閉じる
閉じる
×
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
─────────────────────────────
「【評価経済を現実化した中国の芝麻信用 3 】 ちゃんと “いい人アピール” をするのが良い市民」
――――――
そして、3番目が「知られざる人徳者」、4番目が「自己アピールの少ない正直者」と続きます。
まあ、下の方はしょうがないとして、なぜ偽善者が人徳者の上に来るのかというと、少なくとも偽善者は「自分はいいことをした」とTwitterでつぶやいてくれるからです。
そうなれば、中国人というものが、全体的にマナーがよくなってくるし、「借金を返すのは当たり前だ!」というふうに国民全部が教育される。
かつては “孔子の教え” とか “孟子の教え” みたいな人徳者教育というのがあったんですけど。ところが、毛沢東の革命以来、そういう宗教的な主柱というものすらなくしてしまったんですね。
みなさん、僕、ちょっと今回は持って来なかったんですけど、中国の美術大学の入学試験の写真とかを探して見てください。
なので、メンタリティーも変わってくるし、自己アピールの強い偽善者、もしくは善人というのも、率先して前に出て、自分たちの社会的スコアを上げようとする。
その結果、彼らがどんどん大袈裟につぶやくことによって、徐々に社会がよくなっていくんですね。
すると1番の “自己アピールの強い善人” が何をするかというと、「俺はちゃんと日本でのマナーを守った。 他の中国人も俺みたいに守って欲しい」とつぶやくわけですね。
5番は、マナーを守らないけど、そもそもつぶやかない。
6番は、マナーを破った上で、それを自慢する。「日本に行ってこんな文句つけてやったぜ!」とか、「日本に行って落書きしてやったぜ!」とか書いちゃうわけですね。
6番の人にも、一部には賛同する人もいるんですけど、芝麻信用のスコアはゆっくりと下がっていく。
元々は、「このようにして、中国という国家全体の体を整えていく」という目的で始まったというふうに言われてます。
「中国全体の信用度を上げるため、中国人同士のビジネス道徳を向上させるためには、多少の偽善は許す。 その方が国民の民度が上がる」という判断で作られているわけです。
本当にいいことをしていれば、その人の周りにいる実名で登録している人も「そうだよね。お前、いいことしてたよね」と言うものなんです。
───────────────────────────────────
いかがでしたか?
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
番組内で取り扱う質問はコチラまで!
マグネシウムのタツヤ(FREEex)
岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/09/20
───────────────────────────────────
今回は、ニコ生ゼミ9月9日(#247)から、ハイライトをお届けいたします。
動画や全文が気になった方、【ブロマガチャンネル】メルマガ専用 岡田斗司夫アーカイブ(月額2,160円)のご入会はこちらから!
↓
─────────────────────────────
「【評価経済を現実化した中国の芝麻信用 3 】 ちゃんと “いい人アピール” をするのが良い市民」
ということで、マネー経済から評価経済へ流れる中で、芝麻信用というのは、「社会的評価を気にしない人は敗北者であり、これからの中国には不必要な “下級市民” だ」という考えに至ってしまったんですね。
“上級市民/下級市民” というのは、そういう意味なんですよ。
「これからの中国に必要なのは、もっと市民がマナーを守ること = 他人からの見た目を気にする民族であらねばならない。でないと、延々と外国に行って恥をかく」という考え方が基になっているんです。
なので、好感度のランキングも変動することになりました。
芝麻による信頼度ランキングでは、こんなふうになってしまったんですね。
芝麻による信頼度ランキングでは、こんなふうになってしまったんですね。
――――――
1.自己アピールの強い善人(社会評価を気にする)
2.偽善者(社会評価を気にする)
3.知られざる人徳者(社会評価を気にしない)
4.自己アピールの少ない正直者(社会評価を気にしない)
5.自己アピールの少ない犯罪者(社会評価を気にしない)
6.自己アピールの強いチンピラ(社会評価を気にする)
――――――
ここで最も評価されるのは、「自己アピールの強い善人」なんですよ。
次に「偽善者」ですね。
次に「偽善者」ですね。
そして、3番目が「知られざる人徳者」、4番目が「自己アピールの少ない正直者」と続きます。
まあ、下の方はしょうがないとして、なぜ偽善者が人徳者の上に来るのかというと、少なくとも偽善者は「自分はいいことをした」とTwitterでつぶやいてくれるからです。
そうすると、少なくとも、それを見ていた3番や4番の社会評価を気にしなかったり自己アピールの少ない人たちが、ついつい偽善者の真似をして、マナーを守るようになる。
そうなれば、中国人というものが、全体的にマナーがよくなってくるし、「借金を返すのは当たり前だ!」というふうに国民全部が教育される。
あの国というのは、本当に何億人もの人口を抱えているし、人が山のようにいるもんだから、放っとくと “野蛮” な方に傾いていく傾向にあるんですよ。
かつては “孔子の教え” とか “孟子の教え” みたいな人徳者教育というのがあったんですけど。ところが、毛沢東の革命以来、そういう宗教的な主柱というものすらなくしてしまったんですね。
なので、一時期の中国は、アメリカ人以上にプラグマティック(実利的)になっていました。
もう1つ言われているのが「10億人の競争力」。
つまり、日本とは桁違いの人口がいるので、本当に “恥も外聞もなく” やらなければ、上に登れないわけです。
つまり、日本とは桁違いの人口がいるので、本当に “恥も外聞もなく” やらなければ、上に登れないわけです。
