「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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 今回は、2020年04月14日(火)配信その1をお届けします。

 次回は、2020年5月26日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

2020/04/14配信のハイライト(その1)

  • 「自粛はなにを守るため?」とアメリカの医療保険
  • スカイツリーとナノ秒の関係、ABC理論の「応用できない数学の理論はない」
  • 「大分空港+ロケット」と「空母+ウイルス」

「自粛はなにを守るため?」とアメリカの医療保険

山路:世間、コロナ騒がしいですけど、弾さん、なんか変わりありました?

小飼:そうですね、まあ相変わらずマスクは売ってないですかくらいですかね。

山路:2人ともマスクもしてないし、なんか本当に普通通りなんですけど、私もぜんぜん……。

小飼:いや、でもね、マスク逆に怖いなと思ったのは、今、僕の観測範囲で1番怖いのは、スーパーマーケットですからね。スーパーです。

山路:ほう、スーパー怖い。

小飼:うん、スーパーの買い物の列にいる人たちというのは、皆さんマスクしているんですけども、むしろマスクをしている人のほうが距離を保たない。マスクをしていることで、安心してしまう。どっちかというと大事なのは、あれですからね。

山路:距離をとる。

小飼:離れていることですからね。

山路:ソーシャルディスタンスって、もう完全に今年の流行語になりそうな感じですよね。

小飼:でも実際には4メートルくらい飛ぶこともあるって言ってます。でもそれを言ったら、じゃあ更にね、サバを読んで、10メートルくらい離れてたら、そう10メートルくらい離れている全裸のほうが、防護服を来た隣に座っている人よりは確実に安全ですよね。

山路:全裸男、出ましたよね。そういえば、全裸男、わざわざこのリンクまでメモしてしまったんですが。

小飼:そうそう。ちゃんと白マスクをしているという。でも、マスクよりも距離のほうが遥かに大事ですからね。それは強調しておきますね。

山路:生活、なんか変わりました?仕事とか、生活。弾さんもともと、基本自宅ですもんね。

小飼:そうなんですよ。そうなんですけど、けっこういろいろなものが伸びていて、だからそうですね、仕事という意味では今日の放送も含め、あんまり変わってないんですけども、娘たちがエラい変わったなと。

山路:ああオンライン授業を受けてる。あれ? 4月14日。

小飼:そもそも大学の開講が、ゴールデンウィーク明けになったりとかね、長女の場合ね。次女が留学すると言ったじゃないですか、やっぱり止まってて、だから早くても8月以降というふうになってて。

山路:へえ。

小飼:なのになぜかアルバイトは始めているという。

山路:ハハハ。

小飼:このご時世だけど、仕事あるんだねえと、そりゃ良かったねえと。

山路:これなんかしかし、日本でもこんだけ休校やって、その開校とかどんどんズレていってるじゃないですか。これってもう9月一斉開校とか、あるいは1年ズラすとかする羽目にならないのかと思ったりするんだけど。

小飼:そうせざるを得ないんじゃないかね。

山路:でもなんか最近飲食店なんかも、テイクアウトが増えて、私なんかむしろ昼飯のバリエーションとかちょっと増えましたけどね。

小飼:ああなるほどね。

山路:近所の店がテイクアウト、いっぱいやるようになったんで。じゃあまあちょっと今回、コロナの話題がどうしても、やっぱりメインになるんですけども。

小飼:というのか本当に、こういうのも何ですけれども、人の肺に感染する力よりも、ニュースにくっつくという意味での感染力のほうが凄いですね。まるで関係のないニュースっていうの、本当に苦労して探さないと。

山路:これすらも、このニュースすらも、関係があるという、このパンダのニュース。

小飼:めでたいですよね、これ。というのか僕、別にパンダの大ファンとか、そういうわけではないですけども、やっぱりあれか、皆にジロジロ見られてると、うん、やることもやりにくくなるというのは、そりゃそうだよなと、ごめんなさい。

山路:アハハ

小飼:という感じなんだけども、じゃあそもそもなんで人払いが出来たかっていったら、ねえ、もうコロナのお陰なので、もうバッチシ関係があるわけですよね。

山路:しかし、コロナのお陰で出生率も影響があったりするんですかね。

小飼:人間の場合、どうなんだろうねという。全裸の人が徘徊するというのもあったけども、ねえ、もうステイホームで出生率あがるのだろうか。と言うと、何呑気なこと言ってやがると、言われるでしょうね。だって医療崩壊したら、出産とか、リスクがパーンと跳ね上がるわけよ。

