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もう手が付けられない!! 久保優太“大覚醒”インタビュー
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もう手が付けられない!! 久保優太“大覚醒”インタビュー

2024-09-07 00:00
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    斎藤裕を撃破した久保優太1万字インタビュー(聞き手/ジャン斉藤)

    ――
    久保選手は沖縄に滞在中ということでZOOMでの取材になりますが、休暇中に申しわけないです!

    久保 大丈夫です。ジャンさんからはけっこう前から期待していただいたので。

    ――木下カラテ戦の戦いぶりから、高橋遼伍戦のときも「絶対に何かが起こる」と思いましたし、やっぱりストライカーのMMAはロマンがあります! いまはホテルの部屋なんですか?

    久保 違います。ここはボクの別荘なんですけど……。

    ――別荘!

    久保 沖縄のホテル事業に投資したりして、年に4分の1くらいは打ち合わせや仕事で沖縄にいたりするんです。だから今回もお休みではなくて仕事で来てます。

    ――とはいえ仕事の最中の取材になるので、お時間いただいてありがたいです。今回の斎藤裕戦はいままでのMMAキャリアの中でも会心の出来だったんじゃないですか?

    久保 そうですね。MMAでやりたいことというか、立ち技で使えていたことがMMAでもだんだんできてきたなって。高橋選手の試合のときにそういう手応えを感じつつあったんですが、今回も練習どおりに動けるようになってきましたね。

    ――理想のMMAができるようになってきたと。

    久保 そこはトレーニングで実験しながら日々練習してきた成果を試合に出すことができてきたのかなというふうに思います。

    ――久保選手はK-1時代から距離設定がとにかくすごいと評価されています。今回の試合も序盤から自分の距離を把握できたこともあって、斎藤選手の打撃がほぼ当たらないし、テイクダウンもされない。

    久保 まず技術的な話をすると、たとえばパンチにしろキックにしろそれぞれの距離ってあるじゃないですか。打撃が当たる距離、タックルが入れる距離。例を挙げるとすれば、目の前の敵を倒すのにわざわざ爆弾は落とさないですよね?

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    ――ずいぶん極端な例ですね(笑)。

    久保 はい(笑)。どこで何を使うか、どういう技を使うか。パンチの距離なのに蹴りを出してもそれは適切じゃないし、蹴りの距離なのにパンチで出しても適切じゃないし、タックルの距離でパンチ出しても適切じゃない。この距離ならどういう攻撃をするか。そこをしっかりと頭に入れて戦っているところはありますね。

    ――キックと違ってMMAの攻防は多岐にわたるから、距離設定も難しくなってくるんですよね。

    久保 はい。最初はかなり難しかったです。とくに木下カラテ選手とやったときは……あの試合はものすごく勉強になりました。練習と実戦の違いというか、本気で打撃を当てにきながら、テイクダウンを狙ってくる。そういう選手と初めて5分3ラウンド、フルでやったので。練習で出せていることが2割ぐらいしか出せなかったし、めちゃめちゃ疲れたんですよ。高橋選手とやったときより全然疲れて「なんでこんなに疲れるんだろう……」と。それこそ1ラウンドはテイクダウンされても蹴り上げから立てたんですけど、3ラウンド目は疲れて疲れて立てる気がしなくて。

    ――そういう経験を積んで学習していった成果が高橋戦であり、今回の斎藤戦だったんですね

    久保 そうですね。練習って周り道することがたくさんあって。ちゃんと正しい方向で進めればいいんですけど、そう簡単ではないし、「ここは違ったかな」「この練習は違うな」って周り道することで強くなっていくこともあるんですね。

    ――回り道も時には必要だと。

    久保 あとは「焦り」ですよね。高橋選手のときもそうなんですけど、試合の2ヵ月前の勝率10~15%ところからやらなきゃいけない。その焦りが自分を向上させますね。今回の試合2ヵ月前の記者会見のときに「試合当日まで成長して斎藤選手を乗り越えます」という話をしたのは本音です。会見の時点で試合をやったらボクは間違いなく勝てないけど、2ヵ月かけて強くなって成長することによって勝てる。そのためにはいい意味で焦って練習するしかないんですね。

    ――斎藤選手とやってみていかがでした?

