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小飼弾の論弾 #147 「ロッキード事件よりヤバい疑獄と、ズタボロ税制」
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小飼弾の論弾 #147 「ロッキード事件よりヤバい疑獄と、ズタボロ税制」

2020-02-01 07:00

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2019年12月10日(火)配信その2をお届けします。

     次回は、2020年2月4日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2019/12/10配信のハイライト(その2)

    • 記録を残すコストと「記録をちゃんと残す」伝統の中国
    • 「ロッキード事件よりヤバい疑獄」と日本の「ズタズタ税制」
    • 「読解力とは?」と神戸の「人災」

    記録を残すコストと「記録をちゃんと残す」伝統の中国

    山路:さっきのサーバのデータの行方の話の続きでもあるんですけど、これって、どうやったら信頼というか、ものって回復、回復って言えばいいのかな、構築できるものなのかなと。ここまでここまでガチャガチャになっちゃったら。

    小飼:よくソフトランディング、ハードランディングという言葉が出ましたけれども、確かにハードランディングが1番手っ取り早く見えてきましたね。

    山路:そういう人がどんどん増えてきてるんですよね、識者が。物事がわかって、いろんなことに詳しい人ほど、ちょっと無理っぽくね? みたいなそろそろ無理ゲーになって来てないかっていうことを、皆ちょっと諦め顔で語るような風潮が強くなってきて。

    小飼:いや、だから、やっぱり司法が機能してないというのがね、確かに最後の拠り所がやられた状態にあるんですよ。そこが米国との1番の違いですね。

    山路:米国はまだマシという文脈?

    小飼:もうトランプがなんと言おうがっていうところが、でも米国もヤバいんですよ。最高裁の判事の人事をずいぶんとアレしちゃったので。

    山路:今拮抗しているんでしたっけ?

    「官僚が見捨てたりする」(コメント)

    山路:見捨てられるんだったら、もっと早くやってたわけで。

    「解消方法がないんだな」(コメント)

    山路:私も本当になんかけっこう同意見なんですよね。この状態に。

    小飼:でも確かにちょっと、今回は政権ひっくり返るかなというのは、マスメディアがちょっと離れ始めたね。だから一昔前だったら、桜を見せる会、来年はやりませんって言った時点で他のニュースに行っちゃってたのが、まだ引き続き追ってますからね。

    山路:ああ。流石にヤバいと思い始めていると、まあちょっと希望的観測では。

    小飼:まあもう遅いんじゃね? という感じがしないでもないですけどね。

    山路:それにそもそも単純に、政府が記録とかをそんな簡単に捨てちゃったたりとか、改ざん。

    小飼:改ざんしちゃったり。

    山路:それって何というか、きちんと交渉する外国の人なんかも信用できないと思われちゃうんじゃないかなという。

    小飼:実際信用されてないですよ。

    山路:ああそうなんですか。

    小飼:実際に晋三君が国連でスピーチさせろって言って、謝絶されたそうじゃないですか。

    山路:ああ。なんかもっと具体的なことを言えみたいなことを。

    小飼:そうそう。

    山路:しかしただ何でこんなに今の政権って強気というか、そんなに……。

    小飼:強気ではないですね。そこもちょっと変わったところですね。それには当たらないというのは、ちょっと言わなくなって来ましたね。官房長官も。

    山路:なんかずいぶんしどろもどろになってきた印象はありますけどね。今回のそんなバックアップデータは行政文書ではないというのは、これけっこう後々、何度もひっくり返す。

    小飼:あれは本当に一線を超えちゃったよね。しかも今度は反社は定義できないでしょ。

    「大失言」(コメント)

    小飼:いやほんと大失言なんですよ。

    山路:しかもこれの厄介なところっていうのは、取り消すととたんにすべてボロが出てしまうという、恐らく撤回もできないですよね。

    小飼:そうなんですよ。だから爪車状態になっちゃってるんですよね。だから途中でここで停止だというポイントを過ぎちゃったんですよね。だからブラックホールで言うと、事象の地平線の内側に入っちゃってるようにしか見えませんよね。

    山路:アハハ、観測できないじゃないですか。

    小飼:もう落ちていくしかないと。いや、でもこう言うのもなんですけれども、反社会的勢力である現内閣が落ちる分には構わないんだけども、普通の日本人をどこまで巻き添えにするかですよね。

    山路:なんかあんまり言いたくないんですけれども、政治なんかに関して、昔は良かったみたいな声とかもチラリと出てきて。それで言うなれば、最近中曽根首相が死んだりもしましたけれども。

