• このエントリーをはてなブックマークに追加
小飼弾の論弾 #192「2020年、世界と日本はどう変わった?」
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

小飼弾の論弾 #192「2020年、世界と日本はどう変わった?」

2021-03-13 07:00

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2020年12月22日(火)配信のテキストをお届けします。

     次回は、2021年03月16日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    新刊『小飼弾の超訳「お金」理論』

    「ブラック労働者」をやめましょう。「お金を増やさねばならない」思い込みを捨てましょう。働いたら負け。もう労働には価値はない。理想は、誰でも自由に生きて食べていける世の中。なのに、いつまでも「お金」に振り回されるのはなぜか―――。
    『小飼弾の超訳「お金」理論』では、世界を動かしているお金の仕組みと、お金との付き合い方をやさしく解き明かします。

    2020/12/22配信のハイライト

    • M1 Mac上のParallelsレビュー
    • 「男のブラウザ」Smooz事件と個人情報の扱いの怖さ
    • 「泥をかぶらない」竹中平蔵と「なぜ日本の30年は失われたか」
    • 書籍紹介:『手に職図鑑』と『小飼弾の超訳「お金」理論』
    • 2020年を振り返る(前半)ゴーン逃亡からコロナ、リニア、香港
    • 2020年を振り返る(後半)Tesla株価からクルードラゴン、パソナ、NTT口座事件

    M1 Mac上のParallelsレビュー

    山路:今年の配信の最後ということで、よろしくお願いします。

    小飼:ちゃんと配信されてますよね、もう映ってるよって出てますから、なぜそんなことを言うかと言いますと、年末配信に、前々回前回と2連チャンでしくじってしまいまして

    山路:前々回がネットの環境でしたっけ

    小飼:前々回が、ここのネットがちょっとダメになって。

    山路:マンションのフロア全部駄目になったんでしたっけ。

    小飼:やらしいのが、フロア全部であってマンション全体ではなかったので、それで確認が遅れたという。まあおかげというわけではないですけども、もう今は本当にギガなので。ジガビットでもう外まで行けるので。

    山路:ソファーと同化してる(笑)

    小飼:なんだけども、前回が僕がインフルエンザに罹患したんですよ、見事に。あんなにはっきりとわかるっていうのはむしろ清々しかったですね。

    山路:今年、でもコロナかかんなくて良かったですよね、お互い

    小飼:なんかその副作用として今年インフルエンザがとてもとてもよく抑えられてるみたいです。

    山路:例年の0.07%とかでしたっけ。あれは結局、みんな手洗いしてマスクしたらインフルエンザ撲滅に近い状態までもっていけるという、すごい一年ではありましたよね。

    小飼:でもそういう状況でも、日本でも感染を防げてないわけじゃないですか。感染力と言うと、新型コロナが、SARS-CoV-2のほうが強いというのはもうはっきり証拠で現れましたね。インフルエンザが青色吐息になるような検疫態勢をとってもなお流行ってしまうという。

    山路:いやー2020年って、全てあらゆるニュースがコロナに関係してましたもんね。

    小飼:やっぱここまですごいパンデミックていうのは、もう本当にインフルエンザっていう言葉が生まれるきっかけになった前世紀、20世紀初頭の191いくつだ、第一次世界大戦の途中辺りからでしたね。17から19だったっけな、まあそんなもんですかね。だから本当にほぼ100年離れてるわけですよね。
     Pandemic of the centuryだったわけです。だから21世紀は今回1回で済ましてくれって、思いますね(笑)。

    山路:そのことの振り返りもまぁ後半の方でやりますかね。前半は普通に時事ニュースなんかをやっていこうかなと思うんですけど。とりあえず私もMacBook、M1 MacBook Airに変えてみました。

    小飼:あれ? なんか増えてない?

