「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2022年04月05日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2022年04月19日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2022/04/05配信のハイライト
- 「ロシア紙のヤバい社説」と「チョルノービリを知らない世代」
- 「人に再投資しなかった」ロシアの「Grand Theft Nation」文化
- 「中国から逃げる外国資本」とロシアの外貨準備高のショボさ
- 『教養としての「数学I・A』紹介と「リスキリングと調べる手間」
- ロシア解体の可能性について
- 「超正規表現と停止性問題」と「小5なマスクのTwitterへの影響」
「ロシア紙のヤバい社説」と「チョルノービリを知らない世代」
山路:今回タイトルに「赤い森」とか書いちゃったんですけど、いきなり重い話しかないんですけど(笑)、なんか明るい軽い話とかっていうのはないんですかねと。
小飼:桜が今東京では見頃で、だからあと1週間ぐらいは持ってくれるのかなと。
山路:なんかNHKの天気予報みたいな感じになってきましたよね、話題が(笑)。
小飼:いや、でもさ、それを見ても、あれ、
山路:なになに?
小飼:何かの音を拾って、音がなんかしてる、
山路:MacBook Airから音出てるとか、そんな感じでは。
小飼:これ音切ってんだけどな。
「弾さん髭伸びましたね」(コメント)
小飼:ああ、
「いい話はまだ世界が滅んでいない事」(コメント)
小飼:いやまあ確かにそれはあるということは、じゃあ、恐怖の社説も紹介はしておきますか。
山路:え、このタイミングでいきなりやっちゃうのは何て言うか、
小飼:なんかいいニュースは後に持っていきたいという(笑)、
山路:あるのか、ほんとに、いいニュースあんのかよっていうところですけど(笑)、じゃあこのロシア語の、
小飼:まあでも少なくとも、キーウの戦いをウクライナが制したというのは少なくとも、節目としてはいいニュースですよ。最初のうちは、もう何日で占領されるんだって最初のうちは言ってたじゃないですか。
山路:誰もあれ、奪回なんて信じてなかったですよね。
小飼:すごいことです。
山路:本当に、自分だったらって言うのも愚かですけど、自分がそのゼレンスキーの立場だったら、国外脱出しないかって誘われたら、あ、じゃあ逃げますって言っちゃったかもしれないと思うんですよ、自分だったら。
小飼:まあでも、なんと言えばいいのかな、もう、クソ度胸で直感でキーウに残ってたような雰囲気を出してましたけど、でもその後だから分析してみると、ちゃんとキーウは落ちないということを確信を持った上でいたようですね。
山路:ただ、その分析を知ってたとしてなお100人の政治家がいて、そいつらのうちが半分が残れたかって言ったら、そんなことは決してないと思う、
小飼:だって、ミサイル一発で消し飛びかねないですからね。
山路:いやあ、本当に、少なくともガッツがウクライナの支援引き出したところはありますからね。すごい話なんですけど。じゃあちょっとその、ロシアの、さっき出した話も、
小飼:(コメントを見ながら)Spring4Shellの話、いや、だからこれもまた暗いというのか、どっちかって言うと有料のほうに持っていこうかと思ってたんだけど(笑)、ああ、またかのやつね、Spring4Shell、
山路:Spring4Shellって、これはIT関係の脆弱性とかそういうやつ?
小飼:こないだLog4jが出たでしょ、
山路:また新しいのが(笑)、
小飼:そうそうそう、
山路:また新しい脆弱性が(笑)。脆弱性だらけ、じゃあ脆弱性の話は限定のほうにまとめておきましょうか。割と面白い脆弱性の話もあり、ので、さっき弾さんが言いかけた社説の話、これリンクもう1回出しましょうかね。これ、
小飼:魚拓も取られてましたね。ちゃんとコメントでも出てくる、
山路:あ、出てます?
小飼:いや、コメントの人が出してて。いや、だからやばい論文、すごいな、やばい社説というだけで、ちゃんとドンピシャのあててくる、22番と26番のコメントに(笑)、
山路:あれって読んでて気分悪くなりませんか?
