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deadman HP

deadman2ヶ月連続特集の後半!第二回目の今回は、19 年ぶりとなる待望のオリジナルアルバム 『Genealogie der Moral』を1曲づつメンバーに聞いてみた!
メンバーが話す通り、deadmanらしい、deadmanしか出来ない、deadmanの代表作になるアルバム!​

■今年、19 年ぶりとなる待望のオリジナルアルバム 『Genealogie der Moral』のリリースが3月30日に決定しました。率直に感想を聞いてみたいです。

aie:復活してからずっと20年前の曲やっていて、そろそろ飽きてきたっていうのが本音ですね。タイミング的に、去年のQUATTROツアーで1曲新曲配ったりとか、リテイクベスト盤を出した時に1曲だけ新曲入れたり、「MUCC」や「cali≠gari」とも曲を出したりと、割とフレキシブにやっていたんですけど、今年のツアーをやろうっていうのは、去年ぐらいから決まっていて、1年ぐらいかけてアルバムを作る制作期間みたいな感じでした。


■実際、今回アルバムに収録されている曲はライブでも結構やっていたんですか?

aie:去年の年末に、初めて2曲をアンコールでやったぐらいで、アルバムを出すのが決まってから急に曲が増えた感じでした。


■曲作りとかも急ピッチだったんですか?

aie:だらだらやっていたら、最終的に締め切りが出てきて、ヤバいってなりました。ツアー日程は決まっていたので、それに合わせに行った感じです。


■今回のアルバムタイトル「Genealogie der Moral」ですが、ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェの著作の『道徳の系譜』からもきているのかなと思いますが、このタイトルにした理由を聞いてみたいです。

眞呼:いろんな人の観点から見て、これが道徳なのか正しいのかどうか、そういう曖昧なものにちょっと問いかけてみました。正しと思った事が、意外と正しくなかったり、それでも突き詰めようとしたりする。色んな意味での道徳観念を書いてみた感じです。


■その道徳のって部分は、今回どの曲にも当てはまるような歌詞になっているんですか?

眞呼:むやみに行動を起こすというよりは、理由があっての行動と言う意味で書いてはいますね。


■まず1曲目の「in the cabinet」ですが、着せ替え人形、着飾り人形など、とにかく繰り返しの言葉が耳に入って来ますね。この曲を1曲目に持って来た理由とかもあるのですか?

aie:1番理解不能な曲だと思ったからですね。アルバム自体のサブスク配信は6月のツアー終わってからになりますが、1曲だけ先行で「静かなくちづけ」と言う綺麗な曲が先に配信されて、多分それを先に耳にして、良いじゃんって思ってくれた人が、1曲目にこれを聴いて、なんじゃこれ!間違えた!っいう事がしたくて!1番、暴力的と言うか、インパクトがある曲を1曲目にもって来たかったですね。


■「in the cabinet」の歌詞はどんな事を歌っているんですか?

眞呼:1個のテーマに色んな付属品を入れ過ぎちゃって、自分の中でもちょっとカオスになったんですが、統合失調症、多重人格症、解離性同一障害の洗脳する何かを3つを組み合わせて話が進んでいます。人格が沢山あるという中で、事実としてこれを書きました。


■2曲目の「真夜中の白鳥」は、イントロのリフから上がりますね!韻も踏んだような言葉のチョイスも面白い曲です。これはdeadmanなりのラブソングだったりするのでしょうか?

aie:これが本当の1曲目っぽいですよね!(笑)

眞呼:そういう捉え方もありますね。そうやって捉えた人の意見が正しいのと、僕の事を言ってしまったら宗教みたいになっちゃいます。(笑)解釈は各々に任せます。


■今回『道徳の系譜』と言う著作もありますが、キリスト教じゃないですけど、そういった思想みたいなものってあったりするんですか?

眞呼:キリスト教の思想はありますが、それも一部でしかないですね。その話をしたものがいなくなった時に、教えって変わって来てしまうんですよ。付け加えたり、逆のこと言ってみたり、自分の都合のいいように解釈するのが宗教だと思うので、それはキリスト教に限った事ではなく、闇雲に信じるものでもないと思うのですが、打ち出しているものを解りやすくまとめてみたらキリスト教が大前提になっている感じです。


■1曲目にインパクト、2曲目にストレートにROCK系、ギターの音作りとかでもこの2曲って全然違いますよね。

aie:1曲目はリフものの得意なパターンですね。一昨年かな?今のdeadmanの4人で「Merry Go Round」のコピバンやって、やっぱ格好いいなとか言っている延長で出来た曲で、俺たちなりの「Merry Go Round」をやろうぜっていうのが「in the cabinet」ですね。
俺達にはやる権利があると思ってあえて飛び込みましたね!(笑)
「真夜中の白鳥」は、ベタに言うとシングルっぽい1曲目っぽい曲。アルペジオから作り始めて、結構高いディレイを買って、あのエフェクターが作った曲と言うか、6万円もしたので元取ろうと思っています!(笑)


