第46回衆議院選挙の大敗を受けて、3年3か月に及んだ与党の座を明け渡すことになった民主党。政府や党の中枢を担ったキーマンが今は何を思うのか。記者会見の模様をいちブロガーの視点でお届けするべく、既に2012年12月18日の岡田副総理の会見の模様をレポートしました。
敗戦の弁かく語りき……岡田克也副総理会見「与党としての自覚が充分ではなかった議員がいた」
http://getnews.jp/archives/279393
今回は前原誠司経済財政担当大臣の2012年12月21日10時40分頃より開かれた会見に参加してきました。国土交通大臣・外務大臣・党政調会長などを歴任し、民主党政権では常に要職の座にいた前原氏。自身は京都2区で逆風を感じさせない票差で当選しましたが、民主党が支持を失った理由について「ガバナンスがなかった」と述べ、解散の前に離党した前議員達に対する憤りを隠そうとはしませんでした。
岡田氏が同僚議員に対して「与党としての自覚が充分でなかった」と述べたことに対する見解を質問したところ、「どのような文脈でおっしゃったのか分からないので」とコメントを避ける一方、敗北の理由として「民主党政権に対する期待がさまざまな要因でお約束が全てできていない事、党としてのガバナンスができていなかった」を挙げます。
特に強調したのが、政府与党としての意思決定をまとめきれなかった点。「物事を決めるのに四苦八苦した。党が決めた事に従わず、分裂してしまった」といい、特に選挙直前に民主党を離れた議員に対しては「脱兎のごとく出ていく状況があった。これが国民が失望する要因になったのではないか」と述べました。
一方、国家戦略室の位置づけや政策調査会の廃止や復活など二転三転した点については、「はじめて政権与党になって試行錯誤しながらやってきた。最初は政府が何でも決めて与党が政策に絡めないということで、管政権から政調を復活させたが意見具申だけだった。野田総理になってから、政策の事前承認権を持たせた。試行錯誤の中やってきたことなので前向きにとらえている」と語ります。
また、金融政策では選挙後に安倍晋三自民党総裁がインフレターゲットを採用することを受けて、日本銀行が緩和に踏み切ったことについて「なるべく早くデフレを脱却するようにやってきた。日銀が金融緩和をしたことに一定の評価をしている」としながらも、42か月連続で物価が下落していることを指摘。
その上で、「私は日銀の会合に3回出席したが、インフレ率1%を目処にしている数値について、“具体的なアプローチをすべき”という新たに入った委員の意見に対して総裁副総裁をはじめとする他の委員は消極的だった。1%の目標も達成できていなかった中、2%という目標に言及されたのはどういう変化があったのか。驚きをもって受け止めている。今後は国会の場でしっかり詰めていかなければいけない」と述べ、釈然としていない様子でした。
自身の民主党代表選の出馬に対しては、今回の会見でも「まったくの白紙である」と繰り返し。産経新聞の記者から「今になっても態度を明らかにしない理由は」と畳み掛けられても、「今までの行動を踏まえて、党を立て直す資格があるのか。慎重に相談しながら決めたい」とけむに巻きました。
選挙前と変わらず、淡々とした表情で記者の質問に応じていた前原大臣ですが、自身との暴力団との関わりについて報じた朝日新聞社の記者から質問を受けると、「記者はしっかりと事実を基づいた取材を行なって頂きたい」と述べるとともに「弁護士を通じて抗議したのに返答がない」と続け、「返答しました」という記者と緊張したやり取りを展開。これには他社の記者の中で苦笑している人も多く見受けられました。
議員の不透明な金銭の授受を追求するのも報道機関の役割の一つではあります。とはいえ、政策やその決定プロセスについての関心が若い層からは高いのも事実なので、もし会見がネット生中継されていたとするならば、記者に対しても批判が集まったのではないでしょうか。そういった意味からも、記者会見がオープンになって会見が誰にでも観ることができる状態にしておくことは必要だと感じました。
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