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石油依存から脱却、水素未来社会構築へ!燃料電池車に最大300万円の補助金
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石油依存から脱却、水素未来社会構築へ!燃料電池車に最大300万円の補助金

2014-08-09 03:30
    FCV

     石油依存社会は永遠に不安定

    ようやくガソリン価格が下がり始めたと、思ったら中東情勢が不安だ。オバマ米大統領は8月7日、イラク北部に展開しているイスラム過激派組織「イスラム国」に対する限定的な空爆の実施を承認した。

    また、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム主義組織ハマスとイスラエルとの停戦期限である8月8日、ハマスは停戦延長を拒否した。ガザ地区からロケット弾2発が発射され、イスラエルがこれに応戦した。

    おまけに、東シナ海では中国とベトナムや日本がぶつかっている。もしここで何かあれば日本のタンカーは通行できず、あっという間に日本はエネルギー危機に陥る。はやく石油依存社会から脱却したいところだが、新エネルギーにはまだ、それほどの科学技術はない。しかし、今後も新エネルギー開発に向かうことは間違いない。

    エネルギー資源のない日本は、現在のように原子力発電が止まった状況では、約96%も他国にエネルギー資源を依存している。これは先進国の中では最下位だ。これだけ他国に依存していながら、エネルギー効率のよい、原発稼働に反対する人たちは本当に日本のことを考えているのだろうか?

    8月7日、政府は日本が向かうべき、方向性をハッキリ示す方針を打ち出した。水素で走る次世代エコカー「燃料電池車」を購入した場合、1台200万~300万円の補助金を支給する方針を固めた。

    燃料電池車の一般発売に合わせ、年内にも始める。燃料電池車の普及を後押しし、関連技術などの分野で世界をリードしたい考えだ。経済産業省は15年度予算の概算要求にも引き続き、次世代自動車の補助金を数百億円程度盛り込む方針だ。

    燃料電池車は石油を必要とせず、CO2や汚染物質も出さず「究極のエコカー」と呼ばれる。トヨタ自動車が年内にも4人乗りのセダンタイプを700万円程度で発売するほか、ホンダが2015年、日産自動車が17年の発売を目指している。(読売新聞 2014.8.7)

     水素の描く未来社会

    水素は次世代のエネルギー源だ。もうすでに一部は実用化されている。例えば、家庭用燃料電池の「エネファーム」は、都市ガスの主成分であるメタンを触媒反応で、二酸化炭素(CO2)と水素(H2)に分ける。取り出した水素を燃料電池で発電すると同時に、一緒に出る熱でお湯も沸かす。

    水素はエコカーの燃料にもなる。燃料電池車は車に積んだ水素と空気中の酸素を反応させて生み出した電気でモーターを動かす。同時につくられた水だけを車外に出すので“究極のエコカー”ともいわれる。燃料電池車は2015年に一般販売する予定だ。

    水素は、爆発しやすいので危険だと思うかもしれないが、それは都市ガスやプロパンガスも同じだ。これまでなんども爆発事故を起こしている。ガソリンにしても、爆発しやすい燃料だが、皆平気で車に乗っている。むしろ燃えた後、水になるので水素は環境に優しい。CO2を出す化石燃料の方が問題だ。管理さえすれば十分に燃料として利用できる。

    次世代のエコカーとして注目されている燃料電池車について、まず政府は、すべての省庁で公用車として利用する方針。一般への普及を促すため、購入の際に最高300万円まで補助金を導入することになった。

    通常のガソリンスタンドであれば設置は1億円程度で済むところを、水素ステーションの建設には3〜6億円かかるほか、水素をいくらで販売するか財務省と調整がついていないなどの課題も残っている。

    政府が6月に発表したロードマップの中では、2015年にはガソリン燃料と同等以下の水素価格の実現を目指すとしているが、採算がとれるくらいにまで水素ステーションの整備・運営価格が下がるのは2020年頃、ハイブリッド車などと競争できるくらいにまで燃料電池車の価格が下がるのは2025年頃だと示している。

     将来の水素循環社会の利点

    現在はエネルギーとしてはロケットの燃料くらいにしか使われていない水素を社会で使うためには、社会のエネルギーインフラの変革が必要になる。水素社会が持ち得る価値について、以下に主な3点を挙げてみよう。

    1.二酸化炭素(CO2)が削減できる 水素は利用時にCO2を始めとする温室効果ガスを排出しないため、水素利用は温暖化対策になる。

    2.再生可能エネルギーを活用できる 水素はあらゆるエネルギーから作ることができるという利点があり、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる電力を利用した水の電気分解で水素を製造できる。

    つまり、これまで、余剰電力は蓄えることができないことが最大の問題点だったが、水を電気分解して水素に換えてしまえば、水素エネルギーとして蓄えることができることになる。さらに、太陽光や風力などの気候変動リスク対策にもなる。

    3.生活に必要なすべてのエネルギーを身近に貯められる 水素は、燃料電池の発電により電力、熱が供給できるほか、FCVの利用により車の燃料にもなる。生活に必要なすべてのエネルギーは水素のみで賄うことができる。

    水素は貯蔵性に優れており、石油製品に代表される液体燃料ほどではないが、電池よりもエネルギー密度が高い。エネルギーをすべて水素により供給する「水素タウン」ができれば、エネルギーを高効率で最適に利用できる(=エネルギーコストを減らせる)だけでなく、災害時もエネルギーを利用できるといった付加価値が生まれる。

    また、水素を利用する機器にも付加価値がつくかもしれない。例えば、FCVは排ガスが発生しないため家の一室として利用することができるが、自動運転も組み合わせれば「どこでもドア」として使えるようになるかもしれない。(みずほ情報総研 2013.12.10)

    写真: 電気自動車 http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/e0/FCX_Clarity.jpg

    ※この記事はガジェ通ウェブライターの「なみたかし」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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