「ニコニコ広告しました」(コメント)

山路:ありがとうございます。

「コロナ離婚増えるよ」(コメント)

山路:って、いや確かにDV増えてるってニュース見ますもんね。

小飼:大事なことなんだけども、イマイチ理解されてないので、繰り返しますと。何で、皆、家に籠もってろ、仕事するな! っていうふうに言ってまで、我々が守りたいものっていうのは何かっていうのは、これものすごい重要なことなので、繰り返しておきます。我々は何を守ろうとしているんでしょう? 家に籠もってまで。

山路:人の生命?

小飼:もう少し。うん、何を守ろうとしてるんでしょうか?皆さんも、パッと答えられますか? パッと答えられない人が多いことに、衝撃を受けてる。個々の人を守ろうとしているんじゃないですよ。

山路:社会活動?

小飼:いやそんな抽象的なものではなくて、大きいけれども、れっきとした形のあるものです。我々が守ろうとしているのは。お賃金を犠牲にしてまで。ゆくゆくは人の生命を守るため何ですけど、直接的に何を、はいはい、正解出ましたね、医療です、医療システムです。
 そうなんです。普段は医療システムというのは、我々を守るためにあります。でも今度は我々が医療システムを守るために、だからいろいろなものを、家に寝っ転がって犠牲にしているわけです。だから家に寝っ転がってるので、イマイチ緊張感がないかもしれないですけども、どれだけのお賃金を犠牲にしてます?

山路:いやあ凄いっすよね。

小飼:はい、だから結局のところ、そこが理解されてない。何を直接的に守ろうとしているのか。医療システムなのよと。だから普段は、我々を守ってくれているものを、今度は我々が守ろうとしてるの。
 これ凄い重要なことだから。困ったことに、政府すら忘れてるのね、そのことを。そうでなければね、あんな給食マスク配るなんてこと、しないでしょう。
 そこはだから素直に言うでしょう。今、医療システムが必要としているマスクが現場にまわってない。にも関わらずあれなんですよね。

山路:朝からドラッグストアの前に、並んでいる人たちが。

小飼:(ドラッグストアの前)に、並ぶと買えちゃうと。だからそう、じいさまばあさまには買え。

山路:医者には買えない。

小飼:医者には買えない。看護師には買えないと。普通の人はもう気休めの布マスクを作るなりして、勝手にやって下さい。ごめんなさい。ごめんなさいでいいんですよ、そこは。

山路:海外の病院なんかだと本当に、何のマスクもないっていうところもあるらしいですよね。本当に、本当むき出しのまま、患者治療にあたったりとか。

小飼:その一方で、ちゃんと政治が機能すれば、マスク如きはきちっと回せるのだというのが、韓国も台湾も証明してますよね。だから出来るやっているという実例がある以上は、日本のクソマスクはもう言い訳にもならないわけですよ。いやでも流石に、あれはないわ。実際に届いた人が写真、上げ始めてるじゃん。

山路:え? もう届いた人いるの?

小飼:います。届けられるところから届けると。一斉にやるとはいってないじゃないですか。

山路:うんうん、そうかそうか。

小飼:で、写真とか上げてるんですけども、いやこれなら自作するわ、くらいのレベルですよ。だってキーボードの上にあのガーゼのマスク置いてあるでしょう。そのガーゼのあの……。

山路:文字が透けて見える。

小飼:通して文字が透けて見えると。

山路:アハハ、そうなんだ、そこまで薄いんだ。へえ。それをやるのに500億円くらい。

小飼:一体、誰得なんだ? あれは。だからあの、まず何が出来るのか、出来なかったのかというのを淡々とでいいんですよ。マスク6億枚確保するって言ったそうなんですけど、これ出来てるらしいですよ、信じがたいことに。

山路:確保は出来てる?

