Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム。今回はUFC復帰が噂されたブロック・レスナーがWWF残留。その舞台裏について……。
今月末でWWEとの契約が満了、UFC復帰か、WWE続行かで去就が注目されていたブロック・レスナー(37)が米国時間で3月24日(火)の米ESPNスポーツセンターの生放送に出演、WWEと再契約し、MMAからは完全に引退する旨を自ら発表した。
「私の中のファイターは戦い続けることを求めていた。しかし私は、父親でもあり、夫でもある。この年になると、もう自分一人ではないんだ。自分のプライドは横に置いておかないといけない。ここではっきり申し上げる。オクタゴンでの私の物語は終わった。しかし、プロレスでの物語は、これからも続く」
番組でのレスナーの様子や口調からは、率直かつ真摯に今回の決断を語っている様子が見てとれた。
「決断するまでに1年もかかったんだ。実はこの2か月、UFC復帰を目指してトレーニングもしていた。体調はすばらしかった。ただ、気持ち的に何かもうひとつ足りなかったことは事実だ」
「ロンダ・ラウジーの試合を会場まで見に行った(UFC184)のは、あの感覚、あのエネルギーをまた味わいたかったからだ。契約をしにいったわけじゃないし、交渉戦術を駆使したわけでもない。会場で試合を見ながら、私は自分自身がケージに上がっているところを想像してみた。でもそれは、正しいことだとは思えなかった」
「UFCを離れてから、私の中のファイターが、『連敗して辞めるなんて、あんな終わり方で本当に良かったのか』と問いかけてくるんだ。私は、プラスとマイナスの要素をひとつひとつあげて、長い時間考えた。私はすでにUFCヘビー級王座を獲得した。病気のせいで、キャリアは途絶えた。それももしかすると神様のお導きだったのかもしれない。2年も3年も病気をしていると、地球最強の男も、ただの弱々しい存在に成り下がったような気分になってしまう。これまですっと、超人として相手をぶちのめしてきたのに、もう昔と同じ自分ではない……UFCでの最後の3試合で、私の自信が萎えてしまったのは事実だ。だって、変わらない選手なんているのかい? アンデウソン・シウバはいまでも昔と同じ選手かい?」