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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2017/03/26
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おはよう! 岡田斗司夫です。
今回はアニメスタジオ“スタジオジブリ”が発行している購読誌『熱風』の解説・前編です。


今回はニコ生ゼミ2/19(#166)より一部抜粋しました。


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「ジブリ購読誌『熱風』解説・アニメ特撮研究家、氷川竜介を読み解く【前編】」


 ジブリが出している社内報『熱風』という雑誌について語ります。

 僕がなんで“社内報”って言うのかというと、まず本屋で売ってないから。
 そして、特定の人だけがもらえるものだから。

 さらに、メインターゲットの読者が“宮崎駿”だから。

 なにせ、ジブリの鈴木敏夫さんが「宮崎駿が読む本を作ってくれ!」って発注して作り始めた本だそうですからね。

 こんなのジブリの社内誌だよ(笑)。

 あるいは、“プラウダ”って呼んでもいいんですけどね。
 (プラウダ:かつてのソビエト連邦共産党の機関紙)

 でも、NHKの番組でも時々ものすごくいいのがあるのと同じで、だからこそ普通の雑誌では読めない、すごく面白い話が書いてあることがあります。

 2月号の『熱風』に載っていたアニメ特撮研究家の氷川竜介さんのインタビュー記事がすごく面白かったので、これを僕の注釈つきで読み込んでみようと思います。

 このインタビュー記事の中で、氷川さんが言ってることは3つ。

 1つは“雑食文化の衰退”。
 もう1つが“評価軸の移動”。
 最後の3つ目が、“デジタルネイティヴ”です。

 まずは、最初の2つを簡単に説明します。

 雑食文化の衰退っていうのは、「もともと日本にあったのは、アニメ文化ではなくて、子供文化であった」というお話。

 子供文化というのは何でもアリの文化だった。

 たとえば、円谷プロが作った、アニメと実写を合成した『恐竜戦隊ボーンフリー』とか『アイゼンボーグ』とか、特撮番組と人形劇と合体させた『Xボンバー』みたいなものがあったんですけど。

 かつては、こういう番組も全てアニメと同等に、同じカテゴリーとして語られていた。
 なので、当時の雑誌には、それらの記事が全て混ざって載ってたんですね。

 ところが、ジブリの鈴木さんがまだ徳間書店にいた頃に創刊した『アニメージュ』という雑誌によって、状況が変わった。

 氷川竜介さんは、その雑誌の中で特撮コーナーを担当していて、そこで様々な特撮番組を紹介していた。

 そしたら、読者から「なんでアニメ雑誌なのに、アニメ以外のものが載っているんだ!」って、大量の抗議が来たそうなんです。

 これ、今の僕らの感覚からしたら、「そりゃそうだろうな」って思うんですけども、当時の雑誌を作っていた人からしたら、すごく意外な反応だったんですね。

 というのは、当時は“オタク文化”なんていう言葉もなかった時代だったから。

 だから、とりあえず特撮モノであったり、NHKの教育番組であったり、“子供番組をあえて面白く見ている高校生くらいから上の大人たち”が対象だと思って作っていたんだけど、そういうのに対する拒否反応があった。

 そして、そこら辺からだんだんと「アニメファンがアニメしか見なくなった」っていうことが起こり始めたんだ。


(後編に続きます)


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