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超RIZIN2でベラトールフェザー級王者パトリシオ・ピットブルを撃破した 鈴木千裕 インタビューです(聞き手/松下ミワ) 【1記事から購入できるバックナンバー】 ・ 極真世界王者・上田幹雄「大山総裁ならRIZINに殴り込んでいたと思います」
・西川大和、フェザー級転向■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
・三崎和雄が“家族”としてクレベル・コイケを支える理由
・RIZINアゼルバイジャン大会はできるのか?■谷口洋和
―― 超RIZIN2での激勝、凄かったです! パトリシオ“ピットブル”フレイレ選手から大金星を挙げて1週間、どういう心境だったんですか?
鈴木 まず、試合後3日間は眠れなかったです!
―― うわ~、それほどアドレナリンが。
鈴木 目をつぶっていても余韻が凄くて。まだ、頭の中で試合がフラッシュバックしちゃってますねえ。もう、こんなことってないですよ。
―― 人生初ですか。
鈴木 最高の1日でした。格闘技人生というか、23年間生きてきた中で一番テンションが上がった日でしたから。人間、こんな次元に到達できるんだなと思ってブッ飛びましたね。
―― 今回は試合の約1週間前という緊急オファーで。ホベルト・サトシ・ソウザ選手はBBQをやってるときにパトリッキー戦の話が来て、鈴木選手はお菓子イベントやってるときにパトリシオ戦の話が来たという話を聞きました。
鈴木 オファーが来たのは福岡でのお菓子イベントの翌日ですね。
―― そうだったんですね。
鈴木 なんかLINEと電話がすんごい来てて「なんだよお」と思ったんですけど、LINEに「ピットブル選手と試合が~~」と書いてあって。とりあえず電話しないと怒られると思って電話したら「ピットブル選手と試合どうだ?」「やります!」という。
―― 山口(元気・クロスポイント吉祥寺主宰)さんは受けるわけないと思って電話したみたいですけど。
鈴木 言ってましたよね。いやいや受けますって(笑)。だって、これでやっと払拭できるなと思ったので。
―― クレベル戦の悔しさを。
鈴木 もうむしゃくしゃしてたんで。心のどっかで待ってたんでしょうね!
―― それにしても、相手はベラトール王者のパトリシオ選手ですよ。
鈴木 誰でもいいからとりあえず試合したいなという感じだったんで、全部関係なかったっす! というか、最初は戦う相手が誰なのかわかってなくて。
―― ホントですか(笑)。
鈴木 だんだん「萩原(京平)選手と一緒に練習していた人」というのがわかって、「強い人なんだな」というのはわかったんですけど。
―― そこでもまだボンヤリしてますよ(笑)。
鈴木 自分との戦いですから。みんなそれぞれタイプがありますけど、ボクは自分の戦いだと思うので。あのー、ボクは正直言って「観る格闘技」には興味はないんですよ。だからピットブル選手も知らなかったですし、いまのUFCチャンピオンもベラトールチャンピオンもわからないです(キッパリ)。でも、プレイヤーとしてやるのは本当に好きで。あと、ジムの仲間とか仲間内の試合を観るのも好きなんですけど、それ以外の格闘技は知ろうとはしないんでね。
―― でも、試合前は「パトリシオ選手とやってみたかった」という話もされてませんでしたっけ?
鈴木 そうそう。そのときはそう思っていたんですけど、忘れちゃうんですよっ!
―― 忘れちゃいますか(笑)。
鈴木 ただ、どんな相手でも格闘技はその日強い人が勝つんですよね。なんというか、ボクは本当に昔から言ってますけど、ジムとかでは格上・格下があるんですよ。結果を残しているかどうかを含めて格上・格下ってあるんですけど、試合のリング上ではないんですよ。本当にその日に強い人が勝つので。体重も含めてそれはいろいろ賛否両論ありますけど、ボクはその日に強い人が勝つと思ってます。じゃなかったらボクは勝てなかったです。だって、そうじゃないとボクが勝つっておかしいじゃないですか。
―― キャリアの差はたしかに大きいですよね。
鈴木 でも、ボクがその日に強かった。それだけなんです。練習だと向こうが強いと思いますよ。でも、命を懸けたやり合いの中ではボクが優れていたということですね。
―― 鈴木選手って、相手が強いからビビっちゃったみたいなことって、これまでまったくないんですか?
