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小飼弾の論弾 #206「Windows 11でMicrosoftが目指すものとは?30年不正を続けた三菱電機に見る日本企業の落日」
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小飼弾の論弾 #206「Windows 11でMicrosoftが目指すものとは?30年不正を続けた三菱電機に見る日本企業の落日」

2021-07-13 07:00

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2021年07月06日(火)配信のテキストをお届けします。

     次回は、2021年07月27日(火)20:00の配信です。(20日ではありませんのでご注意ください)

     お楽しみに!

    新刊『小飼弾の超訳「お金」理論』

    「ブラック労働者」をやめましょう。「お金を増やさねばならない」思い込みを捨てましょう。働いたら負け。もう労働には価値はない。理想は、誰でも自由に生きて食べていける世の中。なのに、いつまでも「お金」に振り回されるのはなぜか―――。
    『小飼弾の超訳「お金」理論』では、世界を動かしているお金の仕組みと、お金との付き合い方をやさしく解き明かします。

    2021/07/06配信のハイライト

    • 都議選の感想と、GitHubのCopilot機能
    • 富岳の世界ランキングと「中国共産党はなにがしたいのか」
    • Windows 11の何がすごい?
    • パソコンって何時までパソコンなんだろう
    • 三菱電機のデータ偽装と「嘘はシステムに対する毒」
    • 日本で嘘に甘いのはシステムを見ていないから

    都議選の感想と、GitHubのCopilot機能

    山路:今日の特集はいちおうWindows 11っていうことなんですけれども、まずはこのワクチンとか、あの辺りの話から。弾さん、2回目はもう打ったんでしたっけ

    小飼:2回目、今週の金曜日が2回目ですね。ちゃんとワクチンと届いてるといいんだけどなー。

    山路:え、なんです? 届いてないかもしれないってこと?

    小飼:いや、だって神戸で予約を入れてた人に、自治体の方からキャンセルを入れたっていうニュースが今日出たじゃないですか

    山路:ああ、それちょっと見逃してたかもしれないっす。

    小飼:要は確保できなくて。

    山路:それっていうのは大規模会場かなんかの、そのワクチンってことを何ですかね

    小飼:どうなんでしょうかね。まだクリニックの単位ではしてないと思うんですけども。

    山路:モデルナのワクチンがキャンセルに

    小飼:モデルナでなくて、ファイザーで予約取ってたのを予約をキャンセルあるいは延期

    山路:しかし、その職域接種なんかだとすごい多く目に確保して、炊き出しみたいなこと言ってる会社まで出てきたのに

    小飼:今日、6月までに4000万回分ぐらい来るはずだったらしいんですね。モデルナが。実際はその1/3しかこなくって、で、1/3しかデリバーされないということがもう4末というのかゴールデンウィーク前には分かってたと。というニュースが今日流れたと。
     これさ、自治体の人さ、ほんとキレるよね。

    山路:ひどすぎませんかと

    小飼:ブチ切れるよね、これ。

    山路:これはもう、だれも、これっていうのは河野大臣の責任なんですかね。どうなんだろう。

    小飼:いや、誰の責任と、こういうのもなんだけれども、今、全世界が欲しがってるわけですよね、特にmRNAワクチンはそうですよね。だから、競合になって少し遅れてしまうというのは別にそこは日本だけの問題じゃないです、もっとワクチン確保したいんだけれども、これしか届かないからっていうのはもう全世界で起きているわけです。こう言うのもなんだけども、潤沢にいったというのは本当にもうアメリカとかイギリスとか、作ってるとこだけというのか。
     だから、もう遅れると言うのは、そこ自体は残念だけれども、先に言えと。だから先に言えば、遅れるなら遅れるでやっぱ準備するじゃん。でもさ、来ます、4000万回分きます、だから職域接種のほうも準備してくださいって言ってワーッと皆申し込んだわけじゃん。それがじつは1/3しか来てません、これはキレるわ。これはキレるわ。

    山路:なんでそんなに情報が上手く流通、行き来しないんだろうな。日本のこういう危機対応において。なんでそれを言わないんだろうっていうか、本当にわからない、意味がわからない。

    小飼:それは本当に意味がわかんない。

    山路:私、じつは1回目のワクチン、今週に予約できたんですけれども、それとかもなんか危うかったりもするのかな。

    「都議選の結果待ち」(コメント)

    小飼:いやそういうことありうるだよなあ

    山路:え、本当? そんなこと、都議選でどうにかなること?

