• このエントリーをはてなブックマークに追加

今なら、継続入会で月額会員費が1ヶ月分無料!

小飼弾の論弾 #158「負けを認めたアメリカと、書評『ワン・モア・ヌーク』」
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

小飼弾の論弾 #158「負けを認めたアメリカと、書評『ワン・モア・ヌーク』」

2020-04-25 07:00

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2020年03月03日(火)配信その2をお届けします。

     次回は、2020年4月28日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2020/03/03配信のハイライト(その2)

    • アフガニスタンで「ついに負けを認めた」アメリカ
    • 『ワン・モア・ヌーク』の説得力、説得力のない現実
    • 楽天モバイルと衛星電話、著作権フェアユースについて

    アフガニスタンで「ついに負けを認めた」アメリカ

    山路:こういう意味で本当に多様性が重要っていうことなんだろうな。有料行く前にもう1本。アメリカとタリバンの話やっておきましょうか。

    小飼:そうそう、コロナで100%にしちゃうにはあまりに重要なニュースなので。これはなどう受けれ入れればいいのか。

    山路:これちょっと解説して貰いたいんですけど、それはなんか……。

    小飼:解説する前に、皆さん2001年9月11日の記憶がない方っていらっしゃいます?

    山路:911の。

    小飼:うんと若い視聴者さんだと、まだ生まれてませんでした、若すぎますという人もいるかもしれないだけども。

    山路:そうかもう20年近く前。

    小飼:そう、だから、うちの娘達は、もう歴史だから。記憶ではなくてね。おおノーが出た。やっぱりゼロではないと思います。

    山路:テレビ、飯食いながら、定食屋かなんかで飯を食いながらテレビ見てたような。

    小飼:僕はリアルタイムに見ましたね。飛行機がワールドトレードセンターに。

    山路:凄い作り物みたいに見えて、逆に。

    小飼:いやまぁ凄い映像でしたし、一段とグッときたのは、僕、行ったことあるんですよ。ワールドトレードセンターが建ってる時に、てっぺんまで行って。あの屋根がない吹きっさらしの屋上に出れたんですよ。あれが建ってた時に。凄え絶景でしたよ。

    山路:怖え。想像するなり、高所恐怖症の気があるので。

    小飼:1番の絶景でしたね、その次にニューヨークシティに遊びに行った時には、エンパイアステートビルディング、もう1つ有名なやつです、にも登ったんですけども、どっちが絶景かといったら、ワールドトレードセンターのほうが絶景でした。

    山路:いやあ、あれから19年か、長えな。

    小飼:そうです。まあそれはとにかく、もうアメリカの不倶戴天の敵、あの……。

    山路:アルカイダ。

    小飼:うん、どれくらいのレベルでそうかといったら、北朝鮮は許せても、(アルカイダの引き渡し要求を拒否した)タリバンは許せないぐらいの筈なんですよ。なんでそうかと言ったら。アメリカの国土に、アメリカ人を戦争グレードでぶっ殺せた、ぶっ殺したっていうのは。
     カリフォルニアまで、ユナイテッドステイツが及ばない時には、普通にメキシコとも戦争しましたし、イギリスとも独立戦争だけでなくて、戦争して。全部は勝ちきれなかったので、カナダは独立国ですね。まぁでもそれはおいといても、そういう時代ではなくって、もう近代、アメリカがスーパーパワーになったのは、一次大戦の時じゃないですか。でもそれ以外は、本土がやられたことっていうのは、あのレベルでやられたっていうことは、ないんですよね。

    山路:真珠湾もハワイのほうまで、ずいぶん離れてますもんね。

    小飼:日本の風船爆弾がワシントン州に落ちて、そこでピクニックをしていた家族に犠牲者が出たというのはあるんですけども。

    山路:ああ、そんな数千人とかっていうオーダーで。

    小飼:だから、いかに特別だったか。これはですね、もうはっきりアメリカが負けを認めたということです。そういうふうに解釈せざるえない。

    山路:ほうほう。これはアフガニスタンから基本的に米軍が徐々に撤退をしていってという。

    小飼:そういうことです。だからベトナムと同じ結果になったと。こういうのも何ですけれども、あれなわけですよね。アメリカからすると、勝てなきゃ負け、そこはベトナム戦争にもちょっと共通してます。負けなきゃ勝ちという。

    山路:向こう側にしてみたら。

    小飼:そうそう、タリバンの側からしたら。

    山路:ふーん、これしかし何というのかな、これで向こう、あっちのアフガニスタンのほうは落ち着くのだろうかという、和平合意、こういう形での。

    小飼:とりあえず、アフガニスタンはタリバンのものになったと言い切っちゃっていいでしょうね。だってアメリカが撤退した後、誰が彼らを止めるんだ?

