超RIZIN2でベラトールフェザー級王者パトリシオ・ピットブルを撃破した鈴木千裕インタビューです(聞き手/松下ミワ)
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――超RIZIN2での激勝、凄かったです! パトリシオ“ピットブル”フレイレ選手から大金星を挙げて1週間、どういう心境だったんですか?
――うわ~、それほどアドレナリンが。
鈴木 目をつぶっていても余韻が凄くて。まだ、頭の中で試合がフラッシュバックしちゃってますねえ。もう、こんなことってないですよ。
――人生初ですか。
鈴木 最高の1日でした。格闘技人生というか、23年間生きてきた中で一番テンションが上がった日でしたから。人間、こんな次元に到達できるんだなと思ってブッ飛びましたね。
――今回は試合の約1週間前という緊急オファーで。ホベルト・サトシ・ソウザ選手はBBQをやってるときにパトリッキー戦の話が来て、鈴木選手はお菓子イベントやってるときにパトリシオ戦の話が来たという話を聞きました。
鈴木 オファーが来たのは福岡でのお菓子イベントの翌日ですね。
――そうだったんですね。
鈴木 なんかLINEと電話がすんごい来てて「なんだよお」と思ったんですけど、LINEに「ピットブル選手と試合が~~」と書いてあって。とりあえず電話しないと怒られると思って電話したら「ピットブル選手と試合どうだ?」「やります!」という。
鈴木 言ってましたよね。いやいや受けますって(笑)。だって、これでやっと払拭できるなと思ったので。
――クレベル戦の悔しさを。
鈴木 もうむしゃくしゃしてたんで。心のどっかで待ってたんでしょうね!
――それにしても、相手はベラトール王者のパトリシオ選手ですよ。
――ホントですか(笑)。
鈴木 だんだん「萩原(京平)選手と一緒に練習していた人」というのがわかって、「強い人なんだな」というのはわかったんですけど。
――そこでもまだボンヤリしてますよ(笑)。
鈴木 自分との戦いですから。みんなそれぞれタイプがありますけど、ボクは自分の戦いだと思うので。あのー、ボクは正直言って「観る格闘技」には興味はないんですよ。だからピットブル選手も知らなかったですし、いまのUFCチャンピオンもベラトールチャンピオンもわからないです(キッパリ)。でも、プレイヤーとしてやるのは本当に好きで。あと、ジムの仲間とか仲間内の試合を観るのも好きなんですけど、それ以外の格闘技は知ろうとはしないんでね。
――でも、試合前は「パトリシオ選手とやってみたかった」という話もされてませんでしたっけ?
鈴木 そうそう。そのときはそう思っていたんですけど、忘れちゃうんですよっ!
――忘れちゃいますか(笑)。
鈴木 ただ、どんな相手でも格闘技はその日強い人が勝つんですよね。なんというか、ボクは本当に昔から言ってますけど、ジムとかでは格上・格下があるんですよ。結果を残しているかどうかを含めて格上・格下ってあるんですけど、試合のリング上ではないんですよ。本当にその日に強い人が勝つので。体重も含めてそれはいろいろ賛否両論ありますけど、ボクはその日に強い人が勝つと思ってます。じゃなかったらボクは勝てなかったです。だって、そうじゃないとボクが勝つっておかしいじゃないですか。
鈴木 でも、ボクがその日に強かった。それだけなんです。練習だと向こうが強いと思いますよ。でも、命を懸けたやり合いの中ではボクが優れていたということですね。
――鈴木選手って、相手が強いからビビっちゃったみたいなことって、これまでまったくないんですか?
鈴木 まあ、ビビってたという意味では大晦日の中原(由貴)戦は肋骨が折れてたんで怖かったですけど。あれは試合の1週間前だったし、ドクターにも「ヒビじゃないんですか?」「折れてるよ」と。あと、萩原選手との試合のときも右手靭帯をやっちゃってたんで打てなくて。それも怖かったです。
――それは、どっちも自分のコンディション的にということですよね。
鈴木 いや、みんなそんな感じで何かしらケガしてるんだと思いますよ。
――最後の打ち合いなんかも、相手の打撃をもらいながらも右が炸裂してました。
鈴木 あれは、もらっちゃってましたね。あれもじつは効いているんですけど、勝負だなと思って。それが格闘技の醍醐味ですから。やるかやられるかの瀬戸際が一番面白いところなので、充分楽しんだなと思います。
――以前、キックボクサーだからこそ打ち合いでの勝負は負けられないと言われてましたよね。
鈴木 それもあったと思います。あの打ち合いは、以前マルコス・リオス戦でイメージはついてたんで。体格も髭の生え方も同じじゃないですか。
――髭の生え方(笑)。
鈴木 渡慶次(幸平)先輩も同じ髭なんでね! イメージはバッチリでした。
鈴木 いや、去年の年末からずっと友達には言ってたんですよ。去年、RIZIN勢がベラトールとの対抗戦で全敗して、「絶対、俺がやりかえしてやるからな!」って。それで日本人初の1勝が取れたんで、ちょっとそれはうれしいです。あと、前まではRIZINにはボクのファンはいないと思ってたんですけど、ボクを応援してくれる人がRIZINの会場でも増えてきてるんで、その人たちのためにも頑張ろうと思ってました。
――逆に、鈴木選手はRIZINに対する愛着はあるんですか?
鈴木 それは、やっと湧いてきましたね……(しみじみと)。
――それはよかったです(笑)。
鈴木 やっとというか、RIZINにもボクのファンがいてくれたんで。ボクはKNOCK OUTからRIZINに来て、KNOCK OUTのファンが格闘技をさせてくれていると思っていたんで、RIZINはアウェー感があったというか。「キックボクシングあがりが~~」みたいに思われていたと思うし、いろいろと騒動もありましたし。そういうのが、やっとなくなってきたというか。純粋に試合を見てメッセージを送ってくれる人がいるんですよ。「千裕選手の試合を観て格闘技始めました」「悩んでいたけど、千裕選手の試合を観て悩みが晴れました」とか。そうやって元気をもらってくれる人がいるので、ボクとしてはRIZINという第二の居場所ができたなという感じはありますね。KNOCK OUTあってのボクだけど、MMAでの居場所をつくれたのかなって。
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コメント
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鈴木いいなぁ
キャラ被りのない快男児だね
口では平本に遅れを取ってたけど、
格闘家なんだからやっぱ大事なのは実績なんだよね。