    小飼:そうですね、はい、大大往生でしょうね。

    山路:100超えてるんですよね。超えた、亡くなった時には。

    小飼:僕はどちらかというと、あまり好意的な印象を持ってませんというのも、まあ曲がりなりにもねえ、日本の原発が大事故を起こしたわけじゃないですか。大事故のお陰で全部止まったりしたわけじゃないですか。動かしたいというのはわかるんだけど、もし動かすのであれば、少なくともその件に関してはケジメつけとかなきゃいけないでしょう。

    山路:原発行政を進めた人間を。

    小飼:はい、だからそう日本の原発を再稼働させる1番の近道というのは、中曽根元首相が白装束を着て、腹をかっさばいて、それで現首相が介錯するというのが、それが1番良かったんですよ。

    山路:アハハやべえ、限定でよかった。

    小飼:そこまで出来ないのであれば、せめて勲一等を返上する。

    山路:そういう意味で責任をとらないで、亡くなっちゃいましたよね。

    小飼:そうなんですよ。なんですけども、でもまだ現政権よりはまともだというのは、少なくともバックアップは行政文書に非ずなんていう、寝言は言わなかったわけですよね。だから自分の持っている記録というのは、私事に属するものまで、後で歴史の審査で使ってくれって。

    山路:昔ってもうちょっとその証人喚問なりとか、あるいはこう言ったことに対する「重み」って重かったような気がするんだけど、それって気のせいですかね?

    小飼:いや気のせいでもないと思います。たとえばロッキード事件の時の証人喚問の時には、宣誓する時はもうブルブル震えてたんですよね。それくらいおっかないイベントだったんですよ。

    山路:はあ、今回なんかえらい軽くなりましたよね、そういう意味で。これはなんと言うのかな。

    小飼:「それには当たらない。」

    「政治家の口は重かったよね」(コメント)

    山路:まぁだから必死で記憶にございませんって言い張ってましたよね。言葉の重みが。

    小飼:そうそう、だから、確かに一昔前というのはそもそもいろいろなものを記録するということのコストっていうのは、今よりも段違いで高かったわけですよね。だから今は取り締まりとかもカツカツのために全録画しろって言ってますけど、一昔前というのはそもそも録画というのはもの凄い高コストな、NHKですら……。

    山路:『プリンプリン』とか、ビデオテープがないとか、『ひょっこりひょうたん島』(笑)

    小飼:そうです、テープを再利用してたわけです。上書きしてたんです。NHKでさえ。

    山路:ちょっと笑っちゃいましたよね。

    小飼:その意味では記録というものの意味することっていうのが、前世紀と今世紀ではもう量的の違いが大きすぎて、質的な違いに転換しているのかもしれない。

    山路:ああ、なんか逆に簡単に低コストになった分、あんまり記録の大事さということが昔に比べて意識が減ってしまって。

    小飼:更に困った、何といえばいいのか、ヤバいことに、かつて記録というのは簡単に捏造できるものではありませんでしたよね、アナログの時代というのは。

    山路:ああ。

    小飼:フィルムで捏造するというのは不可能ではないです。実際にやられてたんですけども、なかなか高コストだったわけです。

    山路:専門家がやらないといけなかった。

    小飼:はい。録画の時代が来て、photographのことを日本語で直訳するのであれば、光の画、光画ですよね。だから直訳と言った意味で、『究極超人あ~る』は良かったなと。あれとは別に写真部とかいうのも出来たんです。ところが日本語では写真と言います。真を写すと。
     ところがそれをフェイク出来るようになっちゃったわけですよね。だから簡単なホラだったものが、ディープフェイクになっちゃいましたからね。だからこうなると動画の証拠能力というのも、やっぱりまた落ちてしまうわけですよね。

    山路:これって動画なんかに関してももっと、電子署名とかそういったものを駆使して、あるいはブロックチェーンなんかも組み合わせて、ガチッと公文記録用のやる方向に持っていかざるをえないということですよね、結局は。

    「ソ連はよくフォトショップ芸やってた」(コメント)

    小飼:けっこう有名なやつだと、スターリンの隣りにいた人がいないことになっているという。

    小飼:今はあれくらいであれば、ワンクリックで出来ますからね。

    山路:アハハ

    小飼:というのか、アドビ先生まで持ち出さなくても、iPhoneとかのフォトリタッチでこうやるだけで。

    「プーチンのお腹」(コメント)

    山路:へえ、そうなんだ。プーチンのお腹とかフォトショップで修正されてたりとかするのかな。最近そういやロシアとかね、データの改ざんでスポーツのほうでまた話題になってたりしましたけどね。