    小飼:だから都議選までは要は、うまくいってる、で、わざわざドヤ顔でツイートしてたじゃないですか、日本の接種状況悪くないつって。でも今ヒューンと下がってるじゃないですか。

    山路:すごいありそうな気がしてきた。

    小飼:要するにもう息切れしちゃってるんですよね、どこもかしこも、ワクチンに関しては。自治体とかは苦労して接種会場とかも増やしました、クーポンを配りました、さああとは打つっていう時にパタッと止まっちゃった。

    山路:へええ。本当にあったら、これは何だろう、何と言っていいか分からんほど政治のサボタージュですよね。

    「行くのが早すぎた」(コメント)

    小飼:あれなのよ、打つ能力がないなら打つ能力がないって、それはちゃんと言うべきなのよ。

    山路:漏らす前に手を上げろって話ですよね、ほんとに

    小飼:色んな所が、まあそれでも頑張ったわけです。

    山路:膝から落ちる感じですよね、なんか。

    小飼:これだったら、頑張らせなかったほうがよかったというよりも、確かになんで頑張らせるのかって言われると、理由がありすぎるんだよね。

    山路:オリンピックだったり

    小飼:オリンピックに都議選に、たしかにワクチンちゃんと打ってますというアピールをしたいという誘惑がちゃんとあるんですね。

    Siri:東京オリンピックの最新のメダル獲得数……

    小飼:Siriー!

    山路:なんでメダル獲得の話をはじめるんだ、Siriが(笑)

    小飼:Siriー

    山路:じゃあ、ちょっとオリンピックの話なんですけど、オリンピックのチケットの抽選が、私7種目のチケット当たって、再抽選をさらに待ってたんですけども、本当は今日その再抽選の結果が発表されるのがまた延期されたという。10日まで延期されて、それはもうありがちなことじゃないですか、最近のオリンピックで。
     すごいのが、このオリンピックのチケットって自分が何買ったかって、公式ページじゃないと確認できないんですよ、公式ページにアクセスしないと。で、

    小飼:メールかなんかで来るんじゃない?

    山路:メールには、アクセスのための、ここにアクセスして確認しろと、メールを本文自体には書いてないです、自分が何を買ったか。

    小飼:そうなのか

    山路:最近のAmazonなんかと同じで

    小飼:ああ、Eチケットみたいなものではないのね

    山路:それが再抽選の結果が出るまでは、チケットの確認もできないという仕様に(笑)

    小飼:すごい、シュレーディンガーのチケット、おおー

    山路:7月中に予定入れたい人、どうすんねんみたいな(笑)、相当それでキレてる人もいると思うんですけれど、意味わかんなくないですか?

    小飼:さすがにここまでグダグダだと、もう怒る気にもならないという(笑)

    山路:激怒するかと思ったら、さすがの弾さんも疲れ果ててる(笑)

    小飼:いや、だからさ、なんでさぁ、まるで買ってない僕ですらもこうなんだから、もう買った人たちっていうのは。

    山路:これね、20日までなんかいちおう払い戻しのなんか期間が延びたそうなんですけども、もう嫌になってきましたけどね、さすがの私も。

    小飼:どう考えても、これ客入れるの無理じゃねっていう、というのか、今次の波の真っ最中じゃん、これ第五波でいいのか?

