Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――今回のテーマは信仰心はスポーツに何を与えるか――?
外人MMAファイター・インタビューの”あるある”、『神に感謝します』とは何か
信心深い選手は強いのか?負けても神のせいなのか?
神に感謝します――MMAの試合を見ていて、試合後の勝利者インタビューで外人選手はこういうことをさかんに言う。もはや聞き慣れてしまい、うっかり聞き流してしまうことも多いのだが、ふと立ち止まって考えてみると、筆者のように宗教とはさほど縁のない生活を送っている人間にとっては、勝利したあとの開口一番の言葉のチョイスとしては、いろいろな面で不思議な気もしてくる。
かつてチェール・ソネンは次のように語っていた。「神について語りたがる選手がいる。“神に感謝します”などと言う。いいか、オレも信心深い男で、子どもの頃からずっと、毎週日曜日には教会に行っているが、もし神が、土曜の夜に行われる、合法すれすれの拳闘大会のことをそんなに気にしているのなら、オレはがっかりして信仰心全体を考え直さないといけなくなる」。筆者もソネンの考えに説得力があるように感じられるタイプだ。神様にはもう少し重要で緊急性の高い心配事があってしかるべきではないかと思ってしまうのだ。
そもそも信仰心が強いことはスポーツ選手にとってプラスになることなのだろうか。2000年に行われたソウル大学の研究によると、信仰心を持つことは、不安を減らし、ピークパフォーマンスが発揮しやすくするという点で、アスリートにとって概してプラスの効果が認められたのだという。
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