「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2020年03月31日(火)配信その2をお届けします。
次回は、2020年5月26日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2020/03/31配信のハイライト(その2)
- 質問「仮想通貨の普及は?」とデジタルオリンピックの可能性
- PEZY事件と「選択と集中」問題、森友疑惑
- 石油を使わなくなった世界とこれからの「これまでとは違う世界」
質問「仮想通貨の普及は?」とデジタルオリンピックの可能性
山路:視聴者からの質問に、ちょっと先にやりましょうか。2つ頂いているのが、
「仮想通貨がコンビニなどで使われるようになるのは、あと何年ぐらい先だと思いますか?」
小飼:仮想通貨というのが、たとえばビットコインというのは、高過ぎますね、決済にかかるコストというのが。そうは言っても、ビックカメラでしたっけ、ビットコインも受け付けますみたいな。
山路:ああ今やってるかどうか知らんけど、言ってましたよね。
小飼:はい、だから他の決済手段についでについてくるというのは、あり得るんじゃないですかね。たとえば今のコンビニっていうのは、バーコード決済も受け付けるじゃないですか。でも、あれはもともと中国からの、だからインバウンドの顧客でAlipayで払いたいという人を受け付けるための仕組みというのを、そのまま援用してきているので。
だから知らない間に出来るようになってたというのは、とてもあり得るんですけれども、逆に支払いたい人が、コンビニ程度の買い物で使いたいかね? というのはあるね。
山路:これビットコインみたいな、そのパブリックな形でのブロックチェーンのものだったら、私はあんまりないかなという気もしてるんですけど、ただそういうコンソーシアム型とか言えばいいんですかね? そういう合意形成をそのある程度絞った形でやる、まあそれこそ言ってみたら国が出す。
小飼:まぁ要するに。
山路:国が出すデジタル円だったりとか、デジタル人民元みたいなものですよね。そういうものに、ブロックチェーン使っててというのは。
小飼:うん、あるいはほとんどコケちゃったけど、Libraとかね。
山路:ああ、それこそデジタル人民元が本気でやるんだとしたら、たぶん対抗して他の国もまあちょろちょろとそういうブロックチェーン技術使ったものは、いろんな国が出すだろうし。
小飼:だから今のところはMerchant、売る側、商品を売る側にも、買う側にもあんまりメリットが見えないんだよね。
「VALU買うためにビットコイン買った」
小飼:ああ、ありがとうございます。ちょっと申し訳ないです。
山路:今日サービス停止でしたっけ?
小飼:そうですね、はい。
山路:いやあ、あれもね、最初のほうの運が悪かったところが……。
小飼:まぁでも何と言えばいいのかな、フィアット並みに規制しろというふうに言われたら、やっぱりいいところ全部殺されてしまうので。
山路:たとえばどんなところがフィアット並みに規制みたいなのが。
小飼:いや、だからそれは、金融庁に言ってやってよ。それ。
山路:扱う事業者のどういうことをしなきゃいけないっていうことの条件がということですよね。
小飼:そうそう。
山路:それこそ言ってしまえば、扱う事業者の資産規模がこれくらいなかったりとか。
小飼:はっきり言って銀行作れるじゃん、っていって銀行作れるんであれば、もう日本円で直にやらせようよっていうのも言えなくなくもないけれども。でもそれやったら今度はあれですよ、出資法とかそういうものまでいじらなければいけないので。
山路:結局、国がそこのところをどうするかにかかってた……。
小飼:国というだけではなくって、日本の人ってわりとそういう新しいものを好きである一方、その新しいものでヤケドをした場合に、国は何をしているんだっていうのが強い国でもあるので。
山路:儲けた時は自分のものなんですけど、負けた時は損失補填を要求するみたいな。
小飼:そうなんだよね。だから丁度いい頃合いを、まさに合意形成問題。
山路:ブロックチェーンの合意形成とは違った、もっと広い意味での合意形成。
小飼:うん、広い意味での合意形成ですね。
山路:そこのところっていうのは、でもそれぞれの人が痛い思いをして、いろんなところでコミュニティなり国とかの規模で、いろいろ痛い思いをしていくしかないのかなと思いますけどね。あともう1つ、
デジタルオリンピックにはどんな種目が欲しい? もし真面目にデジタルオリンピック、eスポーツとかVRとかをやるんだったら、どんな種目とか手法があればわくわくしますか?