    山路:ああ、何か言われてますよね、デルタ株

    小飼:波がさーって上がってきてるところじゃないですか、ずーっとRt=1を上回ってるし

    山路:もう株だったら買い時ですよね。

    小飼:株だったらそうね、一週間前ぐらいだったかな、底だったのは。買うべきだけども、底は拾えないものだからな

    山路:これ、ちょっとその、コメントにもあった都議選の結果どうだったみたいなことも質問あったんだけど、これ、都議選の結果についてもちょっと簡単に行っときましょうか。どう見ました、今回の

    小飼:ああ、もう少し投票して欲しかったなあっていうのはありますね。

    山路:42パーセントぐらいでしたかね。まあ、でもこんなもんかと言えば、こんな

    小飼:まぁ天気抜群に悪かったしね(笑)、それデカいよ、そういうの、でかいよ。

    山路:はいはいはい。でも相変わらず、選挙すごく使いづらいすよね、選挙の仕組みが。期日前投票だったら、複数ある選挙の、投票所の好きなとこを選べるのに、当日の選挙、投票所選べるのはもう決め打ちだったりとか、なんか非常に使いづらい。

    小飼:都議選の場合は一種の中選挙区制で、区によって違うんだよね。世田谷みたいに何人も受かるところもあれば、僕の住んでる中央区は一人区なので、一人区に4人出てたのかな。いや、だからこれはもう同じ選挙戦でもまるで違うよね。

    山路:あきらめちゃうっていうことになるわけですか

    小飼:いや、あきらめちゃうでなくて、中選挙区制というのか、複数当選する所は羨ましい

    山路:一人だったら、こう圧倒的にたとえば現職が強かったら、もう他の人はいいやみたいな感じなるのかなとか思って。

    小飼:だけれども、中央区は一人区だったんで、まあ

    山路:これでまあなんかその、私、今回の選挙、ぜんぜん興味持てなかったんですけれども、

    小飼:でも、一応あれじゃん、だからオリンピックやるのやらないって言うので

    山路:これはやらない世論のほうが強くなってきたことの反映と見たほうが

    小飼:強いは強いんだけれども、たしか自民党と公明党で過半数取れなかったって言うけどもさ、都民ファーストって自民党小池派じゃないの? その意味では自公ファーストが勝ったという。こう言うのもなんだけど、もうオリンピックはとりあえずやる派が勝ったという見方もできるよね。

    山路:結局、何か国政、なんかよく言われてる小池百合子さん国政に出るんだったら、その自民党内でのパワーバランスで有利に立ったっていうことを表してるだけなのかなとも思い

    小飼:まぁ確かにみんな負けた感はあるよね。第一党だったところが第一党から滑り落ちて、本来第一党であるべきところというのがあんま勝てなくて。で、野党は伸びたは伸びたけれども、でもまだ野党なわけじゃん。もう少し候補立てて欲しかったね。

    山路:野党もなんか伸びたとはいえ、一人二人なんかプラスされたとかそんなようなレベルの結果じゃなかったかな、立憲とか共産党なんか

    小飼:都民ファーストが減ったぶんというのを、ちょうど自民党と分けあったという感じかな。

    山路:公明党と。あ、公明党は変わってないのか。自民ですね、流れたのは。じゃ、ちょっと政治がらみの

    小飼:どうなんでしょうかね、「百合子の仮病が効いた」って言ってるけれども、でもこう言うのもなんだけども、百合子ファースト党も議席を減らしてる以上は勝利宣言は出せないよね。確か、うちの選挙区も都ファ落ちてるし。自民だったかな

    山路:そんな三度の飯より選挙が好きそうな小池さんだったら、本当にやるんだったら最初からやってただろうし

    小飼:一番面白い時期だったはずなのにね、だからその意味では一番、そこはだから本当に過労だと思う。過労だと思うけど、だからずっと倒れててほしいな(笑)

    山路:ひどいこと言ってる(笑)