小飼:すごいね、だから、あそこまでおぞましいものというのを、どれくらいぶりに見ただろうな。『デビルマン』の雷沼教授かよみたいなね。
山路:要はもうウクライナはナチズムに染まってて、やつらは再教育の仕様がないから全部消して、
小飼:まあ、民族浄化というやつですね。
山路:それをえーっと、あれはどういう立場なんだ、国営の情報紙になるのか、が出してるわけなんですよね。勝利宣言の記事を間違って出したところだって弾さん、前言ってました、
小飼:そうそうそう、だから、キーウが2日で落ちるはずのときには思わず流してしまったという、のを流してたところですね。
山路:そこがなんかジェノサイド、
小飼:うん、すごいよ、もうウクライナ人、ウクライナの連中、ウクライナ人という言葉すら使ってない、ウクライナの連中はもう思想的に手遅れだと。だから、上書きするしかないと。それもだから再教育して上書きするんじゃなくって、もう、
山路:人間として上書き、
小飼:入れ替えないとダメだと。入れ替えないとダメだと。
山路:これ、彼ら、その社説の中で反ナチみたいなことを掲げてナチズムナチズムって言ってるんですけど、彼らが言ってるナチズムって結局何なんですかっていうのがさっぱりわからない。
小飼:うん、ナチズムどころかクメール・ルージュだよね、こうなると。全入れ替えとか、
山路:弾さんのマイクがハウリングを起こしてっぽい、
小飼:起こしてる、あ、どうです、あ、こっちか、ちょっと失礼して、すいません、音、
山路:よくわかりましたね、これ、コメントで弾さんのほうのマイクっぽいって。ファミコンみたいな音。
小飼:はい、どうでしょう、今度はどうかな? なおったです、はい。
「手の込んだ録画演出」(コメント)
山路:何のために(笑)。
小飼:まあそういうことにしておこう。
山路:っていうか、私らは何か犯罪をしようとしてるんですかっていう(笑)。
小飼:たぶん、ロシアの衛星から干渉が(笑)、
山路:ここまで意味のわからない、アリバイ作りはないよな。
スタッフ:いやいや、これで無理だったら、実在の証明は実質無理ですね。
小飼:いや、でもなんて言えばいいのかな、かつてのオウム真理教でも言わないような、なんかあまりに幼稚な、本当になんて言えばいいのか、一瞬でバレるような、
山路:あれ、素朴な疑問なんですけど、みんなああいうことを信じてるんですかね? 大本営の言うことっていうのを、どの程度はみんな信用してるのか。
小飼:ただ信じうるっていうのは、別にロシア人が格別アホでマヌケだからっていう説は僕は取らない。どこの国でも、社会状況が重なり合うと、ああいう状態になり得るっていうのは、今の僕はだから、そういうふうに納得しているというのも、『この世界の片隅に』の最初の頃を思い出してください。
山路:まだ戦争が始まる前の、
小飼:そうそうそう、
山路:広島市とか呉市とか、
小飼:そう、まだ第二次世界大戦が始まる前の、本当に昭和のドタマぐらいですね。あの頃って、今の日本と同じぐらい英語が文化として受け入れられている。ちゃんと、キャラメルの箱にも、そもそもキャラメルというのが英語ですし、ちゃんとCaramelっていうふうに書いてありましたよね。それでモボモガがというのもね、モダンボーイス、モダンガールスの訳じゃないですか。だから、敵性、それが本当にたったえーとだから、
山路:10年ちょいぐらいか、
小飼:10年ちょいで、もう鬼畜米英になるわけですよ。ロシアが崩壊したのが1991年なので、
山路:ソ連がね。
小飼:ごめんごめんごめん、ロシアはこれから崩壊すると思うけど、それは置いといて、とりあえず崩壊したのはロシアではなくてソ連です、ソビエト連邦です、失礼いたしました。から、もう30年経つわけですよね、31年目ですよ。
山路:それこそ、あとでも出てきますけど、チョルノービリの話とかも知らないロシア人もいっぱいいたりもするわけですしね。
小飼:本当に、戦争知らないどころか、ウクライナで戦ってる連中というのは、ソ連を知らない子どもたちなんです。
山路:そうかそうかそうか、そうだそうだ。戦争どころじゃねえわ。