山路:ちょうどオリンピック、来年にやるオリンピックが、なんかあの……。
小飼:来年にやるって、来年やると思ってるの?
山路:7月25日開催という発表がありましたよね。
小飼:それ、そのまま行くと思う?
山路:アハハ、私はやってくれると、チケットが無駄にならずにちょっと嬉しいかなっていうのはあるんですけど。大甘ですか? デジタルの前に来年の話、しておきましょうか。
小飼:うーん、凄いな、何処の世界戦略。凄い綺麗なお花がいっぱい咲いているような気がするよね。
山路:酷い(笑)。これなんか中止になったら、けっこう当たった奴が……。
「甘いと思うな」(コメント)
山路:アハハ、みんな厳しいな。これちなみにダメだなと思うのは、それはコロナがまだ終息してないみたいな話? ですか。
小飼:それが1番大きいですね。何度も繰り返すけども、これ日本だけがリカバーしてもどうしようもないの。
山路:うん、まあワクチンが出来るのが最短で1年後みたいな。
小飼:そもそも出来るかどうかというのも、怪しいんだよね。
山路:今まで風邪のウイルス、風邪のワクチンって、普通の風邪のワクチンってないですもんね。
小飼:いや、だから技術的に難しかったのか、作ったところで商品として成り立たないかというのは、どっちの理由で作られなかったのかというのは、ちょっと僕もわかんないんだけれども。
「リアルオリンピック競技場が押さえられん」(コメント)
小飼:いやリアルでないオリンピックのほうね、eスポーツとして、何が含まれるといいかか、うん。
山路:アハハ、いやこれなんか、リアルなオリンピックがもしも中止になったりしたら、次こそ延期はないだろうから……。
小飼:こういうのも何だけれども、それを作るところ自体をオリンピックにしちゃってもいいんじゃないかな。
山路:リアルなオリンピックがなくなったら、本当にこういうデジタルオリンピックっていうのを、真面目に代わりのイベントとしてやらなかきゃいけなくなるというのは。
小飼:なんでやらなきゃいけないの?
山路:いや、なんか経済効果的な祭りをやらないと収まらんみたいなんがあるかもしれないじゃないですか。
小飼:ああ。
山路:なんかやるって言ってたのをやらないとなったら、また来年また盛り下がるわけじゃないですか。なんか代わりの何かイベント的なものを、せめてデジタルな形でもやろうという機運は、もしかしたら高まるかもしれないですよね。本当の意味でデジタルオリンピック、なんか人が求めるかもしれないかもしれないですよね、もしかしたら。
小飼:うーん。
山路:何やったら嬉しいかな、eスポーツはもうありますもんね。『フォートナイト』のそういうマッチとかもあったりするし、そういう『Warcraft』とか、あとはなんだろうな、それこそ任天堂スイッチのあのイカのゲーム、ええと……。
小飼:『スプラトゥーン』。
山路:ああ『スプラトゥーン』、そうそう。そういうeスポーツだけじゃなくて、何が、デジタルオリンピックであればいいのかな。
小飼:いやでも、こういうのもなんだけども、せっかくIOCフリーの世界が広がってるのに、このまだ汚れてない、そういう穢れが入ってないところまであれ、IOCに口出しされるようにしたいという。
山路:まぁオリンピックという名前を使わなかったら、いろいろできるのでは。
小飼:まずはあれだよね、IOCを倒すところまでが、うん。
山路:まずは第一章なんですかね、デジタルオリンピックに向けての。IOCを解体するゲームみたいなものを。
小飼:そうそう。
山路:それをプロジェクトとして進めるというのが、このデジタルプレオリンピックの第一歩なんではないかみたいな結論という、とりあえず苦し紛れの回答が。
小飼:苦し紛れというのか、こう言うのも何だけれども、やっぱりいかにアナログというのか、リアルな会場を要求するオリンピックの制約に縛られないようにするかというのが、肝だと思うんですよね。そのうちの1つというのは、種目の数に制限をかける必要がないわけじゃないですか。
