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小飼弾の論弾 #159「コロナショックでさらに力を増すGAFA」
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小飼弾の論弾 #159「コロナショックでさらに力を増すGAFA」

2020-05-02 07:00

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2020年03月17日(火)配信全文をお届けします。

     次回は、2020年5月12日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2020/03/17配信のハイライト

    • コロナのアメリカ上陸と「人類社会の固有振動数」とは
    • オリンピックは開催される? 学校休校はどうする?
    • 「大きなところに金を渡してしまう」ダメな日本
    • 最強のコンピューター言語とは? 論理型のプログラミング言語の需要は?
    • 株の流動性と「ストップ安とサーキットブレーカーの違い」
    • 「白旗を上げやすい」新型コロナの特性と「人類は滅亡しません」
    • コロナショックでさらに力を増すGAFA
    • 地方再生のためには「引っ越し助成金」を

    コロナのアメリカ上陸と「人類社会の固有振動数」とは

    山路:今日100回目だそうですよ。この番組。

    小飼:おお。まぁでも10進法。

    山路:10進法、じゃあ16進で、100になった時には、また何かお祝いをする感じですか?

    小飼:だと、けっこう先だけれども。

    山路:せっかくなんか何となく区切りがいいところなのに。世間はコロナ一色。

    小飼:はい。ちゃんとゼロから数えて下さい。

    山路:ええと、どうだったかな?

    小飼:皆勤。

    山路:準備回をゼロと数えるなら、たぶん大丈夫じゃないかな。

    (スタッフの声)

    山路:みなさん拍手してくれて。

    小飼:ありがとうございます。

    山路:今日はそれこそタイトルにもあるように、まあコロナショックですよね。コロナショックの話題が多くなると思うんですが。それとあとこの書評ということで、小林弘人さんという方の『After GAFA 分散化する世界の未来地図』という本の書評を限定のほうメインでやろうかなと思っています。

    小飼:あと質問頂いているので、限定では質問のほうも、なるべく答えられるよう、はい。やらせじゃないです。どこかの官邸と違って。

    山路:この『After GAFA』のほうも、ちょっともしかしたらコロナの話と関わってくるかもしれませんね。

    小飼:そうそう、なんか意外に繋がっちまったみたいな。

    山路:本当はコロナがここまで大きくなかったら、そういう話にもならなかったんじゃないかと思うんだけども、意外にこうびっくりする程、ある意味大きい話になっていったから、こういう話まで繋がってくることになるなあと思うんですけども。

    小飼:他人事でなくなってしまいましたね。すっかり。

    山路:いやいや、なんか前回の放送から、予定とかいろいろ変化したことって、ありました? スケジュールが飛んだりとか。

    小飼:そうね、延期が更に長くなるんじゃないかなと。たとえば前にも言った通り、もう次女留学の予定、高校卒業したら、留学の予定なんだけど、予定通り、これはいかねえんだろうな、もう。1Semesterくらい遅れるんじゃないかなと。

    山路:1Semesterかあ。半年ってことですよね。

    小飼:しかも長女の大学卒業、学部卒業が来年なんですけれども、大学院に行きたいって言ってるんだけども、競争率上がるだろうなあとか、だからけっこう我が家にも小さからぬ影響というのは来てます。

    山路:競争率が上がるっていうのは、結局就職の、なんというか雇用が絞られるからっていう?

    小飼:うん、大抵不況の時には、大学院に進むっていうオプションが、人気が出るようになるんで。

    山路:まぁいずこも同じなんですよね。じゃあコロナの話、まず1番けっこうでかいのは、アメリカどうなるかって、いよいよ本丸に、本丸というか世界経済の中心にコロナが上陸して。

    小飼:どうなるだろうな。でも、こういっちゃなんだけども、今から対策しても遅い。今、発症を待ってるみたいなところはないのかなと。

    山路:ああ、非常事態宣言が出ましたよね。

    小飼:だから前回の放送でも言った通り、どんなにCDC(Centers for Disease Control and Preventionアメリカ疾病管理予防センター)が素晴らしくても、アメリカの医療は末端がクソなので。

    山路:皆保険制度とかがないとかの問題ということなんですか?