小飼:あのさ、これ言うとさ、かなり、ただでさえ老けてるところにもっと老けると思うけどさ、僕らゼレンスキー大統領よりも年上なんだよ。
山路:へええ、そうでしたね(笑)。
小飼:まだ40代です、ゼレンスキー大統領。兵隊の皆さんが僕らの、僕の娘、長女よりも若いのが戦場、
山路:20歳そこそこの、20歳切ってるやつもいるわけか。
小飼:いや、本当にそうですよ。で、じつはその彼らというのは本当に、アメリカだったらミレニアルと呼ばれるぐらいの世代ですね、要は今世紀になってから、
山路:Z世代か、本当に、
「人に再投資しなかった」ロシアの「Grand Theft Nation」文化
小飼:いや本当に、本当にZジェネレーションです、アメリカで言うと。じつはまだその頃というのは、まずソ連が崩壊して、そのあとに98年に、世界の金融危機になって、その時にロシア1回デフォルトしてるんですよ、だからかなりロシア経済もガタガタで。人口ピラミッドで見ると、凹んでるんですよね。
山路:ちょうど今はコメントでも、ロシアも少子化進んでるっていうのがあったんで、ちょっと関連データ出しておきましょうか。かなりガタガタです、ちょっと今出したリンク見ていただくとわかるんですけど、20代の前半が異常に少ないんですよね。そんなピラミッドあるみたいな感じの。
小飼:いや、日本のはもっと悲しくなるんですけれども(笑)、コンスタントに、
山路:日本はよくある少子化のやつじゃないですか、でもロシアはもっとその人為的というか、何かあったなという感じの、変な感じのグラフになってるんですよね。
小飼:すごい歪なんです。
「少子高齢化じゃなくて、よい感じの国ってあるの」(コメント)
山路:まあアメリカかな、比較的。
小飼:アメリカはある意味、とても健全な。
山路:だからこそ富が集中していってるっていうのもありますよね、それで言うんであれば。
小飼:いまだにG7の中で人口が増えているのはアメリカとカナダだけか。
「ロシア、女性が少ないから男性モテるのかな」(コメント)
山路:どうなんだろう(笑)。男性、ロシアの男性、寿命まだ短いんじゃないかな。
小飼:女性が多いからというふうに言っても、どの国でも男女逆転、ある程度年齢が経つと、男性のほうが死にやすいので、女性のほうが多くなるんですけども、ロシアの場合、それがいつ起こるかって言ったら、30代なんですよ。これはけっこう早い。
山路:そんなに?
小飼:男女数が逆転するのが。日本の場合、40代後半ぐらいになりますね。それくらいになると、だからおじちゃんよりもおばあちゃんのほうが多くなるんですけども。
山路:ちょっと前の人口の統計だと、ロシアの男性って平均寿命60切ってたこともありましたよね。
小飼:ありました。だから金融危機の頃とか本当に、そうで。
山路:なんかウォッカ、アルコールの飲みすぎなんかっていうのが原因にはあげられてたけど、
小飼:でもアルコール消費量はけっこう順調に減ってるんですよね。
山路:ただ少子化もまた進んでるというか、
小飼:はい、再び、
山路:今でも、
小飼:今、日本と同じぐらいですね。1.5ちょっと切るぐらいです。
山路:これでそんな、何ていうのか、若いやつで兵隊に送ってどうすんねんみたいな気がするんですけれどもね。
いや、これ本当に何というのか、若い人が戦地に送られて、どんどん磨りつぶされて死んでいってるっていうの、大丈夫なのかいと思うんですけれどもね。さらにその、戦地に送られたロシア兵がやってることっていうのがまたいろいろすごかったりもする。ベラルーシで泥棒市開いたそうですよ。略奪品の。なんというか、
小飼:まあでもこう言うのもなんだけども、そういう戦場での狼藉というのは、本当にどこの国の兵隊もやってることではあるんだよ。
山路:ただそれがこう、何というか、
小飼:ああも堂々とだとね、
山路:それに対してウクライナも黙っちゃいねえよというのが、これ、ウクライナ政府、死亡ロシア兵をAIで特定し家族に連絡。あとこれ以外にも、そのBucha、BuchaにそのウクライナのBuchaにいた部隊、ロシアの部隊の兵隊全部の、本名とパスポート番号と、なんか所属部隊まで全部公開して、
