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リバーサルジム新宿Me,Weで練習直後の川村虹花を取材した
アイドルがMMAに挑戦するとなったら驚く。でも、それが仮面女子のメンバーだと聞けば納得する。しかも川村虹花だというのだから、なんなら期待してしまうのである。
12月3日のDEEP JEWELSに川村が出場するというニュースに「なんか聞いたことある名前だな」と思った人もいるかもしれない。彼女は今年9月、大家健率いるDDTのグループ団体ガンバレ☆プロレスでレスラーデビューを果たしている。
ガンプロ女子部・HARUKAZEと組んで我闘雲舞のさくらえみ&里歩と対戦。ギブアップ負けを喫したものの、卍固めやダイビング・クロスボディのフォームは美しく、何より攻められている時でも気合いの表情を崩さないのが素晴らしかった。さくら&里歩と対戦して敗れるというカード、結果も、一発限りの“芸能人枠”ではなく本気で取り組んでいくという姿勢が反映されたものだったはずだ。
もちろんプロレスとMMAは(隣接ジャンルとは言えるが)別物である。ただ川村には、アイドル活動も含めて「人前に出て何かをする者」としての力があると思える。それはMMAでも間違いなく活きる。
簡単に言えば舞台度胸であり勝負度胸。四方から見られている中で人と殴り合うという、冷静に考えたら異様なシチュエーションで思い通りに動くことができるかどうかという点で、川村は優れた素質を持っているのではないか。それは苦しい場面でガードの足を一本越えさせるかどうか、ラウンドの終わりにもう1発、2発のパンチをプラスできるかといった場面でも活きるだろう。
そもそも仮面女子というアイドルグループ自体が、気合いや根性や負けん気、それに体力勝負を前面に打ち出してくるアイドルだ。複数のユニットからなるこのグループのキャッチフレーズは“最強の地下アイドル”。
何をもって地下アイドルとするかには、様々な定義がある。他にインディーズアイドルやライブアイドルといった言葉もあり、メジャーレーベルからCDを出しているか、活動規模がそれくらい大きいか、地上波テレビなどのメジャーメディアにどれくらい露出しているかが主な基準か。メジャーレーベルからCDを出してはいないけども、その人気からして“地下”とは言えないという場合もある。
仮面女子は秋葉原と大阪に常設劇場を持ち、さいたまスーパーアリーナでライブを開催したことがある。だから活動の規模はそれなりに大きいのだが、それでもあえて“地下アイドル”を名乗る。「売れてる感」「流行ってる感」を出すよりも「地下」から這い上がっていく姿に感情移入してほしいということだろう。
常設劇場があるということはライブの本数も多く、年間約1000本(ギネスに申請)。ツイッターでは「仮面女子」でメンバーがエゴサし、すかさずフォローにいく(ことが運営公式の活動になっている)。メンバーには毎回、ライブの“ヲタク満足度調査”投票で順位が付く。他ジャンルとの共演、コラボも凄まじい勢いで行なっており、民主党時代の枝野幸男氏(現・立憲民主党)と共演したことも。
アイドルへの偏見にケンカを売るような泥臭さを持ち、最大の武器はバイタリティという、そんなグループのメンバーがMMAに挑戦するわけだ。現在、指導しているMe,Weの山崎剛代表によると、川村の運動神経とハートの強さは一級品らしい。
プロレスデビューに際して、川村は「アイドルがプロレスをやっていると『遊びじゃないの?』って思う人がいるかもしれないですけど、私は本気なので。選手として見てほしい」と語っている。MMAも同じだ。仕事をしながら試合に出ている人間は少なくないわけで、アイドルだけが色眼鏡で見られるいわれはない。
売名行為? しかし売名行為で毎日、ジムで練習を続けられたら大したもんじゃないか。昼にMMAの練習、夜にライブ、さらにそのあとプロレスの練習と“三刀流”の時期すらあったらしい。そのライブだって、今のアイドルは握手会、チェキ会もつきものなわけで。
現時点での川村はデビュー前であり、ファイターとしてのすべての評価は試合を見てから、ということになる。ただ1試合目を終えた川村が“女子格闘技界、期待のルーキー”になっている可能性も充分にあると思うのだ(橋本宗洋)
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「顔を殴られる怖さはもちろんあります。でも、その覚悟を決めて始めたので」
――MMAデビューのニュースは大反響でしたけど、川村さんのもとにはどんな声が届いてるんですか?
川村 仮面女子のファンの方々からは心配されてます! 格闘技ってケガする危険性があるので……。
――ケガをしたらアイドル活動にも支障をきたす可能性もありますよね。
川村 だから「あんまり応援できないよ!」とか言われるのかなって思ったんですけど。多くのファンの方が私がやることを応援すると言ってくださってるので、それは凄く嬉しかったですね。
――もうちょっと反対意見があると思ったんですね。
川村 はい。格闘技ファンの方からも「頑張ってね」と言われてることも嬉しかったです。最初はどういう反応があるのか心配だったんですけど……。
――批判の声があるんじゃないかと思ったんですね。
川村 「格闘技をナメてる!」とか言われたりするんじゃないかなって。でも、思ったよりはなかったのでホッとしました。
――それはよかったです(笑)。試合まで2週間を切ってますけど、どんなスケジュールで練習されてるんですか?
川村 朝9時から夕方の16時17時頃まで練習して、そのあと18時から23時まで仮面女子のライブを2本やって、家に帰って寝て、翌朝また朝9時から練習で……。
――大変じゃないですか!
川村 はい(笑)。
――詳しいメニューを教えてください。
川村 日によるんですけど、今日は9時から10時までは外でダッシュやランニングなんかをやって、10時半から12時半まで筋トレ、お昼を挟んで寝技と打撃ですね。プロ練も参加しますし、一般のクラスでもやってます。
――プロ練では杉山しずかさんや村田夏南子さんとも練習されてるんですよね。
川村 一緒に練習をさせてもらっています。凄くやさしく教えてくださってるのでありがたいです。
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