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なぜ力士に品格や風格が求められるか考えてみた。
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なぜ力士に品格や風格が求められるか考えてみた。

2012-10-16 20:30
    なぜ力士に品格や風格が求められるか考えてみた。

    今回はcovaさんのブログ『猫の覗き見』からご寄稿いただきました。

    ■なぜ力士に品格や風格が求められるか考えてみた。

    なぜ、力士、特に大関や横綱に品格や風格が求められるのか、相撲協会はきちんと理解できているのでしょうか。

    相撲の所作、一つ一つに、呪術としての意味が込められているのです。

    例えば四股は、力士が足腰を鍛えるために行われる基本動作の一つであるとともに、邪気を払い地を踏み鎮めるという宗教的意味をもつのです。

    日本各地の祭礼で行う民俗相撲では,力士の四股によって大地の邪悪な霊を踏み鎮め,あるいは踏むことで春先の大地を目ざめさせて豊作を約束させると伝えるものが多いです。

    塩を撒くのも、清めの意味があります。

    土俵の四角は地を、俵で作られる円は天を、表すとともに、俵の円は蛇の目でもあります。

    この蛇の目の蛇とは、神の使いなのです。

    土俵には、必ず、三角の屋根が付くが、この三角は人を指すとともに、これもまた、神の使いの蛇の象徴でもあるのです。

    今、大相撲では屋根の四方から四色の房がたらされているが、この色は東西南北の四神である玄武と青竜と朱雀と白虎を表します。

    さらに、廻しもまた、相撲競技者の腰部を覆い、重心部となる腰や腹を固めて身を護り、更に力を出すための武具であるだけではありません。

    蛇の目の象徴であり、力士が神の使いである蛇神の化身であると告げているのです。

    廻しに下げられるさがりは、幕内力士の取組の取り組みで用いられていた化粧廻しの名残とされるが、そもそもなぜ、幕内と呼ばれるのかです。

    幕内は、幔幕(まんまく)の内にいることが許された上位力士の特権に由来します。

    幔幕とは、式場や昔の軍陣などで、周囲に張り巡らす、横に長い幕のことです。

    布を縦に縫い合わせたものが幔、横に縫い合わせたものが幕です。

    幕内の起源にはいくつか、説があります。

    江戸時代、徳川幕府の将軍の相撲上覧に際し、仕切りとしてまわりに張り巡らす「幔幕」の内側に、数人の上位力士が控えることを許されたため。

    節会相撲(せちえずもう)の際に、上位力士が幔幕の内にいたため。

    儀式は本来、神のために行われる事柄であり、幔幕とは儀式の場所を聖別するものでした。

    幕内力士とは、聖別された神聖な区域に入ることを許された力士なのです。

    布を縦に縫い合わせたものが幔、横に縫い合わせたものが幕です。

    化粧廻しとは、携帯幔幕と言いえるでしょう。

    だが、さがりは、その化粧廻しの名残であるだけではなく、蛇神はしばしば龍神と関連付けられることから、雲に見立てた蛇からの雨も意味するかも知れません。

    左に太刀持ち、右に露払いを従えた横綱土俵入りが北面してるのも、北が単なる方位ではなく、天の方位ともされるからです。

    この三人とは、造化三神に対応しているかもしれません。

    相撲とは、このように、本来は神事である以上、力士や相撲関係者に品格や風格が求められるのは、当然なのです。

    ガムをかみ、ビールを飲みながら報道陣の取材に応じるなど、たとえ横綱昇進に喜んでいたとしても、慎むべきことなのです。

    現行制度では横綱に降格はなく、現役引退によってのみその地位から降りるのです。

    横綱になる力士は、その地位にふさわしい抜群の力量だけでなく、品格もまた要求されます。

    横綱は、語源的には、横綱だけが腰に締めることを許されている白麻製の綱の名称に由来します。

    1890年(明治23年)5月場所から番付に横綱の文字が掲載されるようになるまで、横綱は名誉称号に過ぎなかったため、番付では大関が最高位でした。

    1791年(寛政3年)、第11代将軍・徳川家斉の上覧相撲において谷風梶之助と小野川喜三郎が行った紙垂をたらした純白の綱をつけた土俵入りが天下公認となり、横綱が誕生することになったのです。

    紙垂をたらした純白の綱は、注連縄を意識したものです。

    当初は大関の中で横綱を付けられる者のことを「横綱」と呼んでいたので、横綱になることを「綱を張る」と表現するようになりました。

    横綱誕生の由来は、江戸時代に興行としての江戸相撲が人気を博した頃、吉田司家は行司の総元締めとしての権力を確保するため横綱免許を与えて横綱を作ることを考えたことにあります。

    それまでの将軍家の観戦する上覧相撲や寺社への奉納相撲等特別な式典に際して行っていた土俵入りを、土俵上で行っていた顔見世土俵入りと結び付け、綱を締めさせて1人で土俵入りを披露させることにしたのです。

    誕生のいきさつはどうであれ、現在の大相撲においては、横綱は、全ての力士を代表する存在であると同時に、神の依り代であることの証とされています。

    神の依り代の証とされるからこそ、横綱には注連縄を意識した紙垂をたらした純白の綱を付けることが許されるのです。

    それ故、横綱土俵入りは、病気・故障等の場合を除き、現役横綱の義務とされるのです。

    普段の行状に品格や風格に疑問があるのは、力士になった時からあってはならない、初歩的常識として、きちんと教えておいてほしいものです。

    執筆: この記事はcovaさんのブログ『猫の覗き見』からご寄稿いただきました。

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