    小飼:ああ、というのか、あのねえ、東京オリンピックで出さない、いや、だから東京オリンピックでロシアの選手が出るためには、個人として出なければいけないみたいなことを言ってるじゃないですか。なんかそれはロサンゼルスのオリンピックはボイコットという形で、ボイコットの応酬か、ごめんなさい、はい。

    山路:うんうんモスクワと。

    小飼:そうそう、モスクワの時にボイコットしたので、その応酬でロサンゼルスの1984年の時には共産圏の選手いなかったんですけど、それとは別の理由で。

    山路:しかしデータ改ざんをここまでやられても、突っぱねるというところも何となくちょっと日本の将来を、こんな感じになるのかなみたいな。

    小飼:だから、どうみても今の自民党の理想の国というのはもう中国であり、ロシアであり。

    山路:うーん。ただなんか中国、前に弾さんも言ってたけど、中国のほうが最近記録に関してはちゃんとするようになってきているみたいな。

    小飼:そうなんですよ。というのか、もともと記録をちゃんと録るということに関してはムッチャ伝統のある国ですからね。僕も何度も紹介している、崔杼弑君(さいちょしいくん)という故事もあるじゃないですか。

    山路:うんうん、あの歴史の捏造をガンとして。

    小飼:譲らなかったという。それだけじゃないじゃないですか。故宮博物院の展示物っていうのも、日本軍の手から守ったわけです。なんですけども、中国が中華民国と中華人民共和国に分かれてた時に、けっこう台北に持ってっちゃったわけですよね。だから今故宮博物院というのは2つあるじゃないですか。

    山路:台北のほうはちょっと見たことがあるんですけどもね。その文脈でちょっとこれも行ってみましょうかね。これそんなに多くのところでまだ報道されてるわけじゃなくて、共同通信が書いた記事なんですけども。
     中国でHUAWEIが内部告発者に対して、かなり不当な扱いをして解雇して、その内部告発者が今度はちゃんと訴え出て、証拠も揃えてたから、この裁判所のほうがそっちのほうを、HUAWEIの言うことっていうのは嘘というか、ちゃんと記録をその内部告発者が録ってたから、そっちのほうが認められたみたいなことがあって。これちょっといちおう産経のところに共同通信からのニュースっていうふうに出てて、あんまり他のところで出てないのでよくわからないんだけども。

    小飼:産経だと見ないけど、共同通信。

    山路:共同って書いてありましたからね。

    小飼:共同と書いてあるね。

    山路:なんかそう考えると中国の司法、ちゃんとしてるんじゃないかみたいな、それが本当なら。

    小飼:ちゃんとしてきている、いやでもそれでウィグルで一体何が起きているのかっていう。

    山路:そこの落差の凄さがありますけどね、なんかいまだに。

    「ちゃんとしてる」(コメント)
    「文革の時は紙燃やさなかったのか」(コメント)
    「人は燃やしたけど」(コメント)

    山路:いや散々燃やしたんじゃなかったかな。文革の時の話ですよね、『三体』とかにもけっこう描写ありましたけど。うーん、いやいやなんかこう今回かなりずーんと来る話ではありましたが、これじゃ昔のその中曽根さんとかの話に戻って、そういう昔の日本の政治のあり方は、今よりマシだった?

    小飼:ああ、マシだったというよりも、まだ建前を立てたんですね。

    山路:それを言っちゃいけないラインというか、倫理。

    小飼:それを言っちゃいけないとかっていうことではなくって、建前とは何かというと、それこそが法なわけですよ。法治というのは、建前を優先するということ、法で治めるの法治というのは、建前を優先することなんですよね。
     放り出すの放置というのが、本音を言う、優先するということで、バックアップは。