    小飼:いやでもひどいってさ、ここまで東京にひどいことしといてさ、あれだよね。

    山路:まぁぬくぬくと過ごさせはせんぞという

    小飼:別に、遠くで幸せになっていただければ、もうそれで重畳なんだけどな

    山路:東京には関わってほしくないという。これ政治がらみでちょっともう一つ、最高裁、夫婦同姓が合憲という判断なんですけど、これって

    小飼:夫婦同姓強制ね、これは

    山路:夫婦同姓強制が合憲っていう。

    小飼:合憲というのはどういうことかと言うと、これ最高裁のほうでも、だからこれがいいじゃなくて、最高裁の言い分というのは本来俺たちが決めることでありません、で、これは立法府の方たちが決めてください、立法府の方たちがこれでいいんだと、合法と言ってる以上は我々もそれ追認するだけですというのが多数派意見。四人出た少数派は、それでもなお、夫婦同姓を強制されて不利益を被ってる人たちの不利益というのは、もう

    山路:司法が見逃すべきことではないだろうという

    小飼:そう、憲法に抵触するレベルであるというね。

    山路:これ、不思議なのはそういう風に、言ってみたら、立法に球投げてるわけじゃないですか。

    小飼:それしょっちゅうなんだけどね。

    山路:その立法の不作為っていうものを、結局なんかどうにかする手段っていうのはないわけですよね。

    小飼:選挙。基本的には、それで立法府のメンバーを入れ替えることによって、法も改正されてというのが議会制民主主義の建前。

    山路:だから結局、そこんところでまあ最高裁が球、投げてきたんだったら、それが嫌なんだったら選挙で変えるしかないというのが

    小飼:そう。

    山路:ということで。じゃあ次、ちょっとIT絡みの話。なんかあの、これ、なんかけっこうおかしかったのが、前の話に行っちゃいましたね。GitHubですね。

    小飼:あ、Copilotのこと?

    山路:そうそうそう。失礼、ようやく出た。GitHubのCopilotという機能が装備されて

    小飼:要するに、勝手にコード補完してくれるやつですね。

    山路:すごくないですか、それって

    小飼:凄い笑える事例がいっぱい出てますね。

    山路:コメントを書くと、もうそれに合わせたプログラムを書いてくれる

    小飼:コメントというのか、たとえば、適当な関数名振ると、その関数の実装が出てくるとかね。

    山路:そうなってくると、よく言われるプログラマー要らなくなるのかみたいな

    小飼:いや、まぁ、でもそこで実際にCopilotはどうやってるかって言うと、今までのGitHubに公開されてるコードをいっぱいガメます、それをだからAIが欠けてる画像とか消したところというの補完するがごとく、補完するんですけど、copyrightのところまで適当に入れてるとかね(笑)

    山路:(笑)

    小飼:ま、そうなるわな、確かに。そうなるわなと。根源的にそうなんですよね。

    山路:そのプログラムの内容理解してるわけじゃなくってっていう話ですよね。

    小飼:見た目が似たコードを入れてるだけだというのは、ちょっと明らかではあった

    山路:一応、動くことは動くんですよね。

    小飼:だから、そこが大したものではあるんだけれども。

    山路:これってまだベータ版とかアルファ、ベータ版でしたっけ、ベータ版のレベルだったかな、まだ皆に公開されてるわけじゃないんですよね。

    小飼:基本的に試してみたい人というのは、予約画面、そうそうそう予約申し込みをして、僕も予約待ちですね。

    山路:じゃあそれは是非使ってみた使用感は、

    小飼:はい、来たらもうやります、それは。

    山路:いただきたいですね。あとじゃあちょっとIT絡みでもう一つ。IntelもRISC-Vへという、

    小飼:これ、会社を買って、それ経由で入ると言う。SiFiveだっけ

    山路:これは、意外ってことですか? それが。

    小飼:意外でもないんだけれども、どの程度真に受けるかって言ったら、StrongARMの事例もあるし。要は本気でRISC-Vをやるというよりも、リスクヘッジとしてやってる、あるいはペリフェラルな方に進むのにやっていく。まぁでも次のTSMCの、3ミリって言われてますけれども、なんかもうApple以上のプロビジョニングをしてるというのか。そう、だから、じつはIntel自分のところで全部作るの諦めたんですよ。

