Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム。今回のテーマは怪物ジョン・ジョーンズのコカイン使用発覚の続報! 




ジョーンズにコカイン禍、UFCは通年薬物検査計画を断念・・・

MMAの違法薬物対策は一歩後退へ


ネバダ州アスレティックコミッションが12月4日にジョン・ジョーンズに対して実施した抜き打ちの薬物検査の結果、コカインの代謝物質であるベンゾイルエクゴニンが検出されたことが、1月6日になって発表された。


とはいえ、ジョーンズに対する出場停止等の処分は一切行われることがなかった。1月3日に開催された「ジョーンズ vs コーミエ」の試合結果も覆ることはなく、ジョーンズのベルトも剥奪されることはなく、5万ドルの「ファイトナイト・ボーナス」も没収されていない。これは、ネバダ州コミッションが準拠している世界アンチドーピング機構(WADA)規則によると、コカインが禁止されているのは「競技期間内」だけであるとされているからだ。「競技期間内」とは、競技が行われる12時間前から、競技の終了時点までの期間を指す。

ジョーンズはその後12月中にもう一度抜き打ち検査を受けており、その際にはコカイン代謝物は検出されなかった。試合当日にも検査を受けているはずであるが、その結果は今のところ、まだ明らかにされていない。

ジョーンズ陣営ではただちに、ジョーンズが薬物依存を断ち切り、健康を回復すべく、リハビリ施設に入所したという旨の声明を発表した。米プロスポーツ界ではこのような問題が発生した場合によくとられる、標準的な対応なのだという。

違法物質であるコカインを使用した選手に何のとがめもなく、合法なマリファナの使用により、出場停止処分を受けたり、勝ち星をノーコンテストに変更されたことのある選手が多数存在することには、「不公平だ」「ダブルスタンダードではないのか」といった不満の声が広がっている。田中路教選手などは、花粉症対策の漢方薬を飲んだだけで9か月の出場停止を受けており、たとえそれがコミッションのルール通りの運用であるといっても、たしかに罪と処分が釣り合っていないようには感じられる。