    小飼:うん、なんだけども、検査は無料で出来ることになった。けっこう凄いのが、ケイティー・ポーターという下院のほうの議員がいまして、オレンジカウンティ選出ですね。本当にその辺の普通のおばちゃんみたいなんですけれども。その人、たぶん今1番、強い下院議員なんじゃないかな。

    山路:今、リンク貼ったんですけども、ホワイトボード持って。

    小飼:そうそう。

    山路:そのホワイトボードに数字を書き込んでいって。

    小飼:はい、計算おばちゃん。

    山路:1人辺り一体いくらかかるのかっていうことを出して、これを無料にするっていうような権限を。

    小飼:無料にするというよりも、無料にするという法律はもうあるんです。この法律に従って、無料で検査しますよね? って、そう、だからCDCのトップの首根っこを捕まえて、ノーと言わせなかったと。

    山路:あのCDCのエライさんもビビってましたよね。

    小飼:うん、モルガン・スタンレーのCEOも全く歯が立たなかった。デイモン。

    山路:かなりリスペクトされてる人ですよね。

    小飼:かなり有名になったね、もうこれで。

    山路:そこのところで……。

    小飼:だから少なくとも検査は、国費で出来るようになったけども。でも実際に検査キット、どうdeployするよっていう。

    山路:モノをまず調達しないといけないですもんね。

    小飼:そうそう。だから日本よりも検査が進んでない、数少ない国だからね、今、アメリカは。

    山路:サンフランシスコでは外出禁止令まで、出ちゃったっていう話ですよね。

    小飼:ねえ。

    山路:ただこれ検査の話、ちょっとこの後でしようかと思うんですけども、外出禁止令まで出すのって意味あるんですかね?

    小飼:ええと、もうどんな犠牲を払ってもいいから、パンデミックを止めたいというのであれば、確かに禁則というのが、1番効果がある。
     兎にも角にも、人が人に会わない。そうだから、人がキャリアなのだから、人を止めてしまえば、ウィルスも止まるというのは、これは確かに理屈としては、合ってますよね。

    山路:それにしても、運動はいいとは書いてたか。この外出禁止令とは言いつつも、運動とかでちょっと家のまわりとかを出るのは、まあOKだけどみたいなことは、書いてあった。

    小飼:要は、人と人が接触するなということだと。

    「弾さんのスタンスが知りたいです」(コメント)

    小飼:いやまぁでも遅いんじゃね? っていう。アメリカじゃなくて、全世界に対して。もう世界の隅々まで、広がっちゃってはいるんだよね。

    山路:うんうん。じゃあそこのところで、いろいろどういうふうな戦略をとるのかっていうことっていうのが、今、次の注目になって来ていると思うんですけども、よく言われているのが、ピークカット(集団免疫)戦略っていうのが、どうよみたいなことが言われてて。

    小飼:まあ要は少しずつ、少しずつ市民の皆さんに感染して頂いて、免疫を獲得して頂いて、最終的には、そう「人は石垣、人は城」状態に持っていくというのが、このピークカット戦略。

    山路:だけど高齢者はけっこうバタバタ死んじゃうことは折込み。

    小飼:いや、なので、もう放置して治るのを待つ場合と積極的に治療した場合で、どれくらい違いが出るかというと、5%が1%になるくらい。だいたいそんな感じだと言われてる。

    山路:ほう。

    小飼:だからこれを1%に抑えるためには、かかった人たち、重症になった人たちが1%になるように。要は医療資源がそこを超えないように、要はダムの突堤がそこにあるのだと。だからそれよりも水、要するに完全に来ないように、遅くすればいいのだと言うんだけれども。

    山路:イギリスもでもそれの方針を撤回しましたよね。

    小飼:はい、なぜ撤回したかというと、その戦略で医療破綻を起こさないように、ゆっくりゆっくり皆に感染して頂くには、どれくらいの期間かかるの? っていって、40ヶ月だと。3年以上かかるのだと。

    山路:イギリスの場合は、なんか医療のキャパシティの数値をちょっと間違ってたみたいなことを、後で言い訳して、撤回した理由の1つにしてましたね。

    小飼:でも逆に言えば、その5%というのを受け入れられるのであれば、じつは1番いい戦略というのか、皆いっせいのせで感染させちゃうという。そう人類みな兄弟で、なるべく濃厚接触しよう。

    山路:アハハ。それはでも全世界ある意味、いっぺんにやらないと意味がない。

    小飼:うん、だから今回の、コロナウイルスは、コロナ3兄弟の末っ子なんですけどね、ちなみに長男がSARSで、次男がMARSです。なので1番弱いんですよ。3兄弟の中で1番弱いんですよ。

    山路:それは致死率という意味で?