山路:ああ、ある意味、やりたいと思う人が、もうそれぞれの種目を立ち上げちゃうみたいな。
小飼:そうそう。そうするとどれを見る? という時に大変なことになるかもしれない。
山路:なんかそれってもう、オリンピックというお祭りというよりは、今の市場と同じですよね。ゲーム市場と同じ、ゲーム業界と同じみたいな話になりますよね。これなんか質問の中にもVRのことが書いてありますけども、『カイジ』の鉄骨渡りみたいな種目あったら、見たいですよね、やっぱり。
小飼:逆にレトロなものだってね、含められるわけですよね。『PONG(ポン)』とか。
山路:『PONG』かあ(笑)。なるほどな。
小飼:『テトリス』とか『ぷよぷよ』とか。
山路:ああ、なるほどね。なるほどね。あとはなんかなあ、これは今の技術で出来るかどうかわかんないけど、本来自分にない感覚を使った、なんか第3の手の感覚を使ったようななんかそういうゲームとかね。
小飼:あと何だったっけ?何だったっけ? 普通の鹿が街で大暴れするゲームとか。
山路:あったなあ(笑)。それのもっと大規模なやつをやるっていう感じのやつね。うーん、いやデジタルオリンピック、こういうのをたぶんみんなで考えて種目を作っていくっていうのが、なんか恐らく、お仕着せの話じゃなくて、なんか皆でこういうゲームがあったら、
いいんじゃねえのみたいなところから作っていくのが、やっぱりデジタルオリンピックになるのかなという気はしますね。
小飼:だからじつは、メタ回答としては、種目数を吟味する必要から解放されてしまうのではないかと。デジタルの場合というのは。
山路:それをいろんなゲームがある中で、その人らが一斉にこの日にじゃあちょっと競技会みたいな体裁にしてみようかみたいな。
小飼:そうそう、それで馬っ鹿でかい競技場を作って、オリンピックが過ぎたら誰も使わずに、というのが避けられるわけじゃないですか。ただ、ネットを前提としたソシャゲとかっていうのは、じつはサービスが止まってしまうと、ゲームデータごと失われるという。
だから、今まで集めてきたアイテムとかもなくなってしまうという、リアルだったらありえないような喪失というのも、ありますよね。
「コミケみたいなノリでやれたらいいね」(コメント)
小飼:うんうん、そうなんだよね。
PEZY事件と「選択と集中」問題、森友疑惑
山路:そういうことかもしれない。コミケよりも、さらにインタラクティブな双方向性の強いイベント、競技というよりはそういうものなのかもしれないですよね。うーん。じゃあちょっとその、先にPEZYの話やりましょうか。ええとPEZY、PEZY。あのPEZYというのは独自の。
小飼:スーパーコンピューターね。
山路:独自の、その設計したCPU使ったコンピューターで、エネルギー効率の分野でのスパコンでのランキングでは、かなり上位を独占してましたよね、暫くの間。
小飼:はいはい。
山路:ただそこの社長さんが、文科省の助成金というのを本来の目的ではない形で使って、それで詐欺に問われて捕まっちゃったという。その判決が出て、助成金詐欺で懲役5年という判決が。
小飼:執行猶予がつかない。
山路:これってもちろん色んな要素があるから、この記事だけで完全に語れるわけでは当然ないんですが。
小飼:そもそも助成金ガンガン削ってった中で、まあ本当か嘘かわからないけれども、わりと現政権と仲が良かったと。全体としては、パイがどんどん小さくなっていく中で、選択と集中のまさに対象になってたわけですよね。
山路:有望株だと見られてた。
小飼:有望株というのか、そもそも選択と集中というのは、もう自然科学の発展というのが全くわかってないという声も大きい中で、それでも日本では科学分野でも選択と集中というのが、もうずっとマントラとして唱えられてたわけですよね。選択され集中的にお金を投じられていたプロジェクトでもあるわけですよね。
山路:実際に結果も出してたわけじゃないですか。
小飼:そうこれは結果も出してたの。だから、こういうのも何ですけども、選択と集中がわりと上手くいってたところなんですよ。