    山路:行政文書云々カンヌンみたいな、そういう言葉なんか。

    小飼:だから中国政府さえ、そこまでグダグダな主張は、中国政府さえというと失礼だなやっぱり、中南海の皆様に。そこまでグダグダなことは言わないよな、うん。

    山路:なんかそこのところっていうのは、有無を言わさずデータとかをガンと消してしまいそうな感じもありますけどね、変な言い訳もせずに。

    小飼:いや、だから、ある意味これが超法規的措置ということかい? という。

    山路:ああ、スパイ物みたいな格好いい感じじゃなくて、これこそが超法規的……。

    小飼:日本で超法規的措置というのは一回こっきり出ただけで、それは福田首相の時に。

    山路:あったな、何だっけあれ。

    小飼:福田おやじのほうね。もう少し正確に言うと、よど号の時ですね。

    山路:ああはいはい。

    小飼:そうです。でもそれは何のために超法規的措置が取られたかといったら、よど号の人質、まあ要するに不当に拘束された日本国民を救うためでしたよね。

    山路:そのためには、それもちょっと致し方なかったなという、いちおうロジックはあった。

    小飼:だから内閣が手前味噌で、超法規的措置を自分らにかますっていうのは、もうこれ弁護のしようがないよね。

    山路:しかもそのデータの管理というのは、誰にも責任を、責任はその人たちの話ですもんね。他の他人のせいに出来ないというか。

    小飼:出来ない。他人のせいに出来ない。たとえば景気ドカーンと落ちて、落ち込んでますがそれは増税のせいではなくて、米中が仲悪いしとか、人のせいにしようと思えば。

    「ロッキード事件よりヤバい疑獄」と日本の「ズタズタ税制」

    小飼:できるんですけど、でも景気の悪い話も、やっぱり景気本当に悪くなっているんだなという話もしておきましょうか。今日ですね、じつは町田のほうに用がありまして、南町田、変なカタカナの駅。

    山路:南町田、ああ、はいはい。

    小飼:今日ここ来る前は、そこで飯食ったんですけども、飯食う人は決して少なくなかったんですけれども、誰も椅子に座っていない。

    山路:うん? うん? 立ち食いの?

    小飼:要はフードコートみたいなところがあるんですけれども、誰も座ってテーブルに食べ物を並べてない。何でだろうと思いつつも、僕はちょっと疲れてたので、自分で座ってみてやっとわかった。軽減税率だ、消費税だ。

    山路:そういうことか。

    小飼:本当にその程度で、人は減ってないのに、そう。

    山路:ああ。店内で食うと10%になるんでしたっけ? 食料品として持ち帰れば8%なんだけどっていうことか。

    小飼:じつはセブン-イレブンとかっていうのは、もうぜんぜん区別してなくて、だから区別してなくてもそれはやむを得ないだろうと税務署も認めてるんだけども。

    山路:なんかイートイン脱税という言葉が新しく生まれたらしいですよね(笑)

    小飼:その場合、脱税に問われるのは、イートインを使った人ではなくて、店だから。
     だけど日本ってそういうちっちゃな瑕疵というのはえらく咎めるのに、ねえ。もう内閣の自前の超法規的措置というのにはずいぶん寛大だよね。

    山路:なんかこれって今回、桜を見る会から始まったデータの話なんですけれど、これをバックアップとかのデータを復元できるのかどうかみたいな、全部業務を止めてでも復元して精査しろという意見もあるじゃないですか。それに関してはどう思います?

    小飼:本来はそうというよりも、本来その時点ではなくって、消しちゃった時点で、消したけどまだバックアップが残っている状態はあったわけですよね。その時にリストアするべきだった。
     すみません、だから間違って消しちゃったので、今リストアしていますというべきだった、リストアするべきだったんですよ。

    山路:もうそれも過ぎちゃったというか、そこのところの機会も逸してしまった。ああ。これしかし本当に、消したかどうかみたいなことの精査とかっていうのは。

    小飼:してない。もう絶対持っているし、よしんば消したとしても誰か持ってるよ。

    山路:うんうん。

    小飼:どう考えても、どんなに少なくとも1ダースくらいの人は目にしてるはず。だってその名簿がないとさ、事務手続きも出来ないじゃん。だから招待状を発送してとかっていうのも。

    山路:毎年使ってたはずですもんね。どう考えても。

    小飼:そう、だから誰かのボックスに入っていると思いますよ。

    山路:年賀状だってね、毎年作り直すわけじゃない。

    小飼:うん、だからある時、しれっと出てくるんじゃないかな。けっこう消したって政府が主張してたのにじつはあったっていうの、ぞろぞろしてるじゃん。

    山路:ちょっとほとぼりが冷めてから。

    小飼:今回は、内閣というのか総理自らが関わっていたというのが、特記事項なのかもしれないですね。他は政府のやったことだけれども、総務省ですとか内閣府ではないじゃないですか。自衛隊の名簿とかにしても、あの日記にしても。

    山路:なんかその、今までここまで、首相ってけっこうわりと簡単に辞めているところもあったじゃないですか、日本って。今回というか最近凄い守ろうとする動きが強くなっているのかなという気が。

    小飼:やっぱりどう考えてもまともに処理したら、総理が刑事犯にならざるを得ないというのがあるんじゃないでしょうか。だから田中角栄の二の舞いになる。だから改憲どころじゃないと。

    山路:いや怖い話だな、それは。

    小飼:でも疑獄ですよ、本当にこれは。これは本当にヤバい。でもロッキード事件の時よりもヤバいんだよね。

    山路:ロッキード以上?

     
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