    山路:うーん、これ結局タリバンによる独裁国家みたいな方向に、軍事国家みたいな方向に行くという。

    小飼:ベトナムも北がちゃんと南を併合したというのは、和平合意の後の話ですよね。だからそうなるのは、もう決定路線になった。だから本当に一体何をしてやがったんだ? でしょうね。

    山路:うーん、これはしかしアフガニスタンにとって、いいことなのだろうか? みたいなのは、ようわからんとこはありますよね。

    小飼:いや結局誰もハッピーにならなかったんだよね、これは。タリバンはハッピーなのかな? 少なくとも、少なくとも勝ったわけですから。

    山路:うんうん。アフガニスタンもなんか、ついてない国ですよねという。

    小飼:ついてない国……いや、そもそも、国って何よ? って言ったら、日本とかイギリスみたいに自然の土地境界がそのまま国になったという例は、あんまりないんですよね。アフガニスタンというのは、イギリスとロシアが……。

    山路:ある意味人工的に作った。

    小飼:そうそう人工国家ですよ、あれは。

    山路:(人工的に作った)国だから、国家としてのアイデンティティみたいものとかっていうのは、ぜんぜん日本とかとは、話が違うわけか。

    小飼:この場合アフガン戦争っていって、何て言えばいいんだろうね、9月11日の後のアメリカの行動というのは。

    山路:うん、イラクを経て、この……。

    小飼:もはやあれですよ。9月11日の死者を上回っているんですよね、アフガニスタンで死んだ米兵の数というのは。もうダラダラ、ダラダラ……。チョボチョボ、チョボチョボと死んで。アフガニスタンの人というのは、もっと死んでるわけですよ。かなりの部分、無実無辜の人なわけですよ。結婚式に爆弾落とされたとか。でもものすごく皮肉ですけども、トランプがやった中では、1番褒められることじゃないですか、これは。

    山路:ああ、そうですか、ポジティブに、それは。

    小飼:はい、何度も繰り返します。アメリカ負けたんですよ。負けを認めたんですよ。今までの政権が認められなかった負けをついに認めたんですよ。ブッシュ息子が始めて、オバマが受け継いだ。
     だからこれに関しては、本当に、でももちろん負けたっていう言い方はしてないですよ。和平を結んだっていう言い方をしてますけども。何度でも繰り返しますけどもね、勝てなければ負けなんですよ、これは。
     でもなんでそれを受け入れられたかっていうふうにいったら、ベトナムの時には本当に金が尽きかけた。けどその頃に比べるとアメリカの資金というのは、潤沢なんですよ。全世界に占める経済の割合で行くと、減ってはいるんですけれども。

    山路:うんうん、総額としてはぜんぜん豊かになっているのにっていう。

    小飼:そう、だから戦略目標も、もうなくなちゃったんですよね。だから親米政権も、ようはタリバンが成立しないような政権を、アフガニスタンに樹立するというのが、米国の戦略目標だった筈です。さっき、コロナウイルスに例えれば、封じ込め。

    「ドサクサに紛れて凄いニュースが来てたんだな」(コメント)

    山路:いや本当そうですよ、何というか、このニュースそれほどでかいのに、何処も報道してないっていう。

    小飼:はい、コロナウイルスよりも遥かにでかい筈ですよ。人類は、アメリカ人はコロナウイルスは受け入れられる筈ですけど、なんでそう言い切るかっていうと、ウエストナイルもジカも受け入れたわけですよ、いやいやながらにして。ヒアリも受け入れたわけですよね、いやいやだけれども。

    山路:アハハ。だけど敗戦は受け入れらないって。

    小飼:だけどこれを受け入れられるのかという。

    山路:ちょうどいいタイミングで、コロナウイルスで誤魔化せてよかったのかもしれないですね。

    小飼:誤魔化せるかな、これ。

    山路:いやあ、わからんですけれども。じゃあそろそろ限定いきますか。

    小飼:おお本当だ、もうあれだね、80分もやってますね。そうですね。

    山路:ということで、じゃあ限定のほうでは『ワン・モア・ヌーク』ですね、藤井太洋さんの新刊です。けっこうコロナウイルスの話なんかとも、繋がってくるとこあるかなと思うんですよね。

    小飼:東京オリンピックという繋がりが、もろ繋がりが。

    『ワン・モア・ヌーク』の説得力、説得力のない現実

    【限定放送】

    山路:はい、じゃあよろしくお願いします。

    小飼:ネタバレも辞さず。

    山路:アハ、辞さず。『ワン・モア・ヌーク』って、ちょっとリンクを出しますね。

    小飼:物語の登場人物というのは、善も悪も実際以上に優秀に描かれがちなんだよね。だからそういう彼らを盛り立てるために、実際以上に何と言えばいいのかな、当局が間抜けに描かれるというのも、よくあるパターンで。たとえば『ダイハード』とかは、既存のLAPDもFBIも。

    山路:ロサンゼルス警察。

    小飼:そうそう、道化の役割をやりましたよね。だからドラマとはいえ、あそこまで道化にするのは酷くない? と思ったんだけどもな、ダイヤモンド・プリンセスの体たらくを見ていると、うん、まあまあ、現実もそんなものかみたいな感慨がありますね。

