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5月末日、市民グループ「TPPに反対する人々の運動」はメキシコから一人の女性・マリカルメン氏を呼んだ。そして、全国あわせて約1000人が彼女の話に耳を傾けた。
マリカルメン・リャマス・モンテス(メキシコ)
「メキシコは2012年にTPP交渉に参加している。TPPはNAFTA(北米自由貿易協定)よりも悪い結果が待ち受けているだろう。日本には、メキシコの苦い経験から学んでほしい」
彼女が訴えたのは、自由貿易協定(FTA)によって市民が、労働者が、そして農民が突きつけらてきた厳しい現状だった。メキシコは今から19年前、アメリカ・カナダとNAFTA(北米自由貿易協定)を結んだ。
「メキシコは食料主権を失った」というマリカルメン氏。この約20年の間に起こったことは、主食のトウモロコシが国内からなくなり、農家は激減するという最悪の事態だった。
「衝撃的な話だった」
新潟県上越市でコメを作り、「TPPに反対する人々の運動」の共同代表をしている天明伸浩氏は、集会の終盤にメキシコや韓国、ニュージランドのゲストの話の感想を述べた。
「TPPに入っても農業のブランド化を進めれば“強い農業”が残る」そんな話がTPP推進論者からは聞こえてくる。しかし、一足先にNAFTAや韓米FTAを結んだメキシコ・韓米のゲストの話から透けて見える日本の将来は、それとは真逆の世界だった。
自由貿易が着々と進んでいくなか、どんな将来を自ら切り開いていけばいいのか。反対をしているだけでよいのか。映像の終盤では、TPPにどう対抗していったらよいのかという話に発展していく。
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【TPPをとめる!5.30国際シンポジウム─韓米FTA・NAFTAからの警告】
ゲスト:
Maricarmen llamas Montes(マリカルメン・リャマス・モンテス/メキシコ/電信労組)
Jane Kelsey(ジェーン・ケルシー/ニュージランド/オークランド大学教授)
金鐘佑(キム・ジョンウ/韓国/弁護士)
朴錫運(パク・ソクウン/韓国/韓米FTA阻止汎国民運動本部共同代表)
権寧勤(クォン・ヨングム/韓国/韓国農漁村研究所副理事長)
天明伸浩(日本/星の谷ファーム・TPPに反対する人々の運動共同代表)
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TPPにしろ巨額な金融緩和にしろ、日本にとって必然性の欠ける問題であるが、この閉塞状況を(社会安定状況)を不安定な状況(競争社会)に置けば何か新しい展開が出てくるような安易な見方考え方が蔓延し始めているのは、危険な兆候です。
競争によって勝ち残れる人は、数%に過ぎないし、日本人が勝ち残れる可能性はきわめて低いのが、いままでの事実なのです。株式市場の現状を見てみればはっきりしています。日本の市場でありながら日本の市場ではないのです。外国人によって日本の政策が支配されるのです。何か景気よく今まで失敗を重ね続けた政策を忘れたころ打ち出せば熱狂して歓迎する国民性は変わることがない。敗戦を知らない人たちが社会の多数を占め始めた現在、またナショナリズムが若者の中に台頭し始めています。歴史に学ぶことを忘れ歴史を冒涜するものは、また、歴史に打ちのめされるのでしょう。私たちは、もう少し、理性的に物事を知る必要性があると思うのですが、安易な方向、情的な方向に傾きがちな国民性はいかんともしがたいのでしょうか。