■3曲目の「rabid dog」で、激しい曲に戻った感じですね。歌詞もかなり攻めた内容になっていました。直訳「狂犬病」なんですよね? 

aie:これは去年のツアー会場で配った曲で、そのツアーのタイトルにも狂犬病と言うワードを入れていました。アルバムの曲作りを始めて、3曲ぐらいデモが出来た中の1曲だったんですけど、無料配布なのでこれぐらいの勢いあった方がいいかなとか思ったのと、割と2020年以降のdeadmanの中で名刺代わりになるような曲だと思っています。理解不能な暴力的な展開、Bメロがざっと綺麗になって、サビのビート感がポップじゃない所が、我々っぽいですね。今1曲だけ聴かせて下さいと言ったらこの曲だなと思います。これでダメな人は多分deadmanは向いてないと思います。(笑)

眞呼:歌詞もある意味狂っていますけど、ある意味正当化してしまっている部分もあります。人間が増えすぎてしまって、人間都合ばかり考えている人達、家畜をしている人間がOKなら、人間を家畜にして食べるのもOKなんじゃないかっていうか考え方ですね。こんな考え方気持ち悪いですよね?(一同笑)


■4曲目の「静かなくちづけ」は先行で配信も決まっています。タイトル通り、静かなイントロからの妖艶で雰囲気がある曲ですね。

aie:アルバムの1曲目とは逆の考え方で、窓口を広げる部分でも、知らない人にすごく綺麗な曲だからこっちにおいでって!それでアルバムを聴いて「ざまーみろ」って言いたいじゃないですか!(笑)


■そういう意味では音作りや、フレーズ作りも考えたりしたんですか? 

aie:そこはあんまり意識して無くて、単純にできてきたものに対して1番良いアプローチした感じです。作り始めた時の環境とかがでかいですね。ちょうどこの曲を作った時は、「BUCK-TICKの櫻井敦司」さんが亡くなったニュースを聞いて、その日は家で「BUCK-TICK」をずっと聞いていて、次の日「BUCK-TICK」をイメージしてギター持って作った曲というか、リスペクトを込めた自分なりの「BUCK-TICK」の表現の仕方でした。


■言い方が違うかもしれませんが、強い恋愛観も少し感じました。実際、眞呼さんはラブソングを書くことはあるのですか?今回のアルバムの歌詞を見て、歌詞の中に「LOVE」はすごく出て来ますよね?

眞呼:過去はありました。色んなLOVEがあると思いますが、今は地球規模のラブソングですね。1人の生きている人とか、一緒にいたものに対しては書きます。ただちょっと恥ずかしいですからね。(笑)


■5曲目の「ミツバチ」は、打って変わってクラシカルで、ホラー感と言うか、ハロウィンの時に聴くような曲調な曲ですね? まず頭のミツバチのような音は何の音ですか? 

aie:ギターの音ですね。なんか変な音を入れとこうと思って、ブツブツ音が切れるファズがあって、ミツバチの音をイメージしていると言うよりはたまたまですね。8分の6拍子っていうか、3のリズムが割とそういう感じになったんですかね?僕がこんな感じで弾くから、kazuくんにも合わせて弾いてもらって、ドラムだけは合わせないでねって言ったとこから始まった曲かもしんないです。この曲の歌詞は、放送禁止用語を使っていない放送禁止用語だらけの曲で、総理大臣の顔にモザイクかけた感じですよね(笑)「祈るな叫べ」は素晴らしいですね! 

眞呼:言うならここだなと。言わなきゃいけないのに言えない状況というか、言っても誰も信じないし、今ちょっと崩れてきている状況の今が1番いいんじゃないかなと思うんですよね。

aie:腐った政治が作った曲ですよね。(一同笑)


■6曲目の「the dead come walking」は、こちらも不思議な変化球でも明るさがある曲ですね!コード感も不思議な感じですよね?

aie:自分の中で「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」と言うテーマで作った曲で、だからこの曲だけギターか1本しか入ってなくて、ただやっていくうちにどんどん「BOØWY」っぽくなっちゃって、最終的に「BARBEE BOYS」なっちゃった。

眞呼:それ、僕のせいじゃないですか!(一同笑)

aie:元々keinにあった曲で、何年か前にリアレンジしようとして結局やめた曲があって、そこから派生させましたね。スタートから言ったら曲のキーも変わっているし別物にはなっています。6本の弦を1本のように弾くというか力任せと言うか。

眞呼:keinで合わないんじゃなくて、ビート感がdeadmanで合いそうだったので、deadmanでやりませんかってなりましたね。


■全然普通のコードでは無いですよね?

aie:変なコードかも!本当にTAB譜書いているぐらいで自分でもわかってないですね。このコードかなっていうのはあるんですけど、感覚でやっているのでコードの名前とか分からないですね。当たり屋って言われますからね!プロデューサーによっては完全に怒られるタイプです。