    山路:ラインを確保したってことですか、もう。Apple以上に

    小飼:っていうニュースが出てきてますね。

    山路:ほうー。そこのところでRISC-Vなんかはまだそんな生産のレベルでは全然ない訳ですよね、おそらくその普通に今のx86系のCPUを作っていく。

    小飼:というのも、RISC-Vってどっちかって言うと、プロセッシングそのものでは儲からない分野がメインなんですよね。たとえばウエスタンデジタルはストレージのコントローラー用として、いままでArmのを使ってたんだけれども、それをRISC-Vに変えるって言ってたんですけども、で、RISC-Vが採用された製品っていつ出るんだと。
     少なくともRISC-Vにしたおかげでこれだけ低コストになりましたとか、低消費電力になりましたとかっていうのはまだ出してないですね。ウエスタンデジタルやるって、ずーっと何年も前から言ってるんですけれども。

    山路:なんか中国系の企業が時々RISC-Vでなんかみたいな、ちょびちょびっと出てきてはいるレベルですけどね。

    「WindowsユーザーにとってIntelのCPUは今後もベストな選択なのだろうか」(コメント)

    小飼:どうなんでしょうね、少なくともArmで動くというのは。

    山路:これ、後のWindows 11のところでちょっと、ArmとIntelの話とかはやりますかね。

    小飼:まぁこれ、Intel入ってないんですけど、もうWindows 11動いちゃいましたから(笑)、後でお見せします。

    富岳の世界ランキングと「中国共産党はなにがしたいのか」

    山路:あとこれもIT絡みなんですけど、富岳が世界ランキング4か、これはなんかとりあえず素人からするとすごそうなんだけど。

    小飼:意外と凄い、意外と凄いというのが、ランクに載ることそのものというよりも、まず連続して獲ってるっていう事が偉いし、フルスペックになる前から世界ランキングに載ってて、で、今フルスペックになっているんですけども、その後のライバルがまだ追っついてないというのがまた凄いのと。で、まぁ、たいていの計算機には得意なやつと苦手なやつがあるんだけど、わりと色んなタスクに満遍なく強いという。

    山路:これ、今回世界ランキングって、その単純に計算能力がすごいってだけじゃなくって、省電力のとことかでもトップクラスな

    小飼:やってますし、あとあれだ、グラフの問題を解くの、これずっと富岳強かったですね。

    山路:以前ちょっと取り上げたペジーなんかっていうのは、その小電力、グリーン500、500でしたっけ、あのとこでトップの成績を収めてましたよね。なんかしかし、これはArmだったからというわけでもなく、

    小飼:「Armでも」って言うべきなんでしょうかね。だから、まず、日本の最速コンピューターというのは割と独自というのか、他の所があんま扱ってないアーキテクチャが多かったわけですね、地球シミュレーターにしても。

    山路:なんかソフト書くのが大変みたいな。

    小飼:はい。京にしても。でも、京はそれでも、OSはLinuxだし。まあただSPARCは今ではあんまり使われてないというのか、今やほとんどx64に、x86-64ですね、もう少し正確に言うと、にNVIDIAのGPUを積んでという構成だったんですけども、

    山路:なんか超高性能なパソコンみたいな構成ですね

    小飼:超高性能、そうなんです。だから超高性能なM1なんです(笑)。富岳は。

    山路:なるほどね。

    小飼:で、今のところ、他のArmマシンというのはないんだけどでも、これのArmというのはスパコン用のArmなので。で、要は富岳のちっちゃいやつというのも、売り初めて、売れつつあるあるみたいです。そういうところが大きいんじゃないかな。そこの部分っていうの、だから前のやつというのはSPARCだったんですけど、あんま横に広がらなかった。

    山路:もうArmでアーキテクチャも統一されてて、ある意味そのエコシステムのいろんなリソースも利用できて、ユーザーとしても使いやすくてみたいな

    小飼:そうそうそう

    山路:好循環になってるっていう

    「富岳って買える?」(コメント)

