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「【評価経済を現実化した中国の芝麻信用 2 】 “知られざる人徳者” は負け犬として扱う」
普通なら、彼らはユーザーに対して、買い物を出来るポイントを還元したり、キャッシュバックするなど囲い込みをするでしょう。
楽天がやっている、楽天ポイントのようなものです。
例えばユーザーが中国版ツイッターで「今日は掃除をしました」「お年寄りにバスの席を譲りました」とつぶやくと、ほんの少しですが、信用スコアが上がるのです。
NewsPicks【検証】アリババが発明した、人間の「格付けスコア」の驚異 2018/8/31
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そんなもん、「自分でこんないいことをした」って嘘をつき続けるだけでスコアがあがるんだったら、信用できないと思うところなんですけど。
なぜかというと、まず「そもそも本当に悪いヤツというのは、偽善者であるフリすらしないから」です(笑)。
これが、従来の日本人的な感性での好感度のランキングです。
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たぶん、こういう人が、日本では最もいい人だと思われるのでしょう。
つまり、本当にいい人なんだけど、その分、「俺っていい人だぜ!」ってアピールが強いヤツ。
その次が、まあ、この辺から良くなくなってくるんですけど、社会評価を気にするあまりの「偽善者」です。
別に、いいことをやろうというつもりはないんだけど、周りの目を気にしていい人の振りをする。
「人目がある時だけ、おじいちゃんに席を譲る」とか、そういう人ですね。
次に続くのが「自己アピールの少ない犯罪者」です。
悪いことをやってるんだけど、自己アピールが少ないから、周りからは、いい人とも悪い人とも決めつけようがない人。
実際に悪いことをやってる上に「俺はルールなんて守らねえ! ルールは破るためにあるんだぜ!」とかって言ってるような痛いヤツ。
これは社会評価を気にしているんですよね。
だって「俺は悪いヤツだ」と知って欲しいあまりに、悪いことをしていると口走っているわけですから。
日本では、こういった順番で、好感度のランキングというのが出来ています。
そこで、芝麻信用が考えたのが「僕らの社会の中では一番いい人だと考えられている “知られざる人徳者” や “自己アピールの少ない正直者” というのを気にしないことにする」ということでした。
だって、中世のヨーロッパなんて “貧者ピエール” っていうのがいたくらいで「貧しいこと=人徳者」だと考えられていたんです。
……みんな、大丈夫?
俺、さっきから、なんか嫌われそうな話をどんどんしてるんだけど(笑)。
マネー経済から評価経済への流れの中では、「稼ぐ気のないヤツは負け犬」という考えに加えて、「自分の評価を上げる気がないヤツは負け犬」という考え方に至ってしまうものなんです。
だから、さっき話したような、本来の日本人の感性に照らし合わせると評価が高くなるはずの “知られざる人徳者” や “自己アピールの少ない正直者” も、「それは怠け者と同じだ。人徳者であるならば、ちゃんと自分が人徳者であることをアピールしろよ!」と言われるようになるんです。
「その人が持っている才能や能力を発揮しろ!」というのは、プロテスタントの考え方なんですよ。
僕らも知らないうちにそういう考え方をしてるし、僕らは半分はアメリカ人で、1/4は中国人でもあるような民族なんだから、そこら辺、あんまり自分のことを忘れて悪口を言ってると、後で恥ずかしい思いをすることになるぞ!(笑)
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