    小飼:そういう意味です。なんだけれども、人類社会に与えているインパクトでは、ダントツでナンバーワンですよ。かなり多くの人が、これだけのパンデミックというのは、1918年のスペイン風邪以来だと。敢えてスペイン風邪という言い方をしています。まだ名前変えてないみたいなので。
     まあ要は、1世紀ぶりのヤバいやつだというふうに、なんでそういうふうになったかと言うと、こういう例えが適切かどうかわからないんですけども、固有振動数にあったと、人類社会は。

    山路:振動数?

    小飼:固有振動数というのは、たとえばブランコを漕ぐ時というのは、適切なタイミングで足を伸ばしたり、折ったりしますよね。だからタイミングがズレてないと、いくら身体を一生懸命動かしても、ブランコというのは、スイングしませんよね。何が言いたいかっていうと、もし毒性がもっと強かったら、たぶん外に出れなかったんですよね。エボラみたいに。

    山路:うんうん、すぐに封じ込め政策。

    小飼:そうそう、毒性が弱かったら気づかれもしなかった。前にも言った通り、コロナウイルスというのは、普通の風邪の3分の1というのがコロナウイルスで。普通、だから普通の風邪で肺炎になって、死んだらおしまい、チャンチャンで終わっていく。

    山路:全人口に膾炙して、なおかつその社会にダメージを与えるという、丁度いいバランスか。

    小飼:人類がこれを増幅しているというのは、明らかで、さっきも言ったように。

    山路:人類が増幅している?

    小飼:だから、そのコロナウイルスの社会的影響を。人類社会というのは、1枚岩ではないわけですよ。たとえば全世界が中南海に、中国に支配されてたのだとしたら、まあ中国と同じ対応をしておしまいですね。

    山路:その起こった街、パッと見つけて、そこを封鎖してしちゃう。

    小飼:そういうことです。
     あるいは何もしないのであれば、たぶん、スペイン風邪までいかないけれども、お年寄りがバタバタ死んで、その代わりに人類は集団免疫を獲得してっていうので終わりだと思います。ところが社会がいくつもあるわけですよ。ある社会の真似をしようとすると、たとえばこの間のイギリスみたいに、うちはピークカット戦略をとります。ゆっくりゆっくり皆に感染して頂きます。だからその中には、犠牲者というのも出るというのは想定していますっていうふうに言うと、そんな残酷なことは出来ないというふうに、たとえば韓国はよろしくやっているわけですからね。
     ところが韓国ほどの医療リソースを持っている国というのは、あまりないわけですよね。

    山路:弾さんからみて、韓国の状況というのは、かなり何とか上手くやっている?

    小飼:凄い、うん、だからあれくらいちゃんと始めから備えてて、あれだけガチンコに戦えば、押さえられるもんだなという例なんです。
     だからそれが困るんです。だけどそれが出来るのは、あくまでも人口6000万弱の韓国の中だけなんですよね。
     似たようなイタリアというのは、破綻してる。もう破綻しちゃったんですよね。

    山路:なんか凄い勢いで、死者が増えてますよね。感染者というかもう。

    小飼:1000人超えちゃいましたね。

    山路:死者が2000人も超えましたね。

    小飼:だからベストの真似をするわけにもいかず、だけども開き直ると、この政府は何もしないんだなと。要するにお互いがお互いを牽制しちゃってる状態。

    山路:うーん、その間隙(かんげき)をついて、コロナはどんどん広がって行くみたいな対策のなんか違いみたいなところをついて。

    小飼:ちょうどなんと言えばいいのかな。そう人類が、中途半端に、まとまっている状態というのに、感染力と毒性というのが合致してしまった。

    山路:それは誰も予測が出来なかったわけですね、ある意味。

    小飼:予測出来ない、特に自分達のことが、コロナウイルス以上に人類は、人類社会のことを知らなかったと。

    山路:これWHOの事務総長が、とにかく検査しまくれと。これはもちろん何も症状が出てない人も検査しろというんじゃなくて、疑わしいと思われた人に対して、PCR検査をしろという。