    小飼:って言うよりも、富岳の部品を買って、でもそれで富岳を再現しようとすると、だからざっくり数百億から数千億オーダーのお金と場所ですね、場所と電力。

    山路:研究所立てないとね。

    小飼:そうなんですよ。なんだけれども、ある意味、金出しゃ手に入るところまで来てるって言うのはすごいことですね。
     (コメントを見ながら)あ、いっぱいできるでしょうね。いや、リアルタイムディープフェイクができると思いますよ。そこもそうで、ちょっと富岳のアプリケーションってあれじゃないですか、パンデミックのおかげでくしゃみがどうのとか、なんかあの世界最速が泣くみたいな、

    山路:飛沫のシミレーションしかしてねえんじゃねーかみたいな

    小飼:そんなことないはずなんだけれども。

    山路:何年か前にも、ここで、小飼弾の論弾で取り上げたとかと思うんですが、その時からスパコン需要って変わりました? つまり、こういう、ここまでの高性能なスパコンが

    小飼:でなにをするのかって言うので、一つ確かなのは、昔は、一昔前っていうのはスパコンの圧倒的なトップ需要というのは、核爆発のシミュレーション。

    山路:その需要が減ってって。

    小飼:まぁ、相対的に減ってというのか

    山路:どっちかって言うと、今ってわりと分散的な方向に行ってるじゃないですか。

    小飼:まぁまぁ、それは昔からそうですね、というのか、分散しないことには、もうこれ以上クロック数はあげられなくなっちゃいましたからね。それでもじわじわ上がってて、最近は5Gヘルツとかっていうのも出てはいるけども、それは一時的に無理してみたいな感じで、継続的だとやっぱり3Gヘルツぐらいではあるんだけど、まぁじ・わ・じ・わは上がってますね。

    山路:しかし、最近のコンピューターなんかでマシンパワーがいるみたいな用途って、AIだったりとかっていうのはスパコンに向いたアプリなんでしょうかっていう、AI

    小飼:逆にスパコンでAIをやらせようっていうのも、かなり富岳とかは意識してて。昔以上にTensorは扱いやすいような設計にしたみたいですね。僕もプレスリリースの受け売りとかしかできないけど

    山路:打倒GPT-3とか考えてたりするんですかね?

    小飼:打倒でなくて、もっとすごいやつ作ろうとかっていうのも思ってるんじゃないですか。

    山路:AI、今マシンパワーのけっこう勝負になってきてるところもあるから、なんかすごいのが出てきたりとかするのかもしれないですけどね。

    小飼:それを富岳の枠でやるのかというのか、富岳というのはもうあくまでも国の財産で、グラントさえもらえれば誰でも使えるものでもあるので。

    「富岳は思ってたよりも何かよい事業なんだとわかった」(コメント)

    小飼:うん、悪くはないというのか、やっぱりもう散々突っ込まれたじゃないですか、もう2位でじゃダメなんですかの頃から。だから、その意味ではPRの仕方というのも地球シミュレーターの頃に比べると、ずいぶんと良くなったというのか(笑)。

    山路:開発側の方もちょっと知恵がついたというのか。

    小飼:松岡先生とかのね

    「マイニング全力したらどうなるの」(コメント)

    山路:コスパ悪いんじゃないのかな。

    小飼:それはコスパ悪そうだなあ。

    山路:スパコンでやるには、マイニングに必要な演算ってもっと単純だから、もっと単純な仕組みのものでガーッとやった方が

    小飼:ま、単純と言うのかな、まぁASIC作っちゃったら、それにはかなわないですけどもね。やっぱり、ある程度の汎用性を持ってるものなので。だから、それしかできないやつにはやっぱり、もうシリコンにロジックを焼き付けてるやつにはなかなか叶わないんですけれども。

