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「【評価経済を現実化した中国の芝麻信用 3 】 ちゃんと “いい人アピール” をするのが良い市民」
芝麻による信頼度ランキングでは、こんなふうになってしまったんですね。
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次に「偽善者」ですね。
そして、3番目が「知られざる人徳者」、4番目が「自己アピールの少ない正直者」と続きます。
まあ、下の方はしょうがないとして、なぜ偽善者が人徳者の上に来るのかというと、少なくとも偽善者は「自分はいいことをした」とTwitterでつぶやいてくれるからです。
そうなれば、中国人というものが、全体的にマナーがよくなってくるし、「借金を返すのは当たり前だ!」というふうに国民全部が教育される。
かつては “孔子の教え” とか “孟子の教え” みたいな人徳者教育というのがあったんですけど。ところが、毛沢東の革命以来、そういう宗教的な主柱というものすらなくしてしまったんですね。
つまり、日本とは桁違いの人口がいるので、本当に “恥も外聞もなく” やらなければ、上に登れないわけです。
みなさん、僕、ちょっと今回は持って来なかったんですけど、中国の美術大学の入学試験の写真とかを探して見てください。
「この中で上手いヤツだけが大学に通る」っていうんだから、もう、僕らが考えている人間同士の競争というのとは、全く次元が違うんですよ。
なので、メンタリティーも変わってくるし、自己アピールの強い偽善者、もしくは善人というのも、率先して前に出て、自分たちの社会的スコアを上げようとする。
その結果、彼らがどんどん大袈裟につぶやくことによって、徐々に社会がよくなっていくんですね。
すると1番の “自己アピールの強い善人” が何をするかというと、「俺はちゃんと日本でのマナーを守った。 他の中国人も俺みたいに守って欲しい」とつぶやくわけですね。
「ちゃんとマナーを守った」というんですけど、実は守ってない。薬局とかで割り込んだりするんですけど、「俺はマナーを守った」と嘯くわけですね。
5番は、マナーを守らないけど、そもそもつぶやかない。
6番は、マナーを破った上で、それを自慢する。「日本に行ってこんな文句つけてやったぜ!」とか、「日本に行って落書きしてやったぜ!」とか書いちゃうわけですね。
6番の人にも、一部には賛同する人もいるんですけど、芝麻信用のスコアはゆっくりと下がっていく。
元々は、「このようにして、中国という国家全体の体を整えていく」という目的で始まったというふうに言われてます。
「中国全体の信用度を上げるため、中国人同士のビジネス道徳を向上させるためには、多少の偽善は許す。 その方が国民の民度が上がる」という判断で作られているわけです。
本当にいいことをしていれば、その人の周りにいる実名で登録している人も「そうだよね。お前、いいことしてたよね」と言うものなんです。
恐ろしいですよね(笑)。
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