    久保 力がとにかく強いことはわかってたので、組まれたときの対応ですよね。そこは宮田(和幸)代表から教えてもらったレスリングの技術がかなり有効でした。そのへんは宮田代表がYouTubeでも話してるんですけど、力の強い相手に対してどうすればいいのか。逆に斎藤選手にプレッシャーをかけられたし、腕をパンパンにさせることができたんじゃないかと思います。

    ――オリンピアン直伝のテクニックで対応したと。

    久保 直前まで「斎藤選手のような力の強い相手に対してどうすればいいんですか?」ってことを宮田代表に伺いながら対策を練って。そういう技術をしっかり習得してきたつもりなので、2ヵ月間で相当強くなったと思ってます。

    ――斎藤裕戦というハードルがあったことで、テイクダウンデフェンスもレベルアップしたということですね。

    久保 そうですね。ボクは理想のファイターとしてミルコ・クロコップをいつも挙げているんですけど、ミルコのようにストライカーでもMMAで勝てることに憧れがあって。キックボクサーのボクが勝つことによって複雑な心境のMMAファンもいるかもしれないんですけど、同時にキックボクサーやキックファンに希望を与えられたかなと思ってて。最近は皇治選手、芦澤(竜誠)選手もそうですけど、立ち技の選手がMMAに転向してるじゃないですか。マーケットの中心がMMAになっているので、MMAに参入する立ち技の選手は増えている。そういう人たちに希望を与えることができたんじゃないかなって思います。

    ――立ち技からMMAに転向した久保選手と平本選手が同じ日に打撃で初KOをしたというドラマもありますね。K-1ファイターのポテンシャルのすごさもありながら、3~4年MMAの練習を続ける努力も人並み外れているんだろうなって。

    久保 ボクはMMAデビュー戦で太田(忍)選手に負けて、名前を出してはいけない某YouTuberさんと騒動を起こしてしまって。あれからSNSには出してなかったんですけど、それでも影でこそこそMMAの練習を続けてました。宮田代表のBRAVE、上田さんのFIGHTER'S FLOW、弟(久保賢司)の打撃レッスン。このルーティンはずっと欠かさずやってきましたね。

    ――だからこそ、いまがあるわけですね。今回の試合で唯一ヒヤリとしたのは、コーナーのテイクダウンの攻防にブレイクがかかった直後、斎藤選手の右フックがヒットしたところです。

    久保 ボクのミドルに対して斎藤選手がパンチを合わせてきたやつですね。あれは間違ったミドルキックを出してしまったからです。

    ――間違ったミドルキック?

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    久保 今回は基本的にカウンターミドルキックを打たなきゃいけなかったんですね。斎藤選手がパンチで合わせようとして、ボクのミドルキックで吹っ飛んでるシーンがありましたよね。あれが本来やるべきカウンターミドルキックなんですけど。あの右を食らったときは普通のミドルキックを出してしまった。だから斎藤選手に簡単に合わせられちゃったんです。あれはボクのミスですねぇ。


    ――ミドルでも狙いに違いがあるんですね。

    久保 そうですね。ボクの蹴りってびっくりするくらい効くんですよ。相手に「ヤバイな」ってビビらせることもできるんですけど、高橋選手のときはそれができてなかったんですよ。だから弟と「今回は昔のK-1時代のときのように蹴り込もう」って話をしてたんです。なぜ高橋選手のときは蹴れなかったかというと、キックボクサーがテイクダウンされるときって蹴り足を掴まれるときが多いんで。だから蹴りを出せずパンチ中心になるし、蹴りをあまり使わずに戦いがちなんですけど、テイクダウンされないという自信がついたら全然蹴れるじゃないですか。

    ――前の試合でテイクダウンされない自信がついたから、がんがん蹴れた。たしかに今回は蹴りまくってましたね。

    久保 ボクの左ミドルキックってバットでフルスイングするくらいの威力があるから、一度でも喰らえば、相手が警戒するようになるんです。

    ――当たる・当たらないに関わらず、左ミドルを気にしながら戦わないといけない。抑止力になるわけですね。

    久保 今回は相手がタックルやパンチだったりで入ってきたときのカウンターとしてミドルキックを使ったんですけど、斎藤選手のフックを食らったときは不意にいつものミドルキックを出してしまって、「あ、これじゃない、これじゃない!」って。

    ――斎藤選手はちょっとしたミスも付け込んできたと。

    久保 そこは本当にさすがだなって思いました。

    ――久保選手の「ボディ効いただろ?」アピールが炎上してましたけど(笑)。前回の高橋戦もそうでしたけど、上田トレーナーと「こういう展開になったらアピールしよう」と決めてたわけですね

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