    山路:まぁしかし、マイニングで儲かるんだったらもうなんかやってるような気がしますしね(笑)。

    小飼:ロシアで勝手にスパコンにマイニングさせてたっていうので、横領で捕まった奴いたよね。

    山路:だけど本当にマイニングの電力が半端ないから、もう本当にすごい犯罪になってきてますよね、マイニングで勝手に盗電するっていうのは。
     じゃ、IT絡みというかでもう一つ、行ってみましょうか。配車アプリのDiDiがストアから削除されちゃったよっていう話。要は中国政府がDiDiのアプリ、DiDiにダメ出しをしたということですね。アメリカで上場したばかりなのに

    小飼:いや、だからアントの件といい、

    山路:アントってあのアリババグループのそういう信用スコアとかなんかをやってた

    小飼:これ、日本で例えると、Zホールディングスを政府が勝手にとり潰すとか、そういうレベルの話だよね。アントの話にしても。

    山路:しかも不思議なのはDiDi、上場した直後に何でやるのと思った、つまり上場する前に、アントなんかってそうだったじゃないですか、確か。なんでDiDiは上場してからあえてそんなことやったんかなとも思い、

    小飼:やっぱり中国資本の会社というのは、そういう怖さがあるのっていうイメージを市場にも与えちゃいますよね。まあでも、もはや西洋の、具体的にはアメリカの株式市場なんて当てにしなくてもいいかなっていうふうに中南海の人たちが思ってんのかしらね。どうなんでしょう、そのへんは。

    山路:だけど中国で大きな企業を作ってバーンと大成功っていうふうなことを思い描いてた人にとってはなんかすごい嫌な話じゃないですか。

    小飼:そうですね。だから、いつでも中南海がとり潰せるんだぞって言うね。

    山路:それってなんか企業活動に、

    小飼:迷走というのか、何と言えばいいのかな。意外と忍耐力がないなと。忍耐力がないなっていうのも、まさに香港で起こってるのはそれなので。あと25年だっけな、も待てば自然と落ちてくる果実なのに、なんで今もぎとるんだろうっていう。今までの放送で言ってきましたけどね

    山路:結局、なんかやっぱり習近平の強迫観念みたいなもんなんすかね。本当に共産党政権が正当な支配じゃないかもって言う、選挙を経てないっていうことに対する

    小飼:そんなバカな。そんなバカな。

    山路:そんな恐れは感じてるわけじゃないって。

    小飼:いや、そんなこと言ったら、選挙によって正当に選ばれた連中が進めたのがアヘン戦争ですから。だから政党は選挙で選ばれるなんていうのは露ほどにも思ってないですよ。それは確かだ。それは確かだ。ばっかじゃねーのという。

    山路:人民からの支持に自信がなくなってるのかなっていう。

    小飼:でも人民あんま見てないでしょう。
     だからもう実力で突破できると思っているのかなと。僕から言うとまだ早いんですよね。たぶん、今購買力平価だともう中国のGDPというのアメリカを抜いてると思われます。あくまでも購買力平価です。でもタイマン程度じゃダメなんですね。そこでだから力押しで勝つって言うには、少なくとも、少なくともですよ、倍は欲しい。
     いや、でも倍あっても一人頭にしたら追っつかないのよ。日本にすら追っつかないの。

    山路:それは結局、何だろう、人々がどうしたいかって言う、それが民度につながるから?

    小飼:いや、民度につながるからではなくって、要は自分がこうしたいっていうのを通するというのが、力なわけですよ。そこまでずいぶん力をつけたけれども、今、それをやるのに十分強くなったのかということですね。

    山路:しかし思ったんですが、中国人の、そういう何かしたいと思う、一人当たりのGDPが上がってやりたいことが増えたら、中南海としてはむしろ制御しにくくなるって言うこともあるのではないですかという。

    小飼:まあそれも見越した人たちもいるんだけれども、あくまでも中華として偉大だという方向に持ってきたいっていうのは、とてもよくわかるね。まあでも今はっきり言って、たとえば武力で台湾を支配しようとしたら、返り討ちにあいますよ。今の実力では。

     
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