    山路:私のMacBook Airとなぜか同じ色に(笑)。べつに揃えたわけじゃないんですけど、今まで使っていたマシンと違う色にしようと(笑)。

    小飼:Command+C押して、Command+Vとか押してない? (笑)。幸いにしてキーボードが違うんだよね、ここはUS配列で

    山路:私のは日本語配列で。

    小飼:放送やって、放送そのまま映してるとなんか合わせ鏡になってるけど。

    山路:これ本当に買って良かった。

    小飼:でしょう? (笑)

    山路:弾さんが大げさに言ってんのかなと思ったけれども。

    小飼:いやだから最初に嘘つき呼ばわりされかねないので、僕も嘘だろうと思ってとりあえずMac miniを散歩のついでに買って、テレビにつけたら、証言が本当だったという確信を得られたので。で、自分用のと、事業用のを買ったというね。

    山路:よくベンチマークなんかでもすごいは消費電力が当たりの性能がすごいとか色々出てるんですけど、まず使ってみて確実に違うのが分かるんですよね。

    小飼:これ冬ダメだね。

    山路:冷たいままだから(笑)。全然温かくならない。

    小飼:ダメじゃん、せっかく10円玉とか用意しても乗っける機会が(笑)、それはあるね。前のやつだったら、こう乗っけておけば十二分に温かかったんだけどね。

    山路:今までもたもたしてたアプリとかがすごいサクサク、ぬるぬる動くんですよね。WordとかExcelなんかもこんなにサクサク動くマシンってちょっとWindowsでもないんじゃないのかなぁ。

    小飼:で、バッテリーがぜんぜん減らないんだよね。まだ100だ。だいたい1時間前ぐらいからこれACアダプター外してるんだけど、まだ100のままで、ダメじゃん。

    山路:これを出されたら、他のパソコンメーカー確かにどうすんじゃい、とは思いますね。

    「うちではIntel Macが今日も空気は温めてる」(コメント)

    山路:(笑)。Microsoftが自社でArm系のCPUを開発して、データセンターとかそんなとこで使おうとしてると言うニュースもありましたが。

    小飼:そう、じつはそうなんですよ。別にArmってスマートフォンとかだけで使わなきゃいけないなんて言うルールはぜんぜんないんですよね。本当に汎用のCPUとして使える。で、今はそういうハイパフォーマンスの分野でも一番気にしなければいけないのは消費電力なので。

    山路:しかもMicrosoftの今のメインのビジネスって、データセンターと言うかクラウドサービスだったりするから、それを自分とこのArmとかで押さえてパフォーマンスも出せて電力も減らせるんだったら、相当利益率も上がるということになるんじゃないか。

    小飼:Arm版Desktop OSというのはじつはWindowsの方が先行してたんですよね。これは逆にIntel版はAndroidがちょろっと出てすぐ消えちゃったからね。
     Atomとか用にちょろっと出たんだけど、やっぱ長続きしないで。でもそれは置いといても、でもデスクトップはずっとIntelのヘゲモニーが続いてたわけじゃないですか。だけど、Surfaceのほうが先に出す。Surface RTもArmアーキテクチャだったし、今Surface Pro Xという──Xでいいんだよね、テンとは読ませないよね──なんだけども、ちょっと冴えないというのか、AMD64のバイナリが動かなかったという。

    山路:それが動くように?

    小飼:じつはそれっていちおう、仮想マシンイメージをまるっと配ってて、M1で動く動かないって皆さん大騒ぎしてるの、それでやってるんですよ。基本Surface Pro用なんですけど。で、じつは動いてます、ここに、ほら。

    山路:前回はQEMUっていうソフトで動かせると

    小飼:QEMUっていう、オープンソースの一番基本的に、とりあえず動くレベルなんですけれども。これ、とりあえず動くレベルというのではなくてですね。

    山路:おっ。早いよな、それでも。

    小飼:これ、昔からParallelsの名物だったんですけど、WindowsアプリがいかにもMacアプリのように動くと。ほら、ここにMS Edgeが。これをやるということね。いったんこうして。これ一瞬で切り替わるんですよね。おっ。Welcome……

    山路:いってんのかな。

    小飼:いってますね。

    山路:あ、いったいった。

    スタッフ:映していいですか?

