僕たちは美しく生きていけるのだろうか。

 豊かに生きたい。

 ぼくは前の記事でそう書いた。そして、豊かな人生とは一瞬一瞬の奇跡に気づくような生き方のことだと。

 それでは、具体的にどのようにすれば豊かに生きることが可能となるのだろうか。

 茂木健一郎は著書『僕たちは美しく生きていけるのだろうか。』のなかで、こう書いている。

 それでも、「美を生きる」ことには、何とも言えない喜びがある。お金持ちになどならなくてもよい。「良い学校」など出なくてもよい。社会的地位などいらない。ただ、「美を生きる」こと、それさえできればよい。

 「美を生きる」ことさえできれば、呼吸する一瞬一瞬は福音となる。見るものすべてが意味深いものとなる。行き交う人に、笑顔で接することができるようになる。生きながらえて、イデアの世界に接続できるようになる。

 日常に追われ、疲れて眠りに就き、ふと目覚めたその夜の静寂に、自分の呼吸に耳を済ませながら考える。

 僕た