日本というのは、所詮は1億人ちょっとしか人口がないので、そこそこ頑張れば、そこそこの評価を得られるんですけど。
みなさん、僕、ちょっと今回は持って来なかったんですけど、中国の美術大学の入学試験の写真とかを探して見てください。
中国で美術系の大学の入学試験というと、ありえないほどデカいドームみたいな場所に、縦も横も1000人ずつくらい学生が並んで、一斉にデッサンしてるんですよね。
「この中で上手いヤツだけが大学に通る」っていうんだから、もう、僕らが考えている人間同士の競争というのとは、全く次元が違うんですよ。
「この中で上手いヤツだけが大学に通る」っていうんだから、もう、僕らが考えている人間同士の競争というのとは、全く次元が違うんですよ。
なので、メンタリティーも変わってくるし、自己アピールの強い偽善者、もしくは善人というのも、率先して前に出て、自分たちの社会的スコアを上げようとする。
その結果、彼らがどんどん大袈裟につぶやくことによって、徐々に社会がよくなっていくんですね。
・・・
さて、このランキングが変わったことによって、どうなるのかっていうと。
たとえば、この1から6の人が、一斉に日本に旅行したとします。
すると1番の “自己アピールの強い善人” が何をするかというと、「俺はちゃんと日本でのマナーを守った。 他の中国人も俺みたいに守って欲しい」とつぶやくわけですね。
2番の人は “偽善者” ですから、上と同じ。
「ちゃんとマナーを守った」というんですけど、実は守ってない。薬局とかで割り込んだりするんですけど、「俺はマナーを守った」と嘯くわけですね。
「ちゃんとマナーを守った」というんですけど、実は守ってない。薬局とかで割り込んだりするんですけど、「俺はマナーを守った」と嘯くわけですね。
それに対して、3番とか4番は、マナーは守るんですけど、つぶやいてくれないんですよ。
5番は、マナーを守らないけど、そもそもつぶやかない。
6番は、マナーを破った上で、それを自慢する。「日本に行ってこんな文句つけてやったぜ!」とか、「日本に行って落書きしてやったぜ!」とか書いちゃうわけですね。
芝麻信用というのが導入されると、1番とか2番の人ばっかりが目立つことになるわけです。
6番の人にも、一部には賛同する人もいるんですけど、芝麻信用のスコアはゆっくりと下がっていく。
元々は、「このようにして、中国という国家全体の体を整えていく」という目的で始まったというふうに言われてます。
この仕組を見れば「そんなことしても、偽善者が増えるだけ」という指摘が、ピント外れなことがわかるかと思います。
偽善者の方が露悪的なやつよりずっとマシだし、それどころか、社会評価を気にしない人と比べても、実は “システムとして” まともである。
つまり、法治国家の日本に当てはめると、「法律というのをいやいや守っている偽善者の方が、正直者なんだけれど、時々、法律違反を犯すような人よりはずっとマシ」ということになるわけですね。
「中国全体の信用度を上げるため、中国人同士のビジネス道徳を向上させるためには、多少の偽善は許す。 その方が国民の民度が上がる」という判断で作られているわけです。
・・・
「守らないでしょ、偽善者は」(コメント)
いや、この芝麻信用というスコアがあれば “守らざるを得ない” んですよ。
これについては、この後、詳しく話すんですけど。
芝麻信用というのは、基本的に「自分は本当は何という名前の人間で、どこに住んでいて~」という情報を公開すればするほど、スコアが上がりやすく出来ているんです。
SNSと連動している恐ろしさが、ここなんですよ。
本当にいいことをしていれば、その人の周りにいる実名で登録している人も「そうだよね。お前、いいことしてたよね」と言うものなんです。
そして、そういった周囲の同調が全く見られない人間というのは、スコアがあんまり上がらないように出来ているわけです。
恐ろしいですよね(笑)。
恐ろしいですよね(笑)。
───────────────────────────────────
動画や全文が気になった方、【ブロマガチャンネル】メルマガ専用 岡田斗司夫アーカイブ(月額2,160円)のご入会はこちらから!
↓
http://ch.nicovideo.jp/okadatoshio-archive───────────────────────────────────
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
番組内で取り扱う質問はコチラまで!
よい質問は、よい回答にまさる、と言われます。
みなさんの質問で、僕も予想外の発想ができることも多いです。
だから僕は、質疑応答が大好きです。
みなさんからの様々な質問をお待ちしています
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
企画編集:のぞき見のミホコ(FREEex)
ヤムアキ
起こしのヤスタカ(FREEex)
歴史のカオリ(FREEex)
───────────────────────────────────
岡田斗司夫
and
Special Thanks To読者のあなた
───────────────────────────────────
Copyright(C) OkadaToshio. All Rights Reserved.
───────────────────────────────────
■お問い合わせ
有料メルマガの購読、課金、メール未達に関するお問い合わせは、
『ニコニコヘルプ』のページよりお願いします>http://qa.nicovideo.jp/category/show/501
チャンネル会員ならもっと楽しめる!
- 会員限定の新着記事が読み放題!※1
- 動画や生放送などの追加コンテンツが見放題!※2
-
- ※1、入会月以降の記事が対象になります。
- ※2、チャンネルによって、見放題になるコンテンツは異なります。
岡田斗司夫ゼミからのお知らせ
更新頻度:
毎日
最終更新日:
チャンネル月額:
¥550
(税込)