マリーチさん のコメント
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堀口恭司を始めとして多くのMMAファイターのマネジメントを担当している 石井史彦 氏が語る「堀口恭司vsコールドウェル」の裏側です! 写真は 左からコーチのマイク・ブラウン、二瓶孔宇氏、仮想コールドウェルのジョシュア・スミス、石井史彦氏。
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・「おい、ウソだろ? 天心の左カウンターが当たらないって……」■山田武士 「デメトリアス・ジョンソンとの再戦はおいしいですね。ボクらは全然かまわないですが、コールドウェル戦を見たら、ONEがやらせたくないんじゃないですか?」 ―― コールドウェル戦は本当に凄い試合でした……堀口選手の大勝利おめでとうございます!
石井 ありがとうございます。
―― 石井さんは堀口選手のマネジメントという立場なので、堀口選手が当然勝つことを信じていたと思うんですが……どういう試合展開になると見ていましたか?
石井 皆さんも当然予想していたと思うんですが、コールドウェルの狙いはテイクダウンですよね。堀口選手をサポートするアメリカン・トップチームのコーチ、マイク・ブラウンも試合前に言っていましたが、コールドウェルのレスリングはUFCフライ級王者のヘンリー・セフードより上ですからね。セフードはオリンピックの金メダルを獲ってますが、コールドウェルはオールアメリカンに2度選ばれて、NCAAを2回も優勝してますから。
―― NCAAを2度勝ってるMMAファイターはジョニー・ヘンドリックス、ベン・アスクレン、そしてコールドウェルのようですね。
石井 あとベラトールで売出し中のエド・ルースですね。こないだネイマン・グレイシーに負けちゃいましたけど。
―― コールドウェルはMMAでも屈指のレスラーであるという。
石井 なので今回のキャンプもレスリング強化だったんです。コールドウェルはスタンドで勝負にはこないだろうと。 ・【フリー公開中】大晦日直前必読!! 堀口恭司のセコンドから見た難敵コールドウェル戦
―― フライ級からバンタム級に上げた堀口選手、フェザー級からバンタム級に落としてきたコールドウェル。実質2階級の体格差も脅威じゃなかったですか?
石井 堀口選手は背が小さいので、対戦相手のほうが大きいのは今回に限ったことではないんですよね。それが5センチなのか、10センチなのかっていう話で。
―― ああ、なるほど……いや、10センチはヤバイですよ!(笑)。
石井 体格差はまあ仕方ないとして、いかにテイクダウンされないようにするかってことが問題だったんですけど、ただどうしてもテイクダウンは取られるだろうと。そこで一番気をつけていたのは、テイクダウンされてもいいから、バックは絶対に取られないことです。ここが最大のポイントでした。
―― 手足があれだけ長くて コ ントロール能力に長けたコールドウェルに背後に突かれたら、かなり厄介ですねぇ。
石井 コールドウェルがエドゥアルド・ダンタスに勝ってベラトールのチャンピオンになった試合では、ダンタスが簡単にバックに取られて、1〜3ラウンドを取られてしまったんです。そのあとコールドウェルがガス欠したことで、4ラウンドと5ラウンドはダンタスが取っていてもおかしくない内容だったんですが、結局前半戦が響いて判定負けだったんですよね。コールドウェルにバックを取られなければ堀口選手は立てますから、そこは絶対に死守しようという作戦でしたね。
―― まあ背後を取られなければ立てますよね……って、コールドウェルに抑え込まれても立てるという自信があったということですか!(笑)。
石井 実際に立ちましたよね。レスリングは堀口選手がATTに移籍して以降、最も強化された部分です。UFCでデメトリアス・ジョンソン(以下DJ)に負けたのは、レスリングの差でしたし、あのときの堀口選手はレスリングの技術を身につけていなかったのに等しかったですから。
―― ATTに移籍して、別のファイターに進化していると言っても過言ではないという。
石井 はい。コールドウェルはテイクダウンしてもそんなに攻撃してくるタイプではなくて、最初のアームロック以外はそこまで積極的に仕掛けてこなかったですよね。なので、立てるんじゃないかと。
―― たしかにアームロック以降は目立った仕掛けはなかったです。
石井 力で抑え込むことでコールドウェルは体力をかなり消耗したと思いますし、そうやってガス欠することも想定内でした。実際2ラウンド目も倒されたけど、堀口選手はマットに背中を付けず、尻をロープにもたれかけるようにしてたじゃないですか。完全に封じ込められていたわけじゃなく、コールドウェルは何もできないまま上に乗ってるだけでしたよね。
―― コールドウェルは下からパンチをかなり嫌がってましたね。
石井 これは余談になりますが、あの体勢をRIZINのジャッジはどう見るのか気になりますね。いまのMMAは背中をつけないとコントロールしていると評価しないじゃないですか。コールドウェルは上に乗ってるだけで何も攻撃はしていない。下の堀口選手がパンチを何発も浴びせている。RIZINの判定基準はトータルマストですけど、たとえばラウンドマストに置き換えた場合、1ラウンドはコールドウェルだとしても、あの2ラウンドはどう評価するのかなって今後のためにも興味はありますね。ジャッジの見方によって戦略も変わってきますからね。
―― 今度ジャッジ陣を取材します! 話を戻すと、堀口選手は「テイクダウンされてもバックを取らせない」ことを徹底できたんですね。
石井 完全にバックは取られませんでしたよね。ダンタスと堀口選手の決定的な違いはそこですね。
―― とはいえ、2ラウンドを終わった段階では、堀口劣勢のムードはありましたよね。石井さんはどう思われていたんですか?
石井 最終3ラウンドにダウンを奪うとか決定的なシーンを作らないと判定では負けるという状況でしたよね。
―― 3ラウンド早々ボディに効かせて、コールドウェルをコーナーに追い詰めましたが、またしてもテイクダウンを奪われてしまいました。あのときは……。
石井 さすがに「ああ、やられた!」と思いました(苦笑)。
―― そうですよねぇ。
石井 「これはマズイなあ」と。ただ、残り時間が4分もあったじゃないですか。2つの考えが頭をよぎったんですよ。「このラウンドも抑え込まれたら判定で負けるな」と、「まだ時間があるうちでよかったな」。これがもし残り時間2〜3分だったら、立つだけの動きで終わっちゃいますからね。
―― そしてフィニッシュのギロチンチョークが……
石井 ボクはちょうど堀口選手がロープを背負った真後ろで試合を見てたんですよ。そこから見えるのは堀口選手の背中と、そしてコールドウェルの首だったんです。コールドウェルがまるで「さあ取ってください!」といわんばかりに首を差し出しているようで驚いたんですよ。
―― 信じられない光景だった。
石井 コールドウェルってそれまではテイクダウンしても、自分の顔を堀口選手のお腹につけてコントロールしてきたんですけど、あのときだけ首をグイと前に差し出していて。あれって相当、疲れてたからなんじゃないかなって。
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堀口と対戦した相手の次の試合も見たくなる。
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