小飼:Webに上がってるという、
山路:まあ該当する人はたぶんロシア国外にもう出られなくなっちゃいますよね。
小飼:だからそういうところは、かつての大日本帝国と今のロシアと、すごい既視感がいっぱいあるんですけれども。やっぱあの、いろいろ変わったところはあって。やっぱりネットの存在というのは一番でかい違いですよね。そう、だからその兵隊のスマホで持ち主の母の所に電話したりとかね、それがですね、どう見ても、iPhone5か、第一世代のSEかわかんないんだけど、とにかくTouch IDのやつなので、どう考えても死体にタッチさせてロックしたっていうのがね、なんかすごい痛いよなと。
山路:これコメントで「どうやって特定したの」ってありますけど、ロシアのSNSから画像を収集して、なんか億枚単位でなんか画像とか収集して、同定に使ってるみたいですけどもね。
小飼:いまだに金盾とかに比べるとはるかにザルなので、
山路:金盾っていうのは中国の、
小飼:中国の。
山路:それにしてもこのウクライナのサイバー戦というか、その情報戦能力すごくないですか。
小飼:まあ実質、サイバー戦争ではもうNATO参戦してるようなもんですから。
山路:ああ、いわゆるNATOが。
小飼:だけども、ウクライナ軍自体の実力もすごいなと。これは、こう言うのもなんですけども、純粋に敵に回したくないなと。
山路:何でこんなにサイバー戦が充実してるんですかね。
小飼:やっぱり一つには、ロシアとの戦争というのは昨日今日始まったものではなくて、もう遅くともクリミア半島ぶん取られた時にはもう始まってるっていうふうに見なす、だからもう8年間戦争やってるわけですよね、その計算で言うと。だから、その間に爪を研ぎ続けてきたっていうのも一つありますし。けっこうIT産業の下請け先として、
山路:これ、私が今この表示に使ってるアプリ、Documentsっていうやつなんですけど、ウクライナ製なんですよね。なかなかよくできたこれもアプリで。ほんと、資源とかなくて産業とかがあんまりないからこそ、そういうITにとにかくぶっ込んだってことなんですかね、その国の要請とかリソースを、
小飼:リトアニアとかも彷彿させますよね。
山路:エストニアとかあの辺のところとかも、
小飼:バルト三国ね、
山路:なんかIT強いイメージがあるけれども、やっぱり資源何もないし、特にそのサイバー戦とかを充実させなきゃいけないっていうことがあんのかな。
「国が貧しいとITにガチになるって聞いたけどマジ」(コメント)
小飼:でもさ、貧しい貧しいって言って、確かに額面の上でのGDPというのは一人頭で見てもロシアの半分ってことになってるんですけれども、けっこう豊かな生活をしてたっていうのを、
山路:都市の様子見ても、キエフの、キーウ、今はキーウですね、様子見ても、お洒落じゃないですか、とてもいい感じで。
小飼:車も本当に、普通にだから欧州で走ってる車がいっぱい走ってますし、メルセデスさえいましたからね。
山路:ジニ係数自体が低いってことなんですかね。
小飼:そういうことなんでしょうね。ロシアの場合、オリガルヒがドスンと持ってて。残りの国民の大半はボットン便所だと。でもそのロシアを分析してる連ツイに、ロシア人の過半数はポットン便所って表現が出てきて、
山路:えと、ポットン便所って、英語で、
小飼:Potholeですね、本当に、だから穴掘ってそこにするという、
山路:Potholeの、そうなんだ(笑)。
小飼:ちゃんと書いときますね。
山路:へえ。
小飼:本当に、これでポットン便所。
山路:へー、勉強になった(笑)。しかし信じられないです、じゃあこのロシアって、言ってみたらソ連の時もぜんぜん貧乏だったわけじゃないですか、結局わかったのは、多くの人は。それ以前のロシア帝国の時も、農民とか農奴とか妨げられて、非常に苦しい生活を送ってたりもしててみたいなことを言ってて、じゃあ彼らは豊かになったときっていうのはなかったんですか。
小飼:あったはずなんだけれどもね。いや、でも結局ロシアの体たらくっていうのは、人に投資しなかったことに尽きるんですよね。