鈴木 まあ、ビビってたという意味では大晦日の中原(由貴)戦は肋骨が折れてたんで怖かったですけど。あれは試合の1週間前だったし、ドクターにも「ヒビじゃないんですか?」「折れてるよ」と。あと、萩原選手との試合のときも右手靭帯をやっちゃってたんで打てなくて。それも怖かったです。
―― それは、どっちも自分のコンディション的にということですよね。
鈴木 いや、みんなそんな感じで何かしらケガしてるんだと思いますよ。
―― 最後の打ち合いなんかも、相手の打撃をもらいながらも右が炸裂してました。
鈴木 あれは、もらっちゃってましたね。あれもじつは効いているんですけど、勝負だなと思って。それが格闘技の醍醐味ですから。やるかやられるかの瀬戸際が一番面白いところなので、充分楽しんだなと思います。
―― 以前、キックボクサーだからこそ打ち合いでの勝負は負けられないと言われてましたよね。
鈴木 それもあったと思います。あの打ち合いは、以前マルコス・リオス戦でイメージはついてたんで。体格も髭の生え方も同じじゃないですか。
―― 髭の生え方(笑)。
鈴木 渡慶次(幸平)先輩も同じ髭なんでね! イメージはバッチリでした。
―― でも、中原戦もそうですけど、鈴木選手を目の前にするとMMA巧者でもなぜか打ち合っちゃうという。そこに何かあるんですかね?
鈴木 どうなんですかねえ? そう思われているならうれしいですけど。ただ、入りにくいんだと思いますよ。入ってこられないようにボクが攻撃を出しているのもあるんで。タックルに来たときにボクが合わせ技を見せてるから、入りたくても入れないという。
―― だからこそ、相手もある程度打撃をやってからじゃないとという。
鈴木 そうそう、打撃を散らしてじゃないと単発ではタックルは取れないので。数発当ててからじゃないと難しいですよね。タックルだけ来たって、ボク全部切りますもん。打撃で散らされて集中が上にいったときに取られちゃうもんなんで。単発だったらほぼほぼ倒されないですね。
―― パトリシオ選手って対抗戦でクレベル選手と試合しましたけど、試合内容的に物足りなさがあって。それも含めて鈴木選手がぶち抜いてくれたというのもありましたよね。
鈴木 やっとこうRIZINの……。
―― RIZINの?
鈴木 いや、去年の年末からずっと友達には言ってたんですよ。去年、RIZIN勢がベラトールとの対抗戦で全敗して、「絶対、俺がやりかえしてやるからな!」って。それで日本人初の1勝が取れたんで、ちょっとそれはうれしいです。あと、前まではRIZINにはボクのファンはいないと思ってたんですけど、ボクを応援してくれる人がRIZINの会場でも増えてきてるんで、その人たちのためにも頑張ろうと思ってました。
―― 逆に、鈴木選手はRIZINに対する愛着はあるんですか?
鈴木 それは、やっと湧いてきましたね……(しみじみと)。
―― それはよかったです(笑)。
鈴木 やっとというか、RIZINにもボクのファンがいてくれたんで。ボクはKNOCK OUTからRIZINに来て、KNOCK OUTのファンが格闘技をさせてくれていると思っていたんで、RIZINはアウェー感があったというか。「キックボクシングあがりが~~」みたいに思われていたと思うし、いろいろと騒動もありましたし。そういうのが、やっとなくなってきたというか。純粋に試合を見てメッセージを送ってくれる人がいるんですよ。「千裕選手の試合を観て格闘技始めました」「悩んでいたけど、千裕選手の試合を観て悩みが晴れました」とか。そうやって元気をもらってくれる人がいるので、ボクとしてはRIZINという第二の居場所ができたなという感じはありますね。KNOCK OUTあってのボクだけど、MMAでの居場所をつくれたのかなって。
―― ちなみに、鈴木選手の試合後は、リングサイドでクレベルvsピットブル兄弟の一悶着もありましたが、リング上からその騒動は見えていたんでしょうか? ・もともとは66キロ契約だった
・うどん屋で予備計量?
・誰がマックの店員やねん
・クレベルはヘタな打撃がうまい
・計量オーバーの気持ちはよくわかる
・まずはピットブルとのリマッチ……12000字インタビューはまだまだ続く
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格闘家なんだからやっぱ大事なのは実績なんだよね。
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