2010/01/16
9:34 am
昨日、河合龍之介くんの芝居を観に行った。
赤坂レッドシアターに入るとまず、平田裕一郎くんが立ちあがって僕に声を掛けてきた。
座って彼と話していたら、鎌苅健太くんが入って来て、同窓会みたいになった。
終演後、長崎から友人が来ているという平田くんを見送り、
河合くんと3人で飲みに行った。
芝居は、静かな演劇で、
映像を効果的に使い、
渋谷の街が主人公、
街ゆく人々がそれぞれの人生を普通に生きている、
という淡々とした物語だった。
男友達にゲームの中で全裸にされてしまう男がいたり、
見た目かなりアクティブな今風のきつい芝居に見えるところもあったけど、
全体的にはセリフの少ない、
相当難解な芝居に見えるだろう。
河合くんは悩んでいるように見えた。
難しい役どころなんだろうと思う。
それぞれの人間が何を伝えようとしているか、
芝居ぜんたいで何を表現しているか、
自分がその全体像の中でどんな立ち位置にいるか、
僕は、そんなことないよ、
よくわかったよ、
だって、渋谷の街が客席全部を包み込むようにレイアウトされていて、
その中にラブホもあるし、
デモごっこしてる人もいるし、
かぶり物かぶった変な人もいる、
街が主人公、っていうことだろう。
いろいろな人がいて、いろいろな人生がある、
人の人生そのものにはカタルシスはないし、
明確な結論なんてなくていいんだよ、
都会の日常がただ黙って過ぎていく、
って言いたかったんだと僕にはよく伝わったよ、
と言うそばで、
鎌苅健太くんは、難しい、難しい、を繰り返していた。
ケンケンの言う難しさは、
同じ役者目線で、
沈黙のまま、二人で見つめあう芝居を舞台中央でじっと10分やっていられるか、
気持ちを保つにはどうしたらいいのか、
龍之介くんの相手は新人の女優だそうで、
でも、僕にはしっかりと気配を消して立っていたと見えているのだけど、
あれでよかったのか、
もっとやりようがあったんではとか、
今日は中央に立っていたけど、
下手の奥にいたこともあるし、
そうなんだ、と議論は延々と続いた。
そこは僕もその通りだと思う、
まあ全体としてはデモごっこの尺が長いかなとか、
若干バランスが悪いところはあるけど、
映像と静かな演劇の組み合わせで、
渋谷の街を表現する試みは成功していたように思う。
芝居を見た後で、こんな議論をできるのが楽しい。
まして、突然ケンケンみたいに登場してくれると
予想外にうれしい。
さあ、4月の「エア・ギア」だ、鎌苅健太のリベンジだ。
ここをクリアして、彼は次のステージに飛び上がるのだろうと思う。
僕もできるだけのお手伝いをしようと思う。