小飼:確保というのか、要は、2月末の時点で、3月には6億枚マスクを用意しますと、政府は言ったわけですよね。
出来たらしいです。出来たんだけども、そのうちの7割というのは、ドラッグストアに回っちゃって。マスク作るのはいいけれども、現場に届いてないんですよ。

山路:その中のやつが回ってるんだ、ドラッグストアに、そうなんだ。

小飼:そうそう、だからそう言えばいいんです。現場に届いてませんと、ごめんなさい、これから現場に届けます、とドラッグストアに届けませんと。だから皆さんにはマスクは手に入りません。だからマスクが必要な人というのは自作するなり、ねえバンダナを口と鼻に巻くなり、各自工夫して下さい、でいいんですよ。

山路:アメリカとかイギリスもそう言い始めましたもんね。なんか普通にバンダナでもいいみたいなことまで。

小飼:でもマスクが手に入れるようにしますと言った手前、過去の自分に呪われちゃってるんですよね。政府が。まあ具体的には、晋三君が。だからマスクを皆さんの手に届けると言った手前、じゃあ何をしようといったら、マスク(笑)、でも何で2枚なの? もう少し頑張ってさ、あの……。

山路:1人1枚。

小飼:全員1人1枚にいくまで、溜めてからやればいいじゃん。

山路:うん(笑)、本当いろいろ謎なんですよね、やることが。

小飼:メルカリで、ああそうか、メルカリ今バンしちゃったんだ。じゃあマスクでなくてさ、そこにさ、たとえば千円札の折り紙を入れて……。

山路:現金給付すればいい話。

小飼:現金給付じゃなくて、夏目漱石、じゃなかった、ごめんごめん、夏目漱石じゃなくて今、千円札……。

山路:新渡戸稲造じゃなくて、あれ5千円か。

小飼:じゃないじゃない……。

山路:あれ? 千円札って夏目漱石じゃなかったっけ? あれ? 千円札って、あれ? 千円札、夏目漱石ではないですか? あれ? ですよね。

小飼:違う。野口英世。ありがとうございます。

山路:ああ、そうか。野口英世。

小飼:そう、野口英世の絵だと言って、マスクの中にそれを入れて、メルカリで流行ったじゃないですか、そういうやり方で売るというのは。

山路:なんかしかし本当にマスク配るくらいだったら、一緒に現金送れよとつくづく思うんだけどもな。このへんのお金をどうやって配るのかっていうことは、後半のほうでいろいろ詳しく語ろうとは思うんですけども。

「NortonのCDとどっちが効果がありますか?」(コメント)

小飼:うーん、あれだな、NortonのCDはな、そうだね、20年くらい前だったら、本当に効いてたかもしれない。

山路:ノートンアンチウイルスというか、Norton Utility、ああNorton AntiVirusのほうか。

小飼: そうそう、CDマスクを作った人がいるじゃないですか。

「野口英世ってまた皮肉効いてる」(コメント)

山路:ああ確かにね、感染症で亡くなったわけですもんね、結局。

小飼:そう、だから結局ウイルスというものを知らずに死んだわけですよ。今、野口英世って医学的な業績というのは、もうゼロになっちゃったんです。

山路:結局、見当外れな研究をやってたみたいな評価になってますよね。

小飼:そういうことです。はい。

「ウイルスバスターなら、逆に感染しそう」(コメント)

小飼:本当に。

山路:確かにトラブル多かったですもんね、最近。

「次は森鴎外で」(コメント)

山路:森鴎外か、森鴎外というのもまた皮肉効いてるな。紙幣に森鴎外というのも。

小飼:そういえば変えることになってたよね。紙幣の肖像また。

山路:ああ、あれ? 誰になったんだっけ?

小飼:うん、あれだ、1万円札が渋沢栄一になって。

山路:ああ今、なんかもうそれどこじゃなくなって、完全にもう話題にもならなくなってきましたよね。あと女性がいたような。女性がいたような気がしましたけどもね。

小飼:うん樋口一葉が誰になる? ふんふん。調べながらいけるというのは、ああなるほど、津田塾の、はい、津田梅子先生ね。わりと納得感が強いね。

山路:津田塾のね。

小飼:次は、もうバリバリ業績を上げた人たちだね。まぁでも2024年か。いやでもたぶんコロナ、うん、今回のパンデミックが収まるには、これくらいかかるんじゃないかなという。

山路:それでどうなんですかね、今回のって、どれくらい、まだぜんぜん見えないところが多いんですけれども、弾さん的にはあんまり楽観出来ないと思ってます? 収まるまで。

小飼:いや悲観もしてないというのか、前回の放送でも言ったんですけれども、あのねえ、期待している人には申し訳ないですけど、人類滅亡しません。

山路:ニューヨーク程ひどくなることもなさそうな気もするんだけどな。それは楽観しすぎ?