    小飼:じゃ、映してください。

    スタッフ:こんな絵ですね。

    小飼:あっ、Parallelsクラッシュした! やった! やったとか言っちゃったよ。

    山路:まだベータ版ですもんね。

    小飼:とりあえずOKを押しても、それでももう一度。クラッシュしたよ。初めて見たよ。

    「山路さんの服装、若干トナカイ」(コメント)

    山路:いやトナカイではないですね(笑)、ふつうに蝶ネクタイをしただけで、トナカイは特に意識しないですね、すいません。

    小飼:復活したー。復活しましたよ、はい。ちゃんとクラッシュしたので

    山路:レポートくれと

    小飼:送ってあげました。

    山路:でも本当に正式にちゃんとWindows、Arm版Windows売ってほしいよなあ。

    小飼:ちゃんと、こういうような証拠をとっておくことにしているのです。

    山路:あとでレポートを

    小飼:で、今スクショを撮ってデスクトップにあるでしょう、これ。で、これParallelsのWindowsの方を見てみますと、ほらこっちにもほら、スクショが来ちゃうんですよ。この通り。だからデスクトップがつながってるんですね、これ。けっこうParallelsのインテグレーションのレベルというのが、むちゃくちゃ高くって。

    山路:これ逆に、ある程度パソコンのこと分かってないと混乱しちゃうかもしれないですよね。自分が何使ってんのかわかんなくなるぐらい。

    小飼:なので、仮想マシンで使うというのは別にM1 Macとかそういうのを除いても、2台使うよりもよっぽど楽だったんですよね、もう伝統的に。特にParallelsユーザーとかは。こんな感じで。あとあれだ、まだサウンドデバイスが実装されてないんだ。これでYouTube見ようとしたら、音が出てこないって気がついた(笑)。

    山路:I/Oが貧弱ってのは、これはM1 Macのそういうハードディスクだかのデータ転送の話ですとね? Thunderbolt3とかだったら大丈夫みたいな、そんなようないろいろ話が、検証が出てたような。この辺りはちょっと私もよく検証はしてないですね。

    小飼:僕もテストできる適当なデバイスがないというのが。

    山路:なんか外付けハードディスクのインターフェイスによってずいぶん速さが違うっていうようなことは誰かが言ってましたね。

    小飼:Thunderboltだと速いけれど、USBだと出るはずの速度の半分しか出とらんやんけっていうのが

    山路:ディスプレイ2枚映せないと言うのか、いちおう、なんだっけ

    小飼:OSの方で束縛かけちゃってるだけで、実際は6つ繋げた猛者がいるみたいだけどね。

    山路:ああ、そうなんだ(笑)。まあそういうことで本当に、私もM1 Mac、ついに買っちゃいましたけれども、相当いいですよと。

    小飼:しかもね、困った、困ったじゃなくていいことなんだけれども、安いんだよね。

    山路:困るこっちゃないな(笑)

    小飼:「金持ちめ」(コメント)って言ってるけれども、フルスペックのMac miniって倍しますからね、これの。

    山路:MacBook Airは、10万円からありますもんね。Mac miniの方とかは10万円切ってたんじゃなかったっけ。税抜きだと。

    小飼:そうですね、一番安いやつだと。いや僕のやつがSSDが512で、税込だと10万ちょっと超えるんだけど、ポイントとかついたので10万切ってますね、支払い。

    山路:そうそう、SSDちょっと高いですよね。私もなんかこれ2TBのやつにしたから。

    小飼:そうなんですよ。なんでそんなにいるのって感じなんですけどね。

    山路:弾さんに言われると(笑)。まぁとりあえずそんな感じで、M1いいですよという話で。

    小飼:今年のTechのニュースの中ではやっぱり一番いいニュースでしたね。

    山路:しかも外見とかは変わってねえってところがまたすごいよなという。

    小飼:すごいよなというよりも、どうなんでしょうね。でもIntelになった時というのはやっぱり最初に出たやつっていうのは、もうIntelになる前はPowerBookって呼んでたじゃないですか。PowerBookがMacBookになって、なったんだけど、名前とCPUが変わっただけじゃないかって言ったら、ポリカーボネートのやつが出て、それで本格的に売れ出したんですよね。傑作でしたよね。

