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いおんさん のコメント

原作を分かってる度は現時点では自分が気に入った作品を褒める言葉以上の意味を持たない感じがする
具体的にどういうのが分かっているとされるのか基準が曖昧で言語化出来ていないので批評ではなく感想にしか使えない
No.1
117ヶ月前
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 「小説家になろう」で連載中の『無職転生』漫画版第2巻が出ました。原作は佳境を迎えているようですが、漫画はまだ始まったばかりです。  うーん、ほんとうはKindleで欲しいところなのだけれど、いつになるかわからないから紙で買おう。  では、いまからちょっとTSUTAYAまで行って来ます。――(移動中)――しゅたっ。買って来ました。  さっそく読んでみましょう。――(読書中)――びゅわっ。読み終えました。  いやー、この巻も面白かったですね!  小説を漫画化したときのクオリティは当然ながら千差万別であるわけなのですけれど、この『無職転生』の漫画版はほんとうによくできている。  原作に対する理解度の高さ、エピソードの取捨選択の見事さ、純粋な作画能力、キャラクターデザインのセンス、いずれも文句なし。  まさに『無職転生』の世界がここにある、と感じます。  いまさらながら説明しておくと、『無職転生』はあるとき偶然に異世界へ転生することとなったひとりの中年ニート男性が、その世界で新たに「本気で生きる」ことを決心して生きていくというストーリー。  いくらかの才能はあるものの、特別にチートを与えられているわけでもない主人公が、ただ「本気」の力で少しずつ成長していくさまが読みどころです。  大長編ではありますが、大変面白いので未読の方は読んでみてください。「小説家になろう」の不動の首位です。  で、この漫画版はその原作を実にうまく処理しているように感じられます。  それこそ「わかってる度」が高いという表現を使いたいくらいですが、もうひとつ、おそらく作者が女性であることがプラスに作用しているんじゃないかな。  男性作家が描いていたらルーデウス(転生前)の気持ち悪さがシャレにならないレベルになっていた可能性がある。  文字で読むぶんにはスルーできても、ヴィジュアルで見せられるときついことってありますからね。  原作では転生前の現実世界におけるルーデウスはほんとうにどうしようもない男として描かれているので、それをそのまま執拗に描いていたら辛いところだった。さらっと流した選択は正しかったと思う。  で、この第2巻です。  この巻では、前巻のロキシー、シルフィに続いて、第三のヒロインであるエリスが登場します。  ルーデウスをして「狂犬」といわしめる凶暴なお嬢様なのですが、ルーデウスはある手管を使ってこの「狂犬」を調教していきます。  いかにして凶暴きわまりないエリスがルーデウスに「デレ」ていくのか、そこらへんが読んでいて実に楽しい。  原作でもここらへんから一気に面白くなってくる感じだったんですよね。  そして、この先では第一の「ターニングポイント」が待ち受けているのですが、それはいったいどのようにして描かれるのでしょうか? いまから楽しみです。  それにしても、「小説家になろう」の膨大な作品群のなかで首位に屹立する『無職転生』の魅力とは何でしょう?  ぼくはそれは「ひとに対する優しさ」に尽きるとぼくは思います。  主人公のルーデウスは一度、堕ちるところまで堕ち切った人間です。  ひととして最低のところまで堕落しきった経験をもつかれは、それがために軽々にひとを責めません。  かれのまわりの人間は欠点だらけの人物が多いのですが、そういう人々に対しても、かれの目はどこか優しいのです。  もちろん、作品世界は現実世界とくらべても相当にひとにきびしい世界で、ともするとひとは簡単に死んだり廃人になったりします。  また、現代日本の倫理からすればかなりゲスな行動に走るひとも少なくありません。  ですが、そういう世界であり人々であっても、ルーデウスが周囲を見る目は決して責め咎めるものではない。  その底知れない優しさこそが、この小説の最大の魅力なのではないでしょうか。  現代日本は、あまりに「正しさ」ばかりが強く語られすぎる社会であるようにも思われます。  ぼくはひとを責める「正しさ」だけでは、それがどんなにほんとうに正しいとしても、社会は行き詰まると思う。  愚かで欲望に走りやすい人間たちを赦し、認める「優しさ」があって初めて、人間社会は円滑に動く。そうでないでしょうか?  なぜなら、 
弱いなら弱いままで。
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