【わかる中東ニュース(10)】 「シリア・アサド政権崩壊の持つ意味」 「ほくそ笑むCIAとDS」 2024/12/14
【わかる中東ニュース(10)】
「シリア・アサド政権崩壊の持つ意味」
「ほくそ笑むCIAとDS」
「総裁選→政局→衆院選→アメリカ大統領選挙」と私の専門分野の時事情勢が激動していたため、「わかる中東ニュース」が8月以来4ヶ月も空いてしまいました。
昨年10月のハマスによるテロ以降、イランの大統領選挙(【中東メルマガ(3-6)】)からハマスのリーダーイスマイル・ハニーヤのテヘランでの暗殺(【中東メルマガ(7-9)】)まで、ほとんど全ての中東からのニュースはイランを中心に動いているように見えました。
そして日本とアメリカの中東報道は常に「得体の知れない宗教原理主義国イランが中東情勢不安定化の元凶」というコンテクストで書かれ続けました。ところが、今回のアサド政権の崩壊を巡っては報道のトーンが一変しています。
日本の新聞やテレビの報道では、中東で何が起きているのかなかなか理解出来ないと思います。1991年以降中東取材を続けている私なりの見方を、現地取材の記憶と合わせてご紹介していきます。
(1)ダマスカスとシャーム(=レバント)の関係
シリアの首都ダマスカス。世界最古の都市とも呼ばれるこの美しい街を...