1927年4月1日開設と、日本国内では2番目に長い歴史を持つ水族館として、宮城県民のみならず全国的に親しまれてきたマリンピア松島水族館。老朽化のため2015年5月10日に惜しまれつつ88年の歴史に幕を閉じましたが、2017年1月14日・15日の二日間、その館内の模様を360度VR用に撮影した映像を『au SENDAI』のVR体験エリアで見ることができました。ここではその模様をレポートします。
2016年12月28日にオープンしたばかりの『au SENDAI』。1Fがカフェ・雑貨ショップが入っていて、オシャレな雰囲気です。
2Fにはauショップのほかにゆったりとした空間のVR体験エリアが常設されています。
円形のソファーは、座ってみると完全に身体がすっぽり覆われるようになっており、180度回転するなど、VRコンテンツに没入できるように設計されています。実際、筆者も体験してみましたが、上や横を向いて映像が変わる様子をストレスなく楽しむことができました。
各席には、ゴーグル型ヘッドマウントディスプレイ『Galaxy Gear VR』が使用されていました。スマートフォン(『Galaxy S7 edge』)を装着してVRを体験できるコードレス・ポータブルな上、重さ345gと比較的軽いのが特徴です。
VRで復活したマリンピア松島水族館。人気の高かった「ペンギンランド」や「アシカショー」、「ジャングルゾーン」などが360度の映像でよみがえりました。関係者によると、映像は2014年に『GoPro』などで撮影されたもの。それを専用のアプリで視聴できるように編集したといいます。
小学生以下の子ども向けには、タブレットで同じ映像が見れるようなボックスが用意されていました。これを上下左右に振り回して「すごーい」とはしゃぐ子も見かけることができました。
2011年の東日本大震災の津波で1メートル以上の浸水があっても、同年4月23日には営業を再開。長年親しまれてきたマリンピア松島水族館は、飼育員と来客者の距離の近い水族館でもありました。
このイベントで展示されたさまざまなアイテムの多くは、水族館公認のファンクラブ『マリンピアクラブ』の会員によって用意されたもの。当日は『マリンピアクラブ』の会員も集まり、在りし日のマリンピア松島水族館の魅力について、来場者に伝えていました。
『マリンピアクラブ』の会員はVRコンテンツになったことについて「よくこんな映像を撮って残してくれたな、というのが一番の感想ですね。こういった形で水族館が残っているということが嬉しいです」と話してくれました。中には埼玉から駆けつけたという会員もいて、マリンピア松島水族館の思い出の強さがしのばれました。
『au SENDAI』では、今後も地域と密着したイベントを開催していきたいとのこと。今後、どのようにVRを活用していくのかにも注目です。
au SENDAI
http://au-sendai.kddi.com/ [リンク]