小飼:うーん。

山路:東京、日本に関して言うと。

小飼:そうですね、普通の医療システムが、今のところはまだちゃんと生きてるので、さっきも言ったじゃないですか、これで何を守りたいんだといったら、もう個々の人ではないんだと、医療システムなのだと。だから、まず医療システムが守れるか、守れないかということですよね。じつは守る方法というのは、あるんですよね。1番簡単なのは、感染が見つかったらどんなに酷い症状であろうと、家に帰しちゃうこと。

山路:うんうん、重症だろうがなんだろうが。

小飼:うん、はい。

山路:家で勝手に死ねみたいな。

小飼:でも日本の医療システムの中の人たちというのは、それ出来るかな?

「それでいいと思う」(コメント)

小飼:だからたぶんそれは、受け入れられない。じゃあ仮に政府が、そういう方針にしたとしましょう。偉い人がもう感染者というのは、追い返せと、病院に入れるな、というふうに言ったとしましょう。

山路:現場は出来ないやな。

小飼:うん、絶対に裏切り者が出る。良心に基づいて、治療を試みる医者というのが、出てしまう。

山路:コメントで「日本も崩壊寸前なのでは?」とあるんだけども、医療崩壊の話ですよね、これって。だけどその数値だけで見ると、日本の重傷者って、まだ全国で見てもそんな100人とか200人とかそういうレベルですよね。

小飼:うん、謎なんだよね。

山路:その死者も100、まあそれを1人1人もちろん、亡くなられた方に申し訳ないけど、百数十人なんですよね。その医療崩壊とか言ってるわりには、じつはまだぜんぜん崩壊してないというか、単純にその軽症者も入院させているからベッドが足らないとか、そういうことはあるんだけれども、本当の意味でニューヨークとかロンドンみたいな感じの医療崩壊にはなってないとように思うんですけども。

小飼:ニューヨークが凄いというのか、注目すべきというのか目をそらせたいニュースではあるんだけども、今週の全米の死因No.1になりましたね。

山路:ああいよいよ。

小飼:COVID-19は。

山路:そうか、そうか。

小飼:それだけではなくって、普段であれば、動かせる救急医療とかいうのも埋まっちゃってるんで、それで死ぬ人というのも、ちゃんと出てきた。ちゃんとという言い方もあれだけれども。

山路:なんか今までだったら、助かっている病気の人なんかも死んじゃってるかもしれない。

小飼:うん、仮に世の中の疾病というのが、まぁ今回の新型コロナウイルス肺炎だけだとしましょう。その場合、医療が生きている場合は100人に1人ですむと。医療が死ぬと、100人に5人になるとか、これはコロナウイルスに限った話だから。だから医療が死んでるというのはどういうことかっていうと、他の怪我や病気も死因になっちゃうんですよね。普段だったら余裕で助かるものというのも、助からなくなってしまう。

山路:嫌な話ですけど、新生児の出生率とかに影響を与える可能性もあると、そういうのヤバいですよね。

小飼:あるある、産婦人科が機能しない、しなくなる可能性というのはある。

山路:その辺りが1番ヤバいよなと思いますけどね。

「大統領選に影響ありそう?」(コメント)

小飼:そもそも選挙が出来るのかっていう話にまでなってますよね。

山路:うん、これなんかもしかしたら、そのコロナが流行るタイミングによっては、サンダースとかが支持得てた可能性もありますよね。そんなことないですか?
 サンダースって皆保険制度、言ってたじゃないですか。だからバイデンが圧倒的に有利になる前に、コロナが流行ってて医療崩壊してたら、サンダースが凄い支持を得てた可能性もあるんじゃないか。

小飼:どうなのかな? それはどうなのかな?それはちょっとわかんないな。

「やっぱり米国って医療リソースが少なかったりするのかな?」(コメント)

山路:少ないわけじゃない、と思うんですけども。アメリカの医療リソースって、単純にその金持ちは最高のに入るけれども、皆保険で皆が手に入れられやすい医療リソースが、そういう意味で少ないとは言えるのかもしれないけれども。

小飼:いや、だからリソースは世界一あるんだけど、世界一無駄に使ってるので、まさに今の日本の給付金みたいな状態になってるわけですよね。金出す出すって言ってて、出さないと。アメリカの医療保険会社というのも、いっぱい出し渋りしているわけですよ。出すと言っておいて、実際に治療やって出しませんでした。で、今度はそれで訴訟やるでしょう。だからもの凄いお金の有効率が低いの。