    山路:なんかでこうパッケージ、箱とかにもM1とか一言も書いてないですよね。どう見ても違いがわからないぐらいの風にして、新しい製品を売るという。

    小飼:そうなんです。システムレポートとか見ても、model identitifierって言うのがあるんですけど、要はモデルの識別子ですね。MacBook Air 10,1って書いてありますね。要するに続きなわけです。

    山路:相当この筐体デザインに自信持ってるっていうのもあるんだろうけどなぁ。

    小飼:特にAirはね、本当に完成度高いので。これ以上どこをいじればいいんだという。MacBook Proの方が途上感はありますよね。これから変わっていくんじゃないのかみたいな。

    山路:Touch Bar使えるのか使えないのかみたいな、本当に普及させるのかどうなんかみたいな。じゃあちょっとApple繋がりでもあるんですけれど、このまたAppleを巡るバトルが始まったと。

    小飼:あ、それはあるね。

    「男のブラウザ」Smooz事件と個人情報の扱いの怖さ

    山路:これ、今度はFacebookとAppleがガチンコ勝負を。ガチンコ勝負っていうか、まぁFacebookが新聞に全面広告を出して、Appleがそういうプライバシーの事を強化することで中小企業がダメージ受けるけど、どうしてくれんだと意見広告を、全部広告を出したということなんですが。これちょっと、言っちゃなんだけど、Facebook、分が悪いと言うか。中小企業のこと、今まで一度でも言ったことあるんかい君らはと(笑)。

    小飼:ねえ。それどころか、ベンチャーをこっそりあっさり潰してるのはどこのどいつだよという。InstagramだってWhatsAppだってねえ、Oculusだって元は別会社だったんだけど(笑)。

    山路:けっこう口うるさい、あの電子フロンティア財団、EFF、Facebookの広告についてlaughable、何かお笑い(笑)

    小飼:「草」って言ってました、あれはもう草と訳すのが正しい。

    山路:これはしかしどうです、改めてそういうAppleの施策みたいなものっていうのはやりすぎなのだろうか、そうではなくてそっちに向かうべきやり方なのだろうか。Appleがやったのはそういう広告のトラッキング広告などに使われるトラッキングデータを明け渡すかどうかってことを、ユーザーの手に委ねるって事ですよね。承諾していいか、ダメかっていうことをユーザーに選ばせるって事をやろうと。

    小飼:やっぱりAppleの立場上有利というのは、建て前をそのままを推し進めるだけでいいんですよね。

    山路:いい子ちゃんのまま。

    小飼:そうそうそう。利益相反がない。Appleのほうには。

    山路:個人情報抜かないで、端末売ればいいだけだし。本当に今、個人情報が今年やっぱりすごいホットだなと思うのは、これ以外にも毎日のように新聞で個人情報に関する記事が出てて、

    小飼:最近すごいのが出たね。

    山路:あれですか、もう漢のブラウザ。

    小飼:漢のブラウザっていうの? (笑)

    山路:ユーザー情報全部抜く(笑)。これ、これはまあとにかく。

    小飼:さすがにもううちの視聴者さん、さすがですね。さすがですというのか、でも僕もTwitterで大騒ぎになるまでは

    山路:名前すら知らなかった

    小飼:存在すら知らなかったけども。

    山路:名前を知ったときにはもうないっていう、ストアに(笑)

    小飼:いや、でもさすがにこのレベルで、なんで通ると思ったんだろうな。

    山路:これって今、アプリが個人情報いろいろ送ってるとか売ってないんでは話題になってますけど、このSmoozってブラウザがやってたのはユーザーが見ているウェブサイトの、テキストデータと言えばいいのかな、

    小飼:あのですね、自分が見ているWebページのブックマークを無断で送りつけるだけでも駄目です。もちろん無断ではなくて、許可を取ってっていうのは、それは有用なアプリケーションがあって、たとえばタブシェアリングとかって言うのはまさにそれをやってるわけですよね。だからMacでどうしてとか、MacとiPhoneでとか、iPhoneとiPadで

