Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――今回のテーマは「米国メディアはUFC日本大会をどう伝えたか」――
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今年のUFC日本大会、「UFC Fight Night Japan 2015」(9月27日さいたまスーパーアリーナ)は、期待にたがわぬ好試合の連続で盛り上がりのうちに幕を閉じた。もっとも、米国のファンにとっては、日本人ファイターの登場が多すぎる「Fight Night」大会の1つにすぎなかったという面もあって、比較的冷静な報道や戦評が目についた印象だ。今回は、この大会をさまざまに報じた米MMAメディアから、アラカルト方式で拾い集めて紹介してみたい。
●米国での注目度は今ひとつ
Fox Sports 1で生中継されたUFC日本大会は、平均視聴者数841,000人で、今年の同チャンネルでのUFC中継の平均視聴者数882,000人をわずかに下回った。瞬間最高はメインの「バーネット vs. ネルソン」戦の1,103,000人で、メイン終了時には夜中の12時を過ぎていたものの、視聴者数は時間とともに上がり続けた。裏番組にボクシングのタイトルマッチやカレッジフットボールがあったことが、視聴率が上がらなかった要因としてあげられる。
●日本のMMAシーン復興の鍵とは
UFC日本大会には見所もあったが、同時に日本の格闘技シーンが変わってしまったことを印象づけた。観客動員数は10,137人で、過去4回の日本大会で最も少なかった。試合開始が朝9時であったこと、日本人の著名選手の出場がなかったことなどが原因としてあげらるが、同時に日本文化の中でMMAの存在がもはや大きな位置を占めていないことも伺わせた。
2012年2月26日のUFC日本大会は21,000人を動員した。しかしそこから、観客動員数は低下していく。これは日本がアメリカのエンターテインメントを輸入する際によく見られるパターンである。つまり、最初のイベントは大成功に終わることが多いが、継続していくことが難しい。それでも1万人を動員するのは立派なものだとも言えるが、やはり日本は、イギリスやアイルランド、オーストラリアといった、より大きな盛り上がりを見せる国とは違うようである。