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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2016/12/06
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おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は『この世界の片隅に』が変えてしまった、アニメーションの未来について語ります。

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「 『この世界の片隅に』が変えたアニメーションの未来」

 『この世界の片隅に』に、一番ショックを受けたのはジブリの高畑勲さんだったと思う。
 あの作品こそ、高畑勲が50年間かけてやりたかった事だよね。
 
 それを片淵さんがパンとやってしまった。

 みんな頭がいいから、この作品を見てどんな方向に努力をすればいいのか、何をやればいいのか、もうわかちゃったんだよね。
  
 宮崎駿がやった方向は、みんなは走っていけないんだ。
 ものすごく「個人の天才技」が要求されるから。

 でも片淵さんのやり方は、個人の天才技というより、ちゃんとまじめに仕事をする「積み上げ」なんだよ。

 宮崎駿は、すごいジャンプ力で高い場所のコインをポーンと取る『マリオ』。
 そして片淵さんは、ちゃんと下から足場を組んでる『マインクラフト』だって事がわかる。

 それにより、宮崎さんを超えたのが分かっちゃった。
 ここから先の人は、無理に宮崎駿みたいな天才性を目指さなくてよくなった。

 そうじゃなくて真面目にアニメ作れば、まじめに予算を集めれば、ちゃんとこんな作品できるのがわかっちゃった。

 そうなると天才型の作家が、この先ものすごいしんどくなってくる。
 ある種、片淵さんも天才なんだけどね。

 でも、宮崎駿、庵野秀明、押井守みたいなエキセントリック・タイプの天才じゃないんだよ。

 なので、『この世界の片隅に』は小さい話かもしれないんだけど、日本のアニメ業界の将来を全く変えてしまった。

 『この世界の片隅で』は一作品しかないんだけど、これから派生物が次々と現れてくる。

 『エヴァンゲリオン』が出たとき、「こんなアニメは『エヴァ』でしかできない」と誰もが思った。
 でも、あっという間に、エヴァみたいな作品がいろいろとあふれたじゃん。

 それと同じように、『この世界の片隅で』は、作れる作品なんだ。

 他の人も、がんばれば作れる。
 あそこまでの完成度じゃなくても、ある程度のレベルに届く作品。

 なので、これからのアニメの作られ方・見られ方は、変わって行っちゃうと思います。

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