年末年始にはなぜか「言葉」をテーマにした番組が多く放送される印象がある。
今年度も、勘違いしやすい「日常用語」「若者言葉」「ギャル語」「オノマトペ」「甘美な比喩表現」まで徹底的パトロールするという『ゴッポンニ』(TBS)や、「漢字」を使った新しいカードゲーム『Jukugo Awase』(フジテレビ)などが放送された。
そして元日には『来たれ!辞書部』(テレビ東京)という新番組が初回特番として放送された。
これは辞書部部員という出演者が辞書に載せたい言葉と意味を発表し話し合い、それを集めて辞書部オリジナル辞書を完成させるという趣向の番組。
その“辞書部”の部員には光浦靖子、せきしろ、五月女ケイ子、そして仕切り役で部長のピース又吉直樹というこの企画に最適なメンバーが揃った。
たとえば『去年ルノアールで』などで知られる文筆家のせきしろは「蛇口ひねったら辞書が出てこないかな」と笑うほどの辞書好き。そして又吉も、家に国語辞典だけでも4~5冊、他に類語辞典、地名辞典、カタカナ語辞典などを揃えているという辞書愛好家である。
番組は部員それぞれが見出し語と語釈を思い思い発表していく。
又吉が選んだ見出し語は『その他』。
そのた【その他】
書き記すほどではないが、確かに存在している何か。世界のほとんどは何かの余りだったり、残りだったりするので、その他こそ世界。
これに、又吉は「一番最初に『その他』を意識したのは10~11歳の頃、『キャプテン翼』を読んでいて。名前がついていないキャラクターが(主人公の)翼くんに(ドリブルで)抜かれる。あれが自分だと」感じたのだと解説する。
せきしろは『午後四時』。