    山路:『ワン・モア・ヌーク』に出てくる人たち、皆、優秀っすよね。

    小飼:うん。

    山路:テロリスト側も政府も。

    小飼:そう、けっこう優秀なのは、テロも大きく2手に分かれますね。事実上の主人公、原爆を設計した主人公と、原爆用のプルトニウムを持ってきた。

    山路:科学者、元科学者。

    小飼:そうそう。連中と。

    山路:それを追うほうの。

    小飼:そう、追うほうも日本の当局と、プルトニウムを追っかけて日本までやってきた。

    山路:IAEAの。

    小飼:はい。

    山路:日本人とアメリカ人のコンビ。

    小飼:そうそう。

    山路:なんか皆ちゃんと仕事してるなっていう。

    小飼:そうなんですよ。そうなんですよ。

    山路:このnukeって、まさにnuclearの。

    小飼:うん、だからバリキャリというのもフィクションになってくるのだろうか。

    山路:アハハ、ちゃんと仕事する公僕という。今回のっていうのは「核をもう一度」ということで、「One more nuke(ワン・モア・ヌーク)」なんですよね。これはまあ別にネタバレじゃないですよね、この辺は。

    小飼:まぁそこまではちゃんと紹介欄にも書いてあるんですけども。

    山路:うん、何処まで言っちゃって大丈夫なんだろうな? この話っていうのは。

    小飼:今年の3月11日に完結しますという。

    山路:3月6日から始まって3月11日に終わるっていう。

    小飼:はい、そうなんですよ。だからあと1週間と1日で、過去になる。まあ少なくとも別の時間線になるという。

    山路:もう読まれた方も。

    小飼:決定事項が。だから前から藤井太洋さんて、本当に超近現代の話。だからSFというにはあまりにも現代な話ばっかり書いてるんだけども、ここまで、ここまで現代な。

    山路:『オービタル・クラウド』とかでもずいぶん現代だなと思ったんだけど、更にもうリアルタイムですからね、今度は。

    小飼:日数単位で。

    山路:なんか敢えてここまで直近のを狙うっていう人って、なんかそんなに作家でいないんじゃないかという。

    小飼:そうだから意外な盲点だったかもしれない。

    山路:これ古くならない話だと思いましたね。

    小飼:そう今年の3月11日が、過ぎても、むしろ藤井太洋作品の中では、1番古典になりやすいかもしれない。

    山路:書かれているテーマとかも、ずいぶん普遍的というかな、これからどんどん必要とされていくようなテーマな気がするんですよね。これ東京でそれこそ核テロを起こす、これも言っちゃっていいんですよね。

    小飼:うんそこまでは、書いてある。

    山路:核テロを起こそうとする。

    小飼:書いてあるというのは、本ではなくて、本の紹介欄に書かれている。

    山路:テロリストとそれを追う公安とか。

    小飼:1つ凄いなと思うのは、原子爆弾というのは、精密機械じゃないですか。精密機械であるにも関わらず、じゃあどういう原爆をつくるのかというのが、設置するまでまだ決まってないんですよね。だから一口に原爆と言っても、1番小さいやつというのは、155ミリ砲で、打ち出せます。今もアメリカ軍がそれを配備しているかどうかというのはわかんないですけど、そういう弾頭を開発したというのは。

    山路:150ミリの鉄砲というのは。

    小飼:まあこんなもんですね、弾は。

    山路:え? 原爆?

    小飼:原爆。1番小さいやつは、まあ1ktくらい。

    山路:それはダーティボムではなく? つまり放射性物質……。

    小飼:だから普通の原爆、普通っていうのも変ですけど。
     
    山路:着いたところで、核分裂を起こして。

    小飼:そうちゃんと核爆発するやつですね。

    山路:はあ。どれくらいの破壊力があるもんなんですか? そういうのって。

    小飼:要は野戦で使えるという。いわゆる戦術核というやつですよね。

    山路:ビル吹っ飛ばすのに使うみたいな。

    小飼:155ミリ砲というのは、射程距離は最大でも30キロくらいしかないので。しかもいいやつですね、実質その半分くらいですね。実装で使う時には、だからその程度の距離でも撃ったほうというのはすぐにやられない、というぐらいですね。だから1ktとかいうレベルのものもあって。だから片方のほうは間違いなく原爆であることには間違いないんだけれども、なるべく威力を押さえた原爆というのを狙ってたわけです。だから政治的デモを狙っているのが、原爆を設計したほうの原爆に望んでる。

    山路:もうこの小説の「但馬」側ということですよね。

    小飼:そうです、そうです。ところがプルトニウムを盗んで、日本に密輸して来た側というのは、もっとでかい。だから実際に東京が暫く住めないくらいでかいやつ。

    山路:吹き飛ぶ、それこそ核戦争もう1度みたいな感じのワン・モア・ヌークを狙っている。

    小飼:そうなんですよ、だからどっちも原爆に対する要求というのは違うんです。でも普通こんなのだったら、もうその時点で破綻してるじゃないですか。それが破綻せずに進んでいるっていくっていうのが、へー! っていう凄い驚きがありましたね。

     
    この記事は有料です。記事を購読すると、続きをお読みいただけます。
    ニコニコポイントで購入

    続きを読みたい方は、ニコニコポイントで記事を購入できます。

    入会して購読

    この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。

    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。