    山路:Chromeとかにも機能ありますね。

    小飼:Chromeとかにもあるけど、あれはまず最初にiCloudなりGoogleアカウントなりにサインインするという、明示的なプロセスがあるわけですよね。

    山路:これすごいっすよね、Smooz。

    小飼:それだけでもすごいんだけども、Smoozは単にそれを無断で収集してただけではなくて、URLというポインターではなくって、要はコンテントですね。そう、そのWebページ自体も単純にBase64で送りやすい形式だけして送ったと、要は中身も送ってたと。今見てた中身も送ってたと。

    山路:しかもなんか有料のサイトとかのログインして入るようなサイトの内容とかも全部送ってたっていう

    小飼:そうそうそう。たとえばWebブラウザでGmail開いてたら、その内容がまるっと送られるって事ですね、これ。

    山路:怖すぎるよなぁ。しかもこれ、懸賞サイトから 火がついてと言うか、それで話題になったと思うんですけど、その人が調べたのも別に暗号化とかぜんぜんされてないわけで、ただBASE64でサイトの内容を送っただけ、なんでそこでちょっと暗号化かけるなりして隠そうとかの努力をしなかったのかなってのも不思議なんですけど。

    小飼:謎というのか、そもそも丸っと送ろうっていうのはすごいよね。URL黙って収集するだけでもけっこうすごいんだけれども。

    山路:広告業界がCookie使えないからどうしようみたいなことを言ってんのがかわいく思えるレベル(笑)

    小飼:これ本当に、これを超えるレベルというのはもう黙って画面共有するぐらいしかないというレベルだもんね。

    山路:ただ思ったんですけど、AppleってApp Store、けっこうリジェクトしたりとかするじゃないですか、仕様に反してるものとかは。それではこういうものは見つけられないものなんですか。

    小飼:見つけにくいですね。仮に見つけられるとしたら、同じようにアプリの送受するデータというのも盗聴しなければいけない。それはさすがにAppleも審査段階ではそこまではできない。

    山路:Appleがテスト用のサイトを用意してテストをするみたいなことではダメなんですか?

    小飼:それでもやっぱりテストの過程でアプリのやってることを盗聴することになるじゃん。

    山路:なるほど。じゃ、結局やっぱこういうものに対して完全に性悪説で最初からガチガチにテストするっては無理な話で、悪いのが見つかった時にとりあえずシャットアウトすると言うか、それをbanするみたいな方策しかないと言うか。なるほどね。

    小飼:そもそもそこまでのテストができるのであれば、世の中にこんなに脆弱性ないですって。すべての可能性を思いつけるほど、人もコンピューターも賢くないです。これは覚えといてほしい。

    山路:いやいやいや、しかしほんとこのSmoozとかブラウザの会社、アスツールでしたっけ

    小飼:知らない、そこまでは知らない

    山路:その会社、これどうなんだ、これって許されるか、このままビジネス続けられるもんなんかいと(笑)

    小飼:こういうのこそ京都府警なり神奈川県警なりが摘発してほしいですよね。

    山路:ブラウザクラッシャーだっけ、なんだっけ

    小飼:これ、本当にクソモロ刑事犯じゃん。盗聴じゃん。

    山路:下手すると不正アクセス防止法とかなんか、そんな様なやつとか

    小飼:そんな長ったらしいのではなくって、情報通信法とか、もうそういうレベル、もっともっとシンプルに刑法ですね。普通に犯罪です! ピリオド。

    山路:下手すると、サイバー犯罪ですらないという(笑)

    小飼:ただこの手の犯罪というのはほとんど親告罪なので。でも今回のこれはさすがに非親告罪なんじゃないの。どうなんだろう、さすがにちょっと僕も法のプロではないんですよ。でも警察に告発したら、これ受理しなかったら本当に。

    山路:仕事してねえ(笑)