眞呼:コードがあってそれをやっているんではなく、こうやって弾こうと思ってコードを生み出す感じですよね。

aie:仮に間違っていてもこの音カッコよく無いですか?って感じですね。直せって言われた事もあるんですが、俺たちがメジャーデビューしているバンドでタイアップ決まっていたら直さなければいけないのかも知れないけど、インディーズの作品でなんで直さなきゃいけないんすか?って1回か揉めたことありますね。

眞呼:R&Rの人達、「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」や「BLANKEY JET CITY」とかも好きなので、こう来たらこうやって歌いたいのはありますけど、なんかメロを作っているうちに、あれあれおやおや「BARBEE BOYS」になってました!(一同笑)自分でもわからないんですけど、出ちゃったものは仕方ないです!

aie:好きなものは隠せないですね!(笑)


■7曲目の「猫とブランケット、寄り添い巡り会う産声」は、曲調がまさにこのタイトルみたいな曲って、勝手に感じてしまいました。

aie:胸を張って「BOØWY」と言うか、「BOØWY全部のせ!」って感じです!(一同笑)これがMUCCと一緒に出した曲なんですけど、これを聴いたMUCCのミヤくんが「やられたと!」「まだまだ音楽で楽しんで良いんじゃん!」と言って、「俺たち無くした気持ち、遊んでますね!」って言ってくれましたね!


■タイトルも面白いし、歌詞面白いですけど、どんな歌詞の内容になっていますか?

眞呼:だいたい僕題名はあんまり興味がないんですよ。まとめるのが下手っていうか。結局なんですか?と言われた時に、一言で表すのが題名じゃないですか。それを決めるのは苦手ですね。この曲は自分の存在理由に対しての問いかけですね。誰かに必要とされてなくても生きて行けるけど、必要とされてないって思い込んでいるだけかもしれない。自分自身の生きる理由は自分でなんとかするなんて言えない。生まれたんだから生きていていいんじゃないかと言う問いかけの曲ですね。


■8曲目の「零」は、liberate(解放する)、liverty(自由)など、自己解放と言うか、とにかくliberateは繰り返し歌われています。タイトルの「零」との関係性とは?

眞呼:内にある解放や自己解放というよりも、大衆の解放、全てにおいての解放って考えてもらった方が良いです。命をかけた人たちに題名をつけただけです。日本人で大きなもののために動いた人たちって昔沢山いたんです。そういう人たちの観点を題材にしました。


■9曲目の「宿主(しゅくしゅ)」は、とことん妖艶と言うか、ダーク感と言うか、deadmanの世界感を突き詰めた曲ですね。この曲について率直に聞かせて下さい。

aie:我々が得意にしている暗い曲、難解な曲の明るいバージョンっていうか、明るくもないんですけど、はじめ「蟻塚2」って仮タイトルで作って、結構アルバムの中では早い段階から手をつけている曲なんですけど、アルバムの最後の曲にしようっていうのは決めて動いてました。


■この曲もやっぱギターは不思議なギターですね!

眞呼:初めはびっくりしましたけどね。(一同笑)


■10曲目の「dawn of the dead」は、インスト曲になっています。このアルバムのラスト、このインスト曲で表現したかった事とは何でしょうか?

aie:1曲目にインストはありがちだし、晁直とやりたかった事の1つに、クリック無しでレコーディングしたいのもあって、多分これは次のツアーの1曲目でやるんだろうなと思いながら、ほぼほぼ即興に近い形で録りましたね。ライブでもこの辺りで眞呼さんが登場するイメージというか、アルバムから生のライブにスライドしていけるように、最後に収録したいと思いましたね。レコーディング始まる1時間前まで、kazuくんは曲すら知らなかったですからね!(笑)3か4テイクぐらい録って良いテイクを選びました。


■deadmanさんって難解な事をやっているイメージがあるので、即興ってこれまた大変ですよね?

aie:おかしいと事に気づいてないから、お茶の間に上がれないとは思っているんですけど、晁直がレコーディング終わった時に、Xかなんかで、やっぱこのバンドひねくれている曲が多いって言っていたから、多分そうなんでしょうね!(一同笑)我々は8分の6で進行しているんだけど、ドラムだけ4分の4でいてとか、そういうちょっとトリックが入っているようなアレンジが好きなんですけど、変な事をやってるつもりはないですし、変なことが格好良いと思ってる両面性もあって、やっぱこんだけ音楽がいっぱいあるから、こういうバンドがいても良いでしょっていうのは思っちゃってます。


■19 年ぶりとなる『Genealogie der Moral』、deadmanさんにとってどんな1枚になりましたか?

aie:狙っては作っては無いですけど、deadmanの代表作になる作品になったかと思います。生で演奏して作った曲だから、現時点でもの凄くライブが良い物に出来そうな感触ですね。その時その時の全力なので、レコーディングも終わった事なので、もういつでも死んでもいいなと思いますね。遺作でも良いのかも! 

眞呼:邦楽とは言えないですけど、みんながやっていない音楽が出来たと思っている部分と、「サカナクション」みたいに、どっかで聞いたことある様な融合、それも含めた上で、良い物が出来ましたdeadmanと言う音楽を世に出せたかなと!


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