々、みじん切りガーリック、ビネガー少々を混ぜただけでもいけます。この場合、よりシンプルなので、オイルは上等のオリーブオイルをご使用ください。
それでは、ゴールデンウィーク中にぜひ、アルゼンチン風バーベキューとマルベックのワインの黄金のマリアージュをお試しくださいね。私は、誰かがバーベキューに誘ってくれないかなと切望しています(笑)。良いお天気になりますように!
photo by Thinkstock/Getty Images
(文/ウィラハン麻未)