    小飼:実害の証拠もれっきとしてあるわけですから、これ。

    山路:なんか年末になっておもろいニュース飛び込んできましたよね、本当に。

    小飼:いや、おもろくないよ、これでまたさ、変なところ厳しくなってさ。

    山路:Appleとかもいろいろ厳しくどうのこうのしなきゃいけなくて。

    小飼:それかわいそうだね。Sleipnirはなかなかいいというのか、僕もイントラネットとかで使ったりしますね。

    山路:これしかし、ブラウザとか独自ブラウザというか、エンジンはWebKitにせよ、そういうブラウザを謳ったアプリとかの評判が悪くなるんじゃないかって気がするけどな。

    小飼:いや、でも本当にちょっとちょっとびっくりするレベルだよな。

    山路:これ先にちょっと言おうかなと

    小飼:本当に中国人もびっくりなレベルです、これは。

    山路:これは先にちょっとこれを聞こうかなと思ったんだけども、最近Cookieとか使わずにユーザーがパソコンを使う特徴、キーの打ち方だったりとか閲覧するサイトの傾向みたいな、そういうデバイスフィンガープリントっていうのを使ってユーザーの嗜好とかを集めるっていうことも広まってるそうなんですけれども。これって、これに関しては何と言いましょうか、避けようがなくないですか。ユーザートラッキング……

    小飼:避けようがないよね。だって、隠しようがないデータから、この人は誰なのかというの推察してるので。別の、適切な例えかどうかわからないけれども、サーバ側でAkinatorやってるようなものだから。それは止められないよね。

    山路:これってただ、より高度になってもっと色んなところの情報データと紐付けすることが可能になってきたら、さらに精度って上がってくってことはないですか?

    小飼:結局、どの程度情報を見せてしまうか、ですよね。それは1回アクセスしたよりも100回アクセスした方が足跡がいっぱい残るわけですから。だから、同じ人が来たかどうかというのがバレる確率というのは高くはなりますよね。

    山路:これは何というのかな、法律でもたぶん取り締まれるようなもんでもおそらくはないですよね。そうでもないのかな。

    小飼:ない。例えて言うなら、この人は品川ナンバーの白いプリウスで、までは、これは隠しようがないわけじゃん。それも積み重ねていけば、それを運転してたのが誰かとかっていうのはわかっちゃうわけですね。公知の情報だけで。
     じつは軍隊と言うのは、軍隊というよりも国防の世界ではそれずっとやってたんです。CIA職員の仕事で8割というのは、もう公になった情報だけ丹念に集めて、丹念に整理して、今その裏で何が起きているのかというのを推理する作業ですから。

    山路:そうか。そうか。

    小飼:そうなんですよ。普通の諜報、Intelligenceっていうのは、クローク&ダガー(外套と短剣。スパイサスペンスなどのジャンルのこと)とか007の世界ではないんですよ。

    山路:それが民間でもある意味できるようになってきた。

    小飼:そうです。だから、どっちかって言うと、もっとド派手というのか、技術的にディープなスパイごっことかっていうのは、どっちかって言うとCIAよりはNSAの領分だと思いますね。

    山路:これ普通の人ができるのは、まぁネットでは見られることもあり得ると心掛けて行動するしかない。

    小飼:でも普通の人も頑張ればできるんですよ、CIAがやってるような。

    山路:あ、いやつまり、その用心としては。そういう情報をトラッキングされてるかもしれないよと思いながら、用心しながらWebを使うとかそういう事しかない?

    小飼:どこまでバレてもいいかというのは、やっぱり普段から意識する必要はあるでしょうね。いや、でもまさかSmoozみたいなものを入れてて、単にDMMにアクセスしたというのがわかるだけではなくて、たぶんその手のところにアクセスして、URL自身にはコンテントの情報っていうのは大して入ってないと思うんです、実際にアクセスしてみないとね。でも実際にアクセスした状態で女優が誰で、どんな趣向があって、たぶん必ずあると思うんですよ、この作品を見た人はこんな作品も見てみますみたいな

    山路:レコメンド

    小飼:そういうものとかも全部見られてしまうという。

    山路:いやー、個人情報、こええな、ほんとに。

    小飼:でもSmoozみたいなやつ、出して見つからないと思うほうが怖えよ、そっちのほうが怖えよ、わしゃ。

    「泥をかぶらない」竹中平蔵と「なぜ日本の30年は失われたか」

    山路:これ、年末で大きな、というか私が非常に興味ひかれたニュース。パソナの日本創生大学校

    小飼:あははは。いやあ、すごいね。すごいね、カイジと言うからにはやっぱり山梨でやるかと思ったけど、淡路島でしたね(笑)

    山路:あれ、カイジのあれは山梨にあるんでしたっけ?