    小飼:ただ何をもって疑わしいっていうのは、少なくとも記者会見では言ってないんですよね。たとえば感染がアウトブレイクした国から来たというのは、十分な疑いなのか。あるいはどっちかというとこの人インフルエンザじゃね? っていう人も十分な疑いなのか。

    山路:しかしインフルエンザとコロナって、その外観とかで区別。外観的な症状で区別が……。

    小飼:熱が出るのは似てますよね。

    山路:それは相当難しいな。ただあの医者のTweetを読んだんですけれども、日本はCTのための機械というのが凄く普及していて。

    小飼:CTは本当にいっぱいありますよね、もう。たぶん、医者でなくても、一般でも知ってる人は知ってると思いますよ。

    山路:肺炎が疑われる人に関してはCTで撮影して、それで疑わしいかどうか見て、それがある意味検査になっているのでないかと。

    小飼:うん、肺炎がわからないわけではないというのは、それは確かなんです。ド素人が見ても解りますからね、この辺が白くなっているというのは。

    山路:それでも不十分?

    小飼:はい、いい医者であれば、CTでなくても普通のX線写真でも。肺炎って、わかっちゃうわけです。
     いやいやCTが普及するまで、どうやって診察してたと思いますか?ましてやCTがあれば、見落としようがないわけですよ、肺炎はね。
     ただし肺炎になる病気というのは、いっぱいあるわけですよ。マイコプラズマでもなりますし、もちろん他にも肺炎を引き起こすウイルスっていますし。エイズの時というのはカリニ肺炎というのもありますよね。肺炎になる理由というのは、いっぱいあるわけですけども、肺炎になってからウイルスをチェックすれば、確実じゃないかと。検査の無駄打ちをしなくていいじゃないかと。

    山路:それでは駄目なんですか?

    小飼:ええとですね、肺炎になった人だけが、他の人に感染せるというのであれば、それで正しいんですよ。
     要は、何をしたいかっていうと、COVID-19に罹患した人、発症した人を助けるだけではなくて、他の人にウイルスが感染るというのを防ぎたいわけですよね。

    山路:重症化しなくても、無症状であってもどんどん広がってたりもするわけですもんね。

    小飼:そうなんですよ。そうなんですよ。だいたい8割の人は、感染しても肺炎にならんのですよ。

    山路:なんかちょっと咳してる人とかが、COVID-19かどうかっていうことなんかも、見ていかないといけない。

    小飼:そうそう、花粉症でくしゃみしたら、じつはキャリアでしたというのは止められないんですよね。

    山路:ちょっと前の段階だと、そういう全員に検査すると、その偽陽性とかが出て、医療インフラが混乱してもたなくなるからという話が出てたじゃないですか。

    小飼:偽陽性には凄い強いんですよ、PCRというのは。

    山路:ああ偽陰性か。

    小飼:はい、ああ偽陰性と偽陽性の違いですけども、偽陽性というのは、見間違いですよね。要は、実際は別の病気だったり、感染してなかったりするのに、感染してっていうふうに見間違いが偽陽性。偽陰性というのは見落としね。

     感染してたんだけれども、陰性とでたと。PCRの場合というのは特にコロナウイルスだけではないんですけども、これRNAウイルスだから、まずDNAに写し取らないといけないんですよね。

    山路:手間がかかっちゃう、検査に。

    小飼:うん、ここが難しい。

    山路:これってPCR検査って、検査キットとか、時間とかって、だいぶ短縮出来る機械とかも出てきたという話が。

    小飼:RNAの部分が難しい。いったんDNAになってしまえば、ガバガバっと。ちなみにPCRというのは、犯罪捜査の時のDNAチェックとかでも使えますよ。とにかくDNA、あるDNAの断片が、十分な数のDNA断片があれば、確実に見つけられるんだけれども、まずDNAにするところというのが、難しい。

