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「【評価経済を現実化した中国の芝麻信用 1 】 信用できない輩を排除して、もっとマナーの良い国へ!」
ここが面白いんですよね。
最初に言ったように、中国というのは、「借りたお金を返さないのが当たり前」と考える人が一定の割合いたような国だったから、信用スコアというのを個人個人に当てはめることで、もっとマナーの良い社会を作ろうとしたんです。
でも、これは確かに、中国社会にとっては国際問題にもなりかけているような喫緊の課題だったんですよね。
ちゃんとお金を返した人か、そうでないか、というデータベースですよね。
しかし、アント・フィナンシャルは、もっと面白いサービスを思いつきました。
NewsPicks【検証】アリババが発明した、人間の「格付けスコア」の驚異 2018/8/31 より
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こんなことは、クレジットカードを発行していて、さらには通信販売もやっていて、おまけにSNSサービスも全部手がけている会社じゃないと、やろうと思っても出来ることじゃないんですよ。
要するに、さっき言ったように、元々は「マナーの良い社会を作ろう」というのが入り口だったんですよ。
たとえば、山で獲れたものと海で獲れたものを交換する時。
交換する日を「月に1回」とか「週に1回」とか、それぞれ決めて、同じ場所にやってくることになるじゃないですか。
そういう時に、「山の人は獲れたんだけど、海の人はたまたま獲れなかった」みたいなことも起こりますよね。
「貨幣が、いつ、どういうふうに生まれたのか?」については諸説あるんですけど、その中で、僕がわりと信用している説が「貨幣というのは、こういった物々交換の時に頻発したトラブルを解決するために生まれた」という説なんです。
芝麻信用スコアの活用例として、もっとも一般的な分野。
NewsPicks【検証】アリババが発明した、人間の「格付けスコア」の驚異 2018/8/31 より
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芝麻信用というのは、こういう「借りたものを返すか?」というところから徐々に始まりました。
よく図書館とかに “置き傘” というのがありますよね。
ああいうのを借りた時に、ちゃんと返す人と、そうでない人がいる。
「そういったマナーを守る人と守らない人を、明らかに区別しちゃおう。区別するだけでなくてスコアつけちゃおう。点数をつけたら、それを誰でも見える化しちゃおう」というのが芝麻信用の始まりなんです。
つまり、「社会マナーがいい」とか、「あの人は大丈夫。信頼できる」という曖昧な印象評価を数値化して、全く面識のない第3者にも利用可能にした
ここが芝麻信用のすごいところですね。
でも、数十人から「あいつ、いいやつだよ。あいつは信用できる」って思われたら、少なくとも5人や6人からお金を借りることくらい出来るじゃないですか。
僕、実はこの芝麻信用というのは、貨幣に続く人類の大発明だと思うんですよ。
たとえば、お金でも、儲けて儲けてしている中で、仮に1日だけ損をしたとしても、プライドが傷つくだけで、それまで稼いだお金はゼロにならないじゃないですか。
なので、97%とか95%の人が良いと評価しているショップに対しては、みんな「ああ、すごくひねくれたクレーマーに文句つけられたんだな」くらいに考えるから、あんまり100%というのを追いかけなくてもいいんですよね。
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