    小飼:いや甲斐路(かいじ)にひっかけて。

    山路:二重にかかってんのね(笑)

    小飼:パソナサティアン(笑)。

    山路:はいはいはい。これって難しいところもあってですね、

    小飼:いや、あのね、難しいというよりも、日本がちょろい国になっちゃったんですよ。パソナみたいな会社に対してちょろい国になっちゃったわけです。昔はだからダメ出しをしてたこともあるんだけども、今ホイホイOKしちゃうどころか、人足りないから人派遣してくれない? って言っちゃうようになっちゃったんですよね、国とか地方自治体が。

    山路:これ、パソナの日本創生大学校というの、ちょっと言っとくと、まぁ大学院とか大卒だと16万6千円、短大専門卒は16万円

    小飼:藤井大洋先生のやつ(『東京の子』に出てくる「東京デュアル」という施設)というのはオリンピックの跡地ですから、歩いて渡れるわけで、もちろん橋を爆破しちゃうとかっていう風に言ったら陸の孤島になっちゃうんですけど、でもこっちは淡路島だよ。橋二つしかないんだよ、しかも一本の方は四国の方に抜ける橋だから。

    山路:逃げられない(笑)

    小飼:明石海峡大橋しかないわけですよ。逃げられないよ、これ。

    山路:で、高卒は15万6千円って給料が出て、ただし社員寮っていうのが食費月5万4千円、寮費月2万6千円、さらに研修費が月2万8千円を引かれるという

    小飼:要は、

    山路:職業訓練

    小飼:金持ったまま出られないんですよね、何この金山みたいな。だから、すっぽんぽんにならないと島を出れないというね(笑)。

    山路:ただ、じゃあ敢えてここで私が擁護の立場に立って、質問をしてみましょうか。これ、たとえば仕事がないとかそういう風な人たちがとりあえず、そういうスキルを、多少なりとも何かスキルを向上して、とりあえず食いつなぐためのものとして、

    小飼:えーとその前に島から出れるのかな?

    山路:いや生きてれば大丈夫だと思いますけど(笑)、そういう島に隔離されることさえ受け入れたら、とりあえず食い繋げるわけじゃないですか、ちょびっとのお小遣いもらって。

    小飼:でもさ、それを言ったらさ、刑務所に行きたいがためにわざとなんか犯罪起こす人とあんまレベル変わらなくね?

    山路:すごい返しで返ってきたな(笑)。あともう一つ言うならば、どんどん金をもらえる仕事のレベルって上がってるってこと、弾さん常々言ってるじゃないですか。で、そこんところで、いわゆる多くの人が今、即戦力として雇われるような形のスキル、

    小飼:でもそういうスキルの人を派遣する会社だった? パソナって。でも、一つすごい不思議なのは、なんで非正規雇用というのが、今や4割でしたっけ、も占めるに至ったかって言ったら、正規よりも安いと。でもさ、これ非常に不思議だと思いませんか。どういうことかって言うと、単発の普通の切符の方が定期よりも安いっていうことなんです。何であり得るの、そんなことが。

    山路:誰でも単発の切符買いますわな。

    小飼:そうなんです。だから、そんなことしたら誰も定期なんか買わないよね。定期よりも普通の切符の方が安いというのでは。ところが労働ではそういう状況が生じていると。普通、高いでしょ。普通バラで買うと、まとめ買いするよりも高くつくんですよね。非正規の方が高いというのが、これが何で逆になってしまうのでしょうね。

     
    この記事は有料です。記事を購読すると、続きをお読みいただけます。
    ニコニコポイントで購入

    続きを読みたい方は、ニコニコポイントで記事を購入できます。

    入会して購読

    この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。

    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。