    山路:その検査キット、十分な数提供するのは、なかなかそれはひと仕事だという。

    小飼:だからインフルエンザみたく抗体抗原反応で、ビャビャビャっというふうに出来ればいいんですけども。

    山路:はあはあ、インフルエンザとか一瞬で検査できますもんね。

    小飼:まぁ一瞬、1分かかります、5分かかりますけど。僕の場合は、1分かかりましたけど、見事に陽性でした。

    山路:それくらいには早くはならないものなんですか、原理的には。

    小飼:DNA、そうPCRの後ろの段階、DNAになっちゃったものをリアルタイムPCRにかけるというのは、はい。リアルタイムでないPCRというのは、僕も学生の時にやったことがあります。

    山路:じゃあマニュアルワークにはなっているわけなんですね。

    小飼:当時は今ほど洗練された機械がなかったので、温めたり冷やしたりなんですよ。まあ基本そうです、はい。

    山路:少し前に孫正義さんが、PSRとかの検査キットみたいなこと言って、大炎上したというか、皆やめれーみたいなこと言ったのがあったじゃないですか。

    小飼:はいはい。

    山路:あれっていうのは。

    小飼:医療崩壊を起こすというやつですね。でも医療崩壊もクソも、そもそも崩壊しているのかどうかというのも調べんとわかんないんですよね。

    山路:とりあえず、今もしもやるとしたら、それこそ検査キット出来る限り用意して、陽性が出ても別に症状がひどくなかったら、家にいろっていうふうにするのが、1番なやり方なんでしょうかと。

    小飼:うーん、ただ自宅隔離をどれだけ信じられるかですよね。
     ただ日本の場合は、それで上手くいく可能性というのも、低くないなと、東日本大震災の時の振る舞いとかからみても、お前自宅にいろと言えば、まあ従ってくれるんじゃないかと。要請程度でも学校を休みにしてくれるくらい、従順な人たちなのだから。

    山路:なんか空気に弱いっすもんね。あの人感染しているとか、マナーを守っていないと言われるのに、1番弱いから。

    小飼:そもそも普段の生活習慣として、濃厚接触したがらないというのもありますよね。

    山路:イタリア人の濃厚接触ぶりときたらっていう。

    小飼:僕もどちらかというイタリア人寄りだと思うんですけども。

    山路:そのちょっと言われているのが、日本人にはけっこう手洗いの習慣だったり、室内に靴を履かないみたいな習慣が、あれは関係があると?

    小飼:靴はどうなんだろうなあ、でも日本人ってそこまで手洗う習慣、根付いているかな。

    山路:わりと私は洗いますけどね。

    小飼:まあ欧州よりは根付いていると思います、というのも、日本は湿気が高い国なので、不潔とかじゃなくて、肌が洗わないとベトベトになるという事情はあると思います。

    山路:風呂とか普通に毎日入りますしね。

    小飼:はいはい。有利だというところはあると思うんですけど、どの程度というのも、これもやっぱり調べてみなきゃわからなくて、今の状態というのは、明らかに調べなさすぎなんですよね。今日本で肺炎で亡くなる人っていうのは、年間12万でしたっけ? だいたい、それを365とかで割ると、だいたい1日どれだけ肺炎の人が肺炎で亡くなるかっていったら、300をちょっと越えるくらい。
     なんだけども検査の数からいって、肺炎で亡くなった人すべてを、チェックしているわけではないですよね、どうみても。

    山路:ああなるほどね。

    小飼:そうだから、それだけで300いってしまうと。葬儀の現場では何が起きているかっていうと、肺炎で亡くなった人というのは、もうコロナかどうかというのは関係なしに。これ要するに普通の葬儀に回せないと。

    山路:とりあえずは、孫さんが言うみたいな形で、PCRの検査キットを大量にどこかからとにかく用意はしたほうがいい?

    小飼:少なくとも、今のは、もう明らかに少なすぎ。

    山路:うーん、それをどういう形で配布して、あるいはその後のどういうふうに行動することを指示するのは、とにかくどうするのかっていうのは、また議論のあるにしても、検査キット自体は必要ということは、やっぱりあるわけなんですね。

    小飼:うん。いや、だからこれは、個々の患者を救うためでないというところが、ポイントなんですよ。

    山路:治療じゃないわけですもんね。

    小飼:治療じゃないわけです。だからわかったところで、寝てて治るのを待つしかないというのはあるんですよね。しかし逆説的に考えると、コロナウイルスに1番強いのは人体なんですよね。

    山路:え? どういうことです?

    小飼:だから人類の医療ではなくて、人体なんですよね。

    山路:自然治癒能力とか免疫系の話。

    小飼:そう、そう。だからまだ真似できないんですよね。我々の医療というのは、人体に叶わないわけですよ。

    山路:それでなんかこれからワクチンを作ろうとしてるんだからな。

    小飼:その意味で、じつは、とりあえず個人のことをガン無視して、人類のことだけ考えるのであれば、一斉感染が1番いいということになりますよね。いっせいのせで。

    山路:できねえだろうな。2週間とにかく我慢するということを、全人類なにもかも止めてやれば、一発で解決なんでしょうけども。

    小飼:いや、それも症状出た人だけだし。

    山路:ある意味イギリスはそれに近いことをやろうとした。

    「オリンピックって開催されますか?」(コメント)

    山路:じゃそれいきますか。

    オリンピックは開催される? 学校休校はどうする?

    小飼:いや、じゃあそれいきましょう。オリンピックやるの? やらないの? いやもう五輪はご臨終でしょう。

    山路:まさか1ヶ月前にこんな話が本当に。いや私、心の中で、もう無理やろうって思ってますもん、正直。皆さんどう思ってます? 五輪出来ると思っている人って。

    小飼:じゃあアンケート出せますかね?

    山路:五輪出来ると思いますか?

    小飼:もう2つでいいや。

    山路:「はい」か「いいえ」で。

    小飼:やる、やらない。Go or No go.はい、じゃあちょっと準備をお待ち下さい。

    山路:じゃあその前に、休校の話とかしときますか? 今、学校のほうが休校してるじゃないですか。それは今後どうすりゃいいの? っていう話ですよね。休校に対する。いつまで。

    小飼:全国一斉休校というのは、あんまり意味ないっていっているのにも関わらず、日本だけではなく、全世界でやっているというのはね。でも台湾はやってないんだよね。台湾はその時期というのは。

    山路:台湾は確かちょっと出て、一時期的にやったとこあったんじゃないですかね。

    小飼:うん、だけども今はもう普通の風邪とかのやり方と同じ、1人出た場合というのは学級閉鎖で、複数出た場合でも学校閉鎖で、全国一斉閉鎖というのは、もうやんないし、台湾はもうそれでいいと。

    山路:だけどこう、他のところでデータがよくわからないところで、一時休校するのが有益かどうかっていう議論って、ネットワーク研究、そういうネットワーク的に広まっていく、蔓延とかを研究している研究者の方によると、蔓延、そういうふうなところが出ないうちに、早目にところが出ないうちに、早目に休校とかっていうのは、一斉休校っていうのはやったほうがいいっていうことを言っている研究者もいますよね。

    小飼:いや、それは人の動きを止めれば、感染というのは止まりますけれども、休校しても止まってないわけですよ。学童保育があるから。

    山路:うーん、それも普通の学校の教室使ってやってたりするわけですよね。

    小飼:そうそう。

    山路:それだったら……。

    小飼:意味がないの。

    山路:それだったら席離して、せめてなんか普通に学校やるとかしたほうがいいんじゃないか。

    小飼:あと何で、感染してもまず死なない小中高生の足を止めるのかと言ったら、彼ら自身が発症しなくても、要は病原体を高齢者に持ち込んじゃうかもしれないから。もしそうだとしたら、ますます持ってPCRやんなきゃいけないですよね。

    山路:そうしないとルートわかんないですもんね。発症そうやって。

    小飼:だからセットでなければいけないの。だから十分なPCRの態勢があったのだとしたら、学級閉鎖もいいでしょう。それがブリーチした時に、何処からブリーチしたのかというのがわかるから、それであれば。でもわかんないの。今のは効果測定できないんです。学級閉鎖が効果があったのかないのかっていうのが。

     
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