Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――今回のテーマは出場停止5年という衝撃の処分が下されたニック・ディアス。兄貴はどうなってしまうんだ!?
ニック・ディアスに出場停止5年処分
権力の濫用だ、吊し上げだとネバダ州コミッションに非難囂々!
9月14日のネバダ州アスレティックコミッション(NSAC)の聴聞会では、今年1月31日開催のUFC183、アンデウソン・シウバ戦後のニック・ディアス(32)の薬物検査でマリファナ代謝物が検出されたことについての処分が話し合われ、出場停止5年という異例の重い処分が下されることが決定した。また、UFC183のファイトマネーの33%にあたる、15万ドルの罰金も科せられた。
ディアスはネバダ州で2007年と2012年にもマリファナで薬物検査を失格している。ディアスはまた、2009年にはカリフォルニア州で検査から逃げ出したことがある。
ディアスは1月31日の試合当日、3度の尿検査を受けた。1度目は試合前の午後7時12分、2度目と3度目は試合後の午後10時38分と午後11時55分に行われた。1度目と3度目の検査は、WADA(世界アンチドーピング機構)基準に則って検査が行われ、WADAが認証するユタ州のラボラトリ、SMRTLがサンプルを回収した。ネバダ州のマリファナの許容上限は尿1mgあたり150ng(ナノグラム)であるところ、ディアスの1度目の検査結果は48.37ng、3度目の検査結果は61.04ngで、いずれも陰性だった。2度目の検査は、WADAが認定していないニュージャージー州のQuestというラボラトリが実施した。この検査の結果は、733.23ngで陽性だった。
ディアスの担当弁護士、ルーカス・ミドルブロック氏は、WADA基準で行われた2度の検査が陰性だった以上、Questが行った検査は「まったくの異常値であり、科学的な信頼性に欠けていて、あまりに不可解」と反論した。
「2度目の検査だけがこのような高い値を示した。このことにはいかなる医学的説明もつきません。それにもかかわらずコミッションは恣意的かつ気まぐれに、WADA基準で行われた2度の陰性の検査結果を無視して、ディアス氏に懲罰を下そうとしているのです。まるでダチョウが砂に頭を突っ込んでいるかのように、現実を無視しているのです。これは醜くてあからさまな事実のすり替えです」
ミドルブロック氏はまた、Questが行った検査手